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石川五右衛門

いしかわごえもん

石川五右衛門とは、日本の盗賊。安土桃山期に大盗賊としてその名を轟かせた事で知られており、当時から現代に至るまで各種創作の題材ともされるなど一種の伝説的な存在ともなった。(1558年?-1594年)
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曖昧さ回避編集

  1. 日本安土桃山時代に現れたという盗賊。本記事にて解説。
  2. モンキー・パンチ漫画ルパン三世』の登場人物。 → 石川五ェ門
  3. 1を題材とし、2016年に放送されたテレビ東京制作・十一代目市川海老蔵主演の時代劇

概要編集

安土桃山期に、京都などを中心に活動していたとされる盗賊。後述の様々な逸話が残るものの、その人となりや活動を示す正確な資料は少なく、その素性の多くは未だ謎に包まれている。

一方で、この当時日本に滞在していたスペインの貿易商が、「主に都市部を中心に窃盗を働き、豊臣家の手勢に捕らえられ一族ともども処刑された盗賊がいた」と記録しており、イエズス会の宣教師もその注釈という形で、処刑当時の様子を書き記した記述に「Ixicava goyemon」の名が記されている。

この他山科言経林羅山らの日記・著作にも、五右衛門の処刑にまつわる記録が残されている事から、少なくとも実在の人物であったという事はほぼ確定を見ている。


時に権力者に屈する事無く気ままに活動する様からも、一種の「傾奇者」と呼べる存在。

こうした謎多き生涯が創作者の意欲を掻き立てたのか、江戸期に入ると歌舞伎浄瑠璃の演目を始め様々な創作作品において、「権力者に対する反逆者」「義賊」という部分が強調されて描かれ、幅広い人気を博した。

近世から現代に至ってもその人気ぶりは衰える事なく、小説や映画、漫画、ゲームなど幅広いジャンルで、五右衛門を題材とした作品・キャラクターが数多く世に送り出されている。


人物・生涯編集

※ 以下に記す内容は、巷間に広まった伝説や逸話などに拠るところが多く、必ずしも実態に即したものであると言い難い事にも留意されたい。


幼名は五郎吉とも。出自については、以下に列挙するように様々な説が存在する。

  • 伊賀出身の抜け忍で、百地三太夫(百地丹波)の弟子に当たる
  • 遠州浜松出身の真田八郎なる人物が、河内石川の医家により名を改めた
  • 丹後石川氏(丹後守護・一色氏の家老の家柄)の末裔
  • 三好氏の家臣の子で、長じて主家の蔵から黄金造りの太刀を奪って盗賊の道に進んだ

このうち1番目については、百地のもとで伊賀流の忍術を学んでいたものの、彼の妻との密通の末に妾を殺害、逃亡に及んだとの伝承が知られている。

あくまで創作上の脚色という事を念頭に置く必要があるが、歌舞伎の演目として有名な『楼門五三桐』においては、当時のの貿易商である宋素卿(がモデルの人物)の遺児で、明智光秀(を元にした人物)の元で育てられたという、豪快かつ複雑な出自の人物として説明されている。


五右衛門が盗賊となった時期についても確定を見ていないが、前述の三好家臣出自説では主家の蔵に押し入った時期を16歳の頃の事としている。少なくとも10代半ばの頃から、このような悪事を繰り返していたものと世間からは認識されていたと考えられる。

盗賊の道に進んだ後、京都東山の方広寺の門前にあったという大仏餅屋を隠れ家としていたようで、20人ほどの手下や仲間の頭目として都市部を中心に、権力者を相手どって様々な悪事を繰り返していたとされる。この当時の天下人である豊臣秀吉やその政権への反発から、庶民の間では英雄的な存在と見られていたようである。


釜茹での刑編集

五右衛門という人物を語る上で避けて通れないのが、彼の処された「釜茹での刑」である。

文禄3年(1594年)に秀吉の手勢(一説によれば、この手勢の中に仙石秀久も加わっていたという)に捕縛された五右衛門は、同年のうちに京都の三条河原において釜茹でに処されたという。この時五右衛門に連座して、その一族や他の頭目ら総勢約20名もまた、磔に処されたとされる。刑に処された日時は8月24日、もしくは12月12日とも。


捕縛の原因として広く知られているのは「秀吉の寝室に忍び込んだ」というもので、秀吉の所有する名物「千鳥の香炉」を盗もうとした、もしくは秀吉本人の命を狙ったともいわれる。目的を果たそうとした今一歩のところで、香炉がチリチリと音を鳴らしたため潜入が発覚したという逸話も残されている。

このうち、秀吉の命を狙った説については、前出の丹後石川氏出自説を援用する形で、自家並びに主家滅亡の元凶たる秀吉への恨みがあったとも、また木村重茲(常陸介、豊臣秀次家臣で木村重成の父)からの依頼があったとも言われている。

他にも潜入の事実こそなかったものの、予てから都市部での窃盗被害が多発していることを危惧した秀吉が、京都所司代の前田玄以に命じて市内で捕縛させたと記すものもある。


「釜茹で」については、大釜で熱せられた湯もしくは油の中に罪人を放り込み、これを煎り殺すという処刑法であるとされ、前出のスペインの貿易商の記録などから、この時釜の中で煮えたぎっていたのは油(植物性油)の方であったと主張する向きも存在する。

この時五右衛門だけでなく、その息子も同様に釜茹でに処されたとされるが、これについても、

  • 「息子だけは生かしてやりたい、苦しませたくない」と、我が身を犠牲にし、息絶えるまで持ち上げ続けた
  • 「どうせ死ぬのなら苦しませて死なせるのは惜しい」と、一思いに煮え油に沈ませた
  • 釜底のあまりの熱さに耐えかね子供を下敷きにしてしまった

・・・と諸説ある。絵師が記録した処刑の様子も併せて考えると、敢えて煮え油に沈ませたという説が有力であるとの声もある。

さらに上記を全否定し、「釜茹でされたのは五右衛門の母親だった」という説まで存在する。


釜茹でという刑自体は、中国においては紀元前より存在したとされ、日本においても鎌倉~室町期の頃には(実際に行われていたかはさておき)刑罰の一種として認識されていた節があるが、この五右衛門の例があまりに有名となったのもあってか、鉄製の円形釜を炉で沸かす構造の風呂が、後世「五右衛門風呂」と呼ばれるようになったとも言われている。


石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」(辞世の句より)


派生作品・キャラ等編集

ルパン三世編集

石川五エ門 アラカルト

ルパン一味の一人・石川五ェ門(近年のアニメの表記。漫画では石川五右ェ門)は、彼の十三代目の子孫という設定。「ごえもん」と言えばまずこちらを思い浮かべる者も多くpixivタグでも過半数を占める。


がんばれゴエモンシリーズ編集

てやんでぇ!

コナミの代表的なゲームタイトルシリーズのひとつ。


戦国無双シリーズ編集

洮水の戦い

イラスト中央の大柄な男。詳しくは「石川五右衛門(戦国無双)」の記事を参照。


恋忍者戦国絵巻編集

恋忍者戦国絵巻 普段

(右)


天下一 戦国Lovers編集

五右衛門と姫。

CV:藤原祐規


パズル&ドラゴンズ編集

2014


信長の野望編集

随時情報募集中です


仮面ライダーX編集

ガマゴエモン

 GOD悪人軍団の一員として、五右衛門をモチーフとしたガマゴエモンが登場。

 モチーフがモチーフだけに盗みがうまく、木遁を始めとする伊賀流忍術を扱える。


仮面ライダーゴースト編集

ゴエモン魂

主役ライダー・ゴーストの変身する形態の一つとして、石川五右衛門の魂が憑依した『ゴエモン魂』が登場する。


ペルソナ5編集

喜多川とゴエモン

喜多川祐介のペルソナ『ゴエモン』が登場する。


モンスターストライク編集

センシティブな作品

石川五右衛門(モンスト)


黄金の日日編集

黄金の日日まとめ

当初は堺の商人・今井宗久の飛脚番として登場。主人公である助左(納屋助左衛門)善住坊とも親交があったが、後に日比屋の娘への横恋慕など紆余曲折を経て、盗賊の頭へと転じていく。

当時状況劇場所属であった根津甚八が演じ、その人気を決定付ける契機ともなった。


秀吉(大河ドラマ)編集

『楼門五三桐』での描写も汲んでか、豊臣秀吉幼馴染という設定で登場。演者は赤井英和

同じ農民の出ながらも、武士と盗賊という異なる道に進んだ彼らの対比が描かれた。


風が如く編集

相互記念別バージョン

米原秀幸の漫画作品の主人公。

戦国時代にタイムスリップしてしまった少年・時越速太が出会った大泥棒。

元は百地三太夫に師事した伊賀の忍で身体能力が高く、未来から来たバイクを初見で乗りこなすなど運転のセンスにも優れる。また、その体には風を操る鬼「風鬼」が封じられている。

エピローグで彼もまた幼少期にタイムスリップした現代人だったことが判明する。


へうげもの編集

厳密には石川五右衛門という人物は登場していない。

徳川家康により秀吉暗殺に送り込まれた服部半蔵配下の忍者の二人組。

大工の「五平」「留吉」を名乗って聚楽第に潜入し、寝室の床下から秀吉の命を狙うが、ほんの偶然からすんでの所で取り逃す。

直後に護衛から矢を射られ片方は死亡。生き残ったもう一人は石田三成により、見せしめとして大泥棒に仕立て上げられ釜茹でにされた。


BRAVE10編集

片倉小十郎配下の忍者として二代目石川五右衛門が登場。

五右衛門の娘を名乗っているが実は男性。


妖怪ウォッチシャドウサイド編集

五右衛門(妖怪ウォッチ)


豪談『猿飛佐助』編集

不思議な能力を持つ「山の民」出身の忍者。物質透過の能力者。

元々の名前は文吾と言い、主人公猿飛佐助にとっては兄弟子にあたる。

師である戸沢白雲斎の下を出奔し、石川五右衛門を名乗って京の町を荒らし回る。

服部半蔵の策略により豊臣秀吉の首を狙い、秀吉護衛の任務に就いた佐助と対立。


関連タグ編集

盗賊 釜茹で 歌舞伎 義賊

石川五ェ門 がんばれゴエモン

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