概要
平均体長が50~70センチ程度になる比較的大型のフグ。
緑のかかった濃紺色の背側と、胸ビレ後ろの周囲が白い大きな丸い黒斑が特徴である。
北海道から九州までの沿岸部、オホーツク海周辺、朝鮮半島、台湾、中華人民共和国東シナ海沿岸部などに生息。
食性はやや肉食傾向の強い雑食で、貝やウニ、エビ、海藻などを好む。
他のフグ類と同じく食した特定の生物の中に含まれる毒素を体内に蓄積するため、人間の飼育下で徹底管理された個体は無毒となる。
大型種で可食部分が多い事もあり、高級魚とされるフグ類の中でも最も高価とされその味や食感から非常に人気が高い。
他のフグ類の多くと同様に体内(卵巣・肝臓・腸など)に猛毒のテトロドトキシンを持ち、無免許での調理は原則禁止(自治体によって細かな規制内容が異なる)。
筋肉の他、白子や皮膚には毒がないため、高級珍味として珍重される。
主な料理方法は、刺身・鍋・唐揚げ、白子の焼物や茶碗蒸しなど。
天然産は主に延縄や底引網などで漁獲される。
1960年代に養殖の基礎技術が確立し、1980年頃には商業化。
その後西日本の沿岸部での海面養殖が広まった他、人工海水を用いた陸上養殖化も進み東日本の内陸部などでも普及しつつある。
近年は養殖産の温泉トラフグや水を吐くフグなどが話題となった。