概要
フグ類の筋肉は繊維質で弾力が強く、普通の刺身の厚さに切ると一般の人では噛み切ることが難しい。
そこで肉を軟らかくさせる為にフグを〆てから布を被せて丸1日から2日程度熟成させ、さらに「ふぐ引き包丁」と呼ばれる専用の包丁を用いて、切り身が透けて見えるほどの「薄作り」に仕上げる。
「フグは高価で稀少品なので少しでも長く味わえるための工夫した結果、薄切りが一般化した」という俗説については、不正確であるとされる。
基本的な盛り方として、メイン画像のように大きい円形の皿に刺身を平たく円盤状に満遍なく盛り付ける「べた盛り」が一般的。
その他に工夫を凝らして見た目にも楽しめるようにした「鶴盛り」、「菊盛り」、「孔雀盛り」、「牡丹盛り」などの盛り方もある。
切り身はポン酢を付けて食べる方法が一般的で、薬味としてもみじおろしや葱なども好みで使用する場合もある。
付け合わせとして、湯引きした後に氷水で冷やし細切りにしたフグの皮が添えられていることもある。
危険な有毒種の多いフグ類自体の法令上の厳しい取り扱いや、高い調理技術を要する手間の掛け方、そして見た目の美しさから高級日本料理の代表格の一つでもある。
ちなみに関西地方でフグは、「(毒に)当たれば死ぬ」という意味合いから「テッポウ」(鉄砲)や省略した「テツ」とも呼ばれている。
このことからフグの刺身には、「テッポウ刺し」から派生した「てっさ」という別名も一般化。
また山口県下関市や福岡県北九州市などでは、「福」とかけてフグを「ふく」と呼ぶ慣習がある。
関連項目
宇髄天元:好物