概要
樺太・北海道・本州・四国などと並び日本列島を構成する島の一つ。列島内の四つの大きな島のうちで一番西南方に位置する。面積約36,000平方キロメートルで、列島内では3番目、世界では36番目に大きな島である。
「九州」という名前は、この島に筑前・筑後・肥前・肥後・豊前・豊後・日向・大隅・薩摩の9つの令制国があったことに由来する。五畿七道では全域が西海道に属し、長崎県に含まれる壱岐・対馬を加えて「九国二島」と呼ばれることもあった。
明治の廃藩置県により整理され、現在は7県が置かれている。ただし「九州地方」の場合は離島である沖縄県が含まれ8県となる。
九州地方の総人口は約1250万人(2023年)で、東京都より若干少ない程度である。
令制国との関係
細部の境界変更はあるが、概ね次のように区分される。
- 福岡県:筑前国・筑後国全域、豊前国北部
- 佐賀県:肥前国東部
- 長崎県:肥前国西部、壱岐国・対馬国
- 熊本県:肥後国全域
- 大分県:豊後国全域、豊前国南部
- 宮崎県:日向国全域
- 鹿児島県:薩摩国・大隅国全域
上記のほか、奈良時代から平安時代にかけての一時期に長崎県の五島列島と平戸島が肥前から分離されて値嘉(ちか)、鹿児島県の種子島と屋久島が大隅から分離されて多禰(たね)とされていたことがあるが、どちらも分離元の国に戻されている。
地形並びに資源
島内には阿蘇山・霧島山・雲仙岳など大きな火山が多い。歴史的には、噴火により数万人が被災する規模の巨大災害が幾度も発生している。一方、火山と関連して温泉が各地に湧出しており、観光資源として地域経済に貢献している。また地熱を電力源として生かそうと地熱発電の開発も進められている。
豊かな地熱により、九州は地下資源の宝庫と呼ばれ、金・銀・石炭などが豊富だが、現在では筑豊などの炭鉱は全て閉山し、金・銀の商業採掘も鹿児島県の菱刈鉱山のみとなっている。
日本の中でも緯度が比較的低い九州は太陽光の日照に恵まれ、太陽光発電が非常に盛ん。晴天時に需要を超える電力が生み出されがちなため、捨てられる電気を有効に生かそうと系統用蓄電池の整備が相次いでいる。
年中温暖なため四季を通じて農業が可能だが、秋には台風がしばしば上陸するため、農産物(米、野菜、花卉、果樹)が大被害を受ける。近年の地球温暖化により台風の勢いが増す傾向にあり、台風上陸前に収穫できる超早場米への切り替えや作付け体系の多様化が進められている。
関連タグ
九州地方 筑紫 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県