概要
長崎県の島原半島中部(島原市・南島原市・雲仙市など)にある火山群の総称である。「温泉岳」の名称で国の特別名勝に指定されている。
最高峰の平成新山(1,483m)を中心に、周囲に、普賢岳(1,359m)、国見岳(1,347m)、妙見岳(1,333m)、野岳(1,142m)、九千部岳(1,062m)、矢岳(943m)などがある。平成新山は1990年代の火山活動で形成された溶岩ドームである。この平成新山を形成した火山活動は、大規模な火砕流(メイン画像)によって甚大な被害をもたらしたことで知られる。
島原大変肥後迷惑
1792年5月21日(寛政4年4月1日)、雲仙岳の前山(眉山)が大規模な山体崩壊を起こし、それによって発生した大津波が島原や肥後国などを襲って甚大な被害をもたらした。この災害は島原大変肥後迷惑 (しまばらたいへんひごめいわく)と呼ばれており、日本の火山災害史上最多となる1万5,000人もの犠牲者を出した。
1991年の噴火・火砕流
1991年(平成3年)6月3日16時8分頃、雲仙岳(普賢岳)で大規模な火砕流が発生した。当時「定点」と呼ばれた島原市の国道57号水無川橋に襲来し、無断で立ち入っていた報道関係者やそれを取り締まっていた警察・消防関係者らを中心に43名が死亡するという、大災害が発生した。気象庁はこの火山現象を「平成3年 (1991年) 雲仙岳噴火」と命名。2014年の御嶽山噴火が発生するまでは、日本の火山災害としては戦後最大の人的被害であった。「定点」が安全であると過信したマスコミ関係者の配慮不足により起きた人災であるという批判が根強く、しばしばいわゆるマスゴミの象徴的な事例として槍玉に挙げられることが多い。