地熱発電
マグマにより熱せられた地下水から蒸気を取り出してタービンを回し発電する。自然エネルギー発電の中で比較的大きな出力を得られ、アイスランドのような多用している国もある。火山の付近に適地が多い。
※尤もアイスランドは日本と比較して数十分の1の電力で事足りる小国であり、主力発電は水力であり地熱では無いことに留意が必要
しかし日本では開発適地が温泉地帯とかぶってしまうため、温泉の湯量減少、温泉の温度低下のおそれがあるとして温泉業者や地域住民の反対を受けることが多い。
理屈としては単純明快で、熱量を奪うことで地層や温泉の体積が変動して圧力が激減する為である。
また地下水(温泉)が豊富なため総じて温度が低く得られるエネルギーが少ない上に土中成分が場所ごとに異なるため腐食、結晶付着などにより汎用的な製造が難しく整備費用が高騰する。
それでなくても適地の多くは国立公園内などで風光明媚かつ自然豊かな場所が多く、発電所を建てる場所に制限を受ける。
また、見えない地下を掘り進める事になるため、掘削しても熱源に到達するのは5~10回に1回程度といわれており数千万から数億円の莫大な費用がかかるため、民間企業の参入が進まない要因となっている。
更に土中の有害物質の層に当たってしまった場合、それらが噴出し広範囲に被害をもたらす危険性があり、こうなってしまった場合は噴出しきるのを待つしかなくどうしようも無い。
一般的なシングルフラッシュ式の発電ではおおむね200度以上の地下水が必要だが、80度程度の熱水でも発電は可能で、この場合は水より低い温度で沸騰する冷媒を使ってタービンを回す(バイナリー発電)。この方法は既に湧き出ている温泉を利用できるので導入難易度が低い。が、冷媒の腐食効果によってチタン等の高価な素材の多様、駆動部の損耗が激しくなるので費用は高騰する。
また、マグマに直接水を注入し蒸気を発生させ発電する方法も研究されている。
しかし、いずれの方法も発電によって消費される熱量が供給量を遥かに上回る為、徐々に発電量が低下していきやがて発電不可能となる。
小規模の発電であれば、この問題は小さくなるが今度は実用性が損なわれる。