化学反応により直接発電する装置である。一般的に水素と酸素を反応させ電力と熱を取り出し、水を生成するものが有名。
用途
1960年代にアメリカ合衆国の宇宙船で実用化され、アポロ計画でも用いられた(タンク内に酸素と水素が十分ある上、生成物の水が乗組員の飲み水(=生命維持に必須)と成るため)。
近年は、研究が進み定置発電用としては既に高効率のものが開発されており、産業用や家庭用のエネルギー源(電気と、副産物として熱を生産する)として注目されている。
都市で電源として用いられる燃料電池は都市ガス・プロパンガス・灯油を水素源として電気と熱湯を生み出すもので、節電効果が期待されて導入される。
大型のものは下水処理場、病院、オフィスビル等の施設に導入されている。
小型のものは、「エネファーム」という名称で家庭用としても使われている。
一般的なものは水素を燃料とするが、メタノールなど別の物質を使うものも存在する。
自動車や鉄道車両用の駆動電源としても研究されているが、移動体用は変換効率が高く無く、燃料電池自体が非常に高コストな消耗品な点から研究はしていても、年々改良が進む蓄電池(リチウムイオン電池やニッケル水素電池)に比べ競争力が無いのが実情の様で在る。
またペースメーカー等の人工臓器(サイボーグ)の電源として、糖分を酵素で分解し、電力を得るものも開発されているが、肝と為る酵素が短い期間しか持たない為まだ実用化されていない。
実用に耐えられる様に成れば患者への手術の回数が減らせる為、手術という患者への負担を軽くする事が出来るとして期待されている。