概要
風車の形状は一般的なプロペラ型以外に、ダリウス型、サボニウス型など、様々な形状のものがある。
特徴
風がふく場所であれば発電でき、何も排出しない。このため、CO2等を排出する火力発電に代わるクリーンエネルギー(再生可能エネルギー)として期待されている。
風力の変換効率は高い(40%)のだが、風力や風向きは大きく変化するので効率は自然条件に大きく左右される。風が吹かない場合は発電できないのはもちろんだが、台風などの強風下では風車や発電機の破損を招く恐れがあるのでブレードの角度(ピッチ)を変えて速度を抑制し、さらに強い風が吹くと保護のために発電を休止してやり過ごす。
風力発電と災害
日本の大型風車は50m、小型風車は37.5mまでの風速に耐えられるようになっているが、千葉県内の各地で風速50m超えを記録した2019年の台風15号のような大型台風の襲来を想定すると、これでも不安がある。そもそも、日本では送配電を(風速40mまでしか耐えられない)電柱に依存しているため、風車が無事でも発電設備としては機能しなくなることも考えられる。
台風常襲地の沖縄県の離島ではあまりにも強風による風車の損傷・倒壊が多発したことから、沖縄電力は強風に備えて倒れるようになっている可倒式風車を導入している。地球温暖化の煽りで本土でも上記の台風15号のような大型台風の被害が増えている状況を考えると、今後は沖縄以外でも可倒式風車の導入が進むかもしれない。
また、積雪寒冷地では豪雪により風車や発電機が破損するケースがあるため、対策が課題となっている。
環境問題
風力発電のプロモーション動画はBGMが入っていることが多いため無音のような印象を与えるが、実際には音がする。
個人差が大きいが、風車からの低周波音・超低周波音による振動による健康被害を訴える人もいる。
また太陽光発電所や水力発電所(ダム)にも言えることだが、地球環境のため、CO2の排出を減らすためという名目の元、大規模な風力発電所などを建設するために森林が削られ野生動物の住処が奪われる事もある。
また、洋上・陸上問わず鳥類に害を与える可能性や、洋上では鯨類や鰭脚類などの海洋生物に悪影響を与える可能性も指摘されている。
これらの問題点から、風力発電に反対する運動や団体も存在する。
新しい風力発電装置
上述の環境問題に配慮した改良型の風力発電装置の開発も進んでおり
低周波音を減らしたり、建設の際のスペースを最小限にした物や
バードストライク対策を施した物などが続々開発されている。