概要
鳥が様々な乗り物や建物に激突等して、対象に甚大な打撃を与える事態の総称。
もちろん鳥は即死し、バードストライクされた対象もひびが入ったり壊れたりする。
特に航空機の場合、下記のように脅威となっており、航空業界や空軍の天敵となっている。
- ローターに直撃。鳥は肉も骨も羽根もぐちゃぐちゃになり、ローターを破壊された航空機も墜落して、乗っていた人は大抵死ぬ。
- ジェットエンジンに吸い込んでしまい、鳥は原形をとどめない破片になる。複数機エンジンを装備していれば生き残った側のパワーで生還出来るが単発若しくは双発以上でも全エンジン破損(低確率であるが後述のとおり全滅の実例あり)の場合エンジンを壊された航空機も悲惨な運命をたどる事になるだろう。
- それ以外の場所に激突した場合、やはり高速で激突するので機体に深刻なダメージを受ける(鳥は原形をとどめる場合も)。向きによっては刺さる。
という事態に陥る危険がある。
最も良く知られたバードストライクによる航空事故として、USエアウェイズ1549便不時着水事故(通称:「ハドソン川の奇跡」)が事例として存在する。
(この事故では、乗員乗客が全員無事で事なきを得たが、離陸直後の低高度で両エンジンに致命傷を受けた事でどの空港にも辿り着けず不時着水する事になり、機体は全損となった)
他にも墜落や不時着に追い込まれたケースや、海辺の空港では鳥が多数舞った為にバードストライク予防で一時滑走路閉鎖に追い込まれる事も。
そのため可及的速やかに対策を図りたいのだが、一番簡単かつ確実な「誤吸入防護柵」の様な対策では空気吸入量が激減し、出力が低下、飛ぶことができなくなってしまうため対策とは言えない。
この為、「スピーカーで鳥の悲鳴を流す」「空砲を撃って脅かす」「離着陸時には前面のエアインテークを閉じ、別の吸気口を使う事でエンジンに鳥を吸い込まない様にする(MiG-29等)」等、いろいろな対策が研究されているが決定的な方法はまだ見出されていない。
また、鉄道車輛等でも発生しており、特に新幹線をはじめ高速鉄道ではありがちである(ただし運転室の窓に当たりでもしない限り、危険度が低いのであまり報道されない)。
昭和天皇が昭和40年に新幹線にご乗車された折、新幹線車両のバードストライクの痕跡を見て詠った御製を残されたというエピソードもある。
在来線車輛でもフロントガラスが割れた事もあった。
自動車でも発生し、モータースポーツでは、レース中に顔面に鳥が直撃して死亡したレーサーもいる。
···のだが、pixivではそこまで深刻でない状況に対して「バードストライク」タグを付けられる事もある。
人為的な鳥の死亡のうち、バードストライクは猫による捕食に次いで2番目に多い死因となっている(Science Feedback)。
関連イラスト
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チキン :航空機やエンジンがバードストライクに耐えられるかの試験に「チキンガン」と呼ばれる、鶏の死骸を打ち出す砲が用いられる。
鳥インフルエンザ:バードストライクと並び、鳥と人々に大被害を及ぼす物