概要
恐竜絶滅後、地上生の鳥類の内複数の系統から「手斧のような巨大な嘴」「強い力を持つ脚」「飛翔能力が失われた代わりに得られた筋骨隆々とした大きな体」を持つ鳥類が誕生し、ネコ科動物やイヌ科動物が優勢になるまで各地で生態系の頂点に君臨していた。
これをまとめて「恐鳥類」と呼称する。英語圏ではTerror Birds。
恐鳥類と呼ばれる独自の系統があるのではなく飽くまで総称であり、姿の相似は収斂進化の賜物である。例えばフォルスラコスはノガンモドキに近縁であり、ディアトリマ(ガストルニス)やドロモルニスはカモに近い仲間だと考えられている。
見た目や表面的な特徴のみで分類されたという意味では、猛禽類に近い(猛禽類は、主に鷹や鷲、フクロウ、隼などが該当するが、鷹とフクロウはやや近縁だが、隼は、鷹よりもスズメやオウムに近い仲間とされる)。
尚、ディアトリマやドロモルニスは化石の研究から植物食だったのではないか?という説も出ており、これが正しいとなると、恐鳥類は新生代の鳥類であること以外は、ほとんど見た目だけしか共通点がないことになる。
肉食性哺乳類に生存競争で敗れた、と推測された絶滅原因も、精々一部でしか当てはまらないことになり、さらなる研究が待たれる。