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🐦概要編集

空を飛ぶことに適応した脊椎動物の一群。恒温性があり、卵生で、くちばしを持っておりは無く、体が体毛羽毛)で覆われており、前肢がになっている。歯が無いかわりに砂嚢砂肝)で食物をすり潰す。


の前後に空気を貯めるふいごのような器官(気嚢)を持ち、きわめて心肺機能が高い。体制に飛翔のための適応が顕著であるが、ペンギンダチョウなど空を飛ばない鳥もある。


知能と視覚に優れ、さえずりによるコミュニケーション群れの形成、つがいが協力しての子育てなど、社会性を発達させた種が多い。


系統と分類編集

恐竜から進化した直系の子孫である。系統的には恐竜類のうち竜盤類獣脚類に属する。実は爬虫類のワニではなく、鳥類が恐竜の生き残りである。かつて2億年ほど地上を支配した恐竜は現在、空の支配者になっている。


爬虫類の中の系統でいえば、双弓類有鱗類魚竜首長竜、恐竜など爬虫類の大半の系統)⊃主竜類(恐竜、ワニ、翼竜など)⊃恐竜類竜盤目獣脚類堅尾類スピノサウルスアロサウルスなど)⊃コエルロサウルス類ティラノサウルスコンプソグナトゥスなど)⊃マニラプトル類(翼を持つ羽毛恐竜オビラプトルトロオドンなど)⊃鳥群始祖鳥など)>鳥...となる。


つまり系統的には鳥も爬虫類に含まれてしまう(竜弓類)のだが、少なくとも現生種を見る限りは鳥と爬虫類は生態が著しく異なっており、形態的にも翼や羽毛や気嚢の有無など多くの特徴で鳥類と爬虫類は明確に区別できる。現在の生物学では、鳥類は鳥類学で、爬虫類は両生類と一緒に爬虫両棲類学で取り扱われており、多くの鳥類学者は「鳥綱」の存在そのものの見直しには消極的である。また、この論理(側系統群を認めない)だと、他にも四肢動物全体が肉鰭類肺魚シーラカンスなど)に含まれるなど分類に大きな混乱をもたらしてしまう(「魚綱」は既に解体され廃止されている)。


なお、アーケオプテリクスなど古鳥類(ヴェロキラプトルやトロオドンなどと同じドロマエオサウルス類に分類されている)と、白亜紀以降出てきた初期の鳥類には、「前腕=翼の可動指の有無」「尾の長さと機能」など、2023年現在いまだに明確に区別できる違いがあり、「鳥類は恐竜(爬虫類)の呼び方が変わっただけ」というわけではない。


羽毛の起源編集

従来は、鳥と恐竜の決定的な違いを羽毛の存在に求めていたが、鳥の祖先に当たる系統の羽毛恐竜の存在が知られるようになると、羽毛の有無で鳥を定義することはできなくなった。


また、恐竜と近縁の翼竜が初期の羽毛に似た体毛を持っていることや、鳥とは系統的に離れた鳥盤類プシッタコサウルスクリンダドロメウスなどから羽毛様の謎の構造物が残る化石が発見されたことから、2000年代初頭に、一時期「全恐竜羽毛恐竜説」なるものが騒がれた。この仮説は、全身鱗のミイラ化石がボレアロペルタブラキロフォサウルスエドモントサウルスなどから発見されたことで否定されているものの、これらの系統がアルマジロのように二次的に鱗に切り替えた可能性はまだ否定されていないため、議論が続いている。足先が鱗の鳥も羽毛の鳥もいるため、現在も恐竜が元々羽毛を持っていたとする説を支持する意見は根強い。身体が小さく体温が低下しがちな孵化したばかりの幼体の時は、全恐竜が羽毛や類似するもので身体を覆っていたのでは?という見解もある。



外見編集

視覚が発達しているために、色鮮やかな種が多い。人間の場合は男性よりも女性のほうがお洒落であることが多いが(服の種類が豊富であるなど)、鳥類はメスよりオスの方が羽が色鮮やかで美しいことが一般的である。これはオスがメスの目に付き、選ばれる努力をしなければならないからである。また、外見以外にもオスの方が美しい声を持つ種が多い(メスは羽の色、鳴き声が地味なだけで顔形はかわいい)。これは、巣で卵を産み育てるメスが外敵に見つからないようにするためであるとも言われている。鶏のひよこなどの例外を除き、雛も保護色をしている。卵も翡翠色などがあるが、基本的に保護色である、中には巣で子育てするオスの鳥や、美しく華やかなカラーのメスの鳥も普通にいる。


フワフワした羽毛を持った生き物でカラフルな鳥類はかなりのイレギュラーである。哺乳類にもカラフルな生き物はいないことはないが、マンドリルキンシコウなど霊長類の一部にほぼ限られる。哺乳類は恐竜との競合の過程で夜行性となり、色覚を退化させてしまったため、色鮮やかな動物が少ないと言われている(人間を含む霊長類は昼間に樹上生活をする中で、果実を見つけやすいよう、色覚を再度獲得した)。さらに、鳥類には紫外線も見えているため、人間からしたら地味だと思うメスの鳥でも、鳥から見たら普通に綺麗なのかもしれない。


身体構造と食性編集

まぶたが二重(瞬膜)、血液中のアンモニア尿酸に変えて排泄するなど、基本的な体制は爬虫類の特徴を色濃く残す。恐竜が進化の過程で獲得した恒温性や軽量ながら強靭な骨格、気嚢システムによる高度な肺機能は鳥類に受け継がれ、多大な運動量を要求される飛翔に役立っている。寿命は種によって異なるが、オウムインコ長寿で知られていて、大型種だと50~60年、個体によっては100歳を超す例もあるという。


徹底した軽量化のため、多くの鳥類はオスのペニスが退化しており存在せず、オスメス共に「総排出腔」と呼ばれる排出器官と生殖器官を兼ねる穴がある。フン・卵・精液などはみんなこの穴から排出される。交尾の際にはオスとメスがこの穴を押し付けあう形をとる。ただし古顎類カモ科はリンパ液によって勃起するペニスを有し、カモ科は繁殖期ごとにペニスが生え変わる。


雑食性の種が最も多いが、純粋な肉食動物も多くいる。他の動物を捕食(または腐肉食)することに特化したものとしては猛禽類魚介類を専門に食べるものではペンギンなど、昆虫を専門に食べるものではツバメなどがある。コウノトリのように小動物を広く摂食するものもいる。


飛行にエネルギーを消費する上、体を軽く保たないといけないので、多くの鳥が動物性の食べ物や、果物穀物や花のなど高カロリーの植物質を好み、純粋な草食動物は非常に少ない(純植物食という意味ではハチドリなどがいる)。その中でダチョウツメバケイは草の繊維質を消化器官で発酵させてエネルギー源とすることができることから草食動物と定義される。



知能と感覚編集

上述の通り、鳥類は哺乳類に比べ視力が良い。摂食や外敵の察知を聴覚嗅覚に頼る哺乳類に対し、多くの鳥は視覚を主にしているからである。人間は哺乳類の中では視力に優れている方だが、鳥には到底かなわない。鳥目という言葉があるが、多くの鳥は夜間にもしっかり見えている。鳥は一部の種を除くと昼間に主に活動することで知られるが、小鳥カモなどは猛禽類に襲われないよう夜に渡りをする。これらの鳥はで方向を察知している。つまり、フクロウのような夜間の活動に特化した鳥でなくても、暗所の視覚は人間より優れている。また、長距離を飛ぶ鳥は地磁気でも飛ぶ方向を知ることができると言われているが、鳥が地磁気を感知するメカニズムは謎に包まれている。


鳥類は声帯が退化しており、代わりに鳴管という発声器官が発達していて、さえずりをすることができる。一部の鳥は左右の気管支の鳴管を独立に動かすことで一度に複数の発声ができる。


フクロウなど夜行性の種は聴覚が大いに発達している。フクロウは耳が左右非対称の位置についていて、音の位置を正確に把握することができる。たまに鳥には超音波が聞こえると思っている人がいるが、鳥の可聴域は人間より狭いので、人間に聞こえない音は基本的に鳥にも聞こえない。


哺乳類に比べるとのサイズは小さい。体重140kgもある大型の鳥であるダチョウでも脳の重さはたったの40gしかない(60gもある眼球より小さい)。構造的にも視覚を処理する中脳が大きく発達していて、その分大脳が小さいという解剖学的特徴は哺乳類と大きく異なる。しかし、カラスオウム、大型インコは知能が鳥類の中ではダントツで、哺乳類のを超え、霊長類にも匹敵することが確かめられている。これは鳥の脳の神経細胞の密度の高さによるという。また、哺乳類は中脳が退化しているため、視覚処理は大脳が担当しており、その分大脳が大きくなっているという面もある。鳥の頭が小さいからと言って馬鹿と断ずることは決してできないのだ。ただし、中には文字通り「鳥頭」の種もいるようでダチョウはとんでもなく記憶力が低く「自分の家族が分からないほど頭が悪い」という話がある。


哺乳類では脳の臭脳(臭球)がよく発達しているが、多くの鳥類ではこの臭球は小さくなっており、特にカラスでは痕跡程度に退化している。このため、鳥類は一部の飛べない鳥を除いて嗅覚には劣ると考えられている。しかし研究が進んでいないためよくわかっていない。


味覚については鈍感な種が多いと言われているが、種によっては鋭敏とする見解もある。カラスは何でも食べる悪食なので味にはこだわらないようだが、インコは食べ物の好き嫌いが激しいことからそれなりに味にはうるさいようである。人間の味蕾(味を感じ取る器官)は舌に集中しているが、鳥の場合は喉や口蓋に分布しており、また人間より密度が低い。唐辛子の辛味物質であるカプサイシンを感じ取ることができず、激辛の唐辛子でも気にせず食う。


一番〇〇な鳥編集


人間との関わり編集

ニワトリを筆頭に、アヒル(鴨)、シチメンチョウホロホロチョウなどが食用のを供給するために飼育される。これを家禽という。伝書鳩に用いたり、鷹狩り(放鷹)や鵜飼などのかたちで狩りや漁にも利用された。また、カナリア文鳥インコオウムなどがペット(愛玩鳥)として飼われる。


野鳥が人を襲うことはあまりない(カラスなどが人を襲うことがたまにあるが、命に関わる事態になることは稀)ものの、航空機バードストライク墜落させる他、鳥インフルエンザを運んで各地の農家に打撃を与えるなど、意外に危険な存在でもある。


各言語での呼び名編集

言語カナ表記綴り
ヨーロッパの言語
英語バードBird
スペイン語アベ / パハロ / パッハロAve / Pájaro
イタリア語ウッチェッロUccello
フランス語オワゾーOiseau
ドイツ語フォーゲルVogel
ハンガリー語マダールMadár
フィンランド語リントゥLintu
アジアの言語
アイヌ語チカプCikap
ウイグル語クシュQush
ウチナーグチトゥイTui
韓国語Sae / 새
キマラガン語トンボロッグTombolog
シュメール語ムシェンMushen
タイ語ノックNok / นก
タガログ語イボンIbon / ᜁᜊᜓᜈ᜔
タンボラ語キラインコンKilaíngkong
チベット語チャBya / བྱ
中国語ニャオNiao / 鸟
モンゴル語ショヴォーShuvuu / Шувуу
ラーオ語ノックNok / ນົກ
レド・カイリ語トンジTonji
アフリカの言語
ウォロフ語ピッチPicc
コサ語インタカIntaka
ズールー語ウォツァナWotsana
ソト語ノニャマNonyana
ツワナ語ノニャネNonyane
ハウサ語ツンツTsuntsu
マー語(マサイ語)エンゴリコロEngolikolo
オセアニアの言語
サモア語マヌManu
タヒチ語マヌManu
ハワイ語マヌManu
フィジー語マヌManu
マオリ語マヌManu
ラパ・ヌイ語マヌManu
ロトカス語コキオトKokioto
人工言語
アルカクトKuto
アルベド語ソニSoni
ヴォラピュクベドBöd
エンテ・イスラ語Zikx
オーレー語アフェヤデブコベヴァヒケA-feyadebucobevahike
グロンギ語ドシDoshi
ソルレソルファレシファFaresifa
トキポナキリパリサ / トモタワコン / ワソKili Palisa / Tomo Tawa Kon / Waso
ひんたぼ語ナルNaru
メルニクス語ブウディドゥBuudidu
リパライン語ケティヴKetiv

鳥の種類の一覧編集


鳥が関連とする神話・伝承編集


鳥物編集

鳥をモチーフとしたキャラクター編集

特撮編集

ゲーム編集

アニメ編集

漫画編集

人物にも「鳥」が使われる編集

その他編集

鳥の関連タグ編集

野鳥 家禽 愛玩鳥 / 飼い鳥

小鳥 水鳥 海鳥 猛禽類 飛べない鳥 渡り鳥

鳥影 鳥群群鳥 鳥葬 (鳥の巣) 鳥籠

雛鳥 幼鳥 若鳥 成鳥

 雄鶏 雌鶏 ひよこ  鶏肉

抱卵 孵化 さえずり

器官:羽根  羽毛  総排出腔


生物 動物 天然記念物 イラスト 自然画 リアルリアル絵  飛行

バードウォッチング/ 野鳥観察 / 鳥見 鳥類図鑑 誕生鳥

鳥さん 小鳥さん

(・8・)  ピーピー チュンチュン チーチー カーカー コケコッコー ピヨピヨ

鳥と男の子 鳥と女の子


鳥インフルエンザ


別名・表記ゆれ

トリ とり バード Bird

鳥類タグとしてはリアルタッチな絵に用いる)

他の記事言語

Birds 조류


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