曖昧さ回避
概要
実方雀(さねかたすずめ)とも呼ばれる平安時代の有名な歌人・藤原実方の怨念の化身とされる怪鳥。
伝承によると一条天皇の侍臣でもあった実方はある日、藤原行成に陰口を叩かれた事を切っ掛けに殿上で口論となり、頭に血が上ってしまった実方は勢い余って行成の被る冠を奪い取って投げ捨ててしまうという前代未聞の不祥事を犯してしまった。
この行為が原因となり京都から当時陸の孤島であった陸奥国(現在の東北地方)へと左遷させられた実方は、自分への仕打ちへの怨みと京都への想いを募らせつつ失意の内に没するが、その強い憎しみや都への想いから実方の霊魂は1羽の雀へと化身(あるいは憑りついたともいわれる)すると毎朝、京都の内裏の清涼殿へと侵入して台盤(食事を盛る台の事)に盛られたご飯をついばみあっという間に平らげてしまう様になったとされている。
また、この雀は農作物を食い荒らしたともいわれており、当時の人々は実方の怨霊の仕業として大いに恐れたという。