「…ル………ルア…」
概要
聖文字は"C"。後述の能力で敵の妨害や死体処理等を行った。
騎士団の中でも唯一二頭身で、身に余るサイズの衣服を着込みフードを被っている。このフードの内は黒く影で覆われ、顔や表情は窺えない。
本気の時や激情を露わにする時は頭部が激しく蠢く等、本当に人間なのかすらも疑わしい。
非常に寡黙で、登場してから長い間自分から言葉を発しなかった。
能力
- 聖文字 "C" ―強制執行(The Compulsory【ザ・コンパルソリィ】)―
当初は “ペルニダに近づいた人物の肉体を捻じ曲げ、血だまりになるまで折りたたむ” ぐらいしか分からなかった。
攻撃の動作が全く不明で、突如として捻じ曲がる肉体に驚愕を露わにする人物は多かった。
後に涅マユリの解析で、自身の神経を対象に通して有機物・無機物関係無く強制的に折りたたむ(より端的に評するなら『対象に自分の神経を通して、それを自分の肉体の一部にして意のまま操る』)能力と判明(劇中でも「『血装』の発展技だろう」と推測されている)。
神経が体内に侵入すると、いずれは全身にも回る性質上『全身を麻痺させる』か『侵入された部位を即座に切り落とす』しか方法は無い。
マユリは侵入された部位(作中では右腕)の「筋骨・血管・神経の配置を組み換えて神経の侵食を遮断する」という自他の肉体改造を積極的に行っている自分でも試した事がないような常軌を逸した策を即興で思いつき、ペルニダの神経攻撃を攻略した。
能力の応用戦術として地面に神経を通し、敵が地面に足を付いた瞬間に自身の神経を相手に通わせ能力が発動可能であり、これがノーモーション攻撃の正体である。(アニメでは千手丸の卍解に抵抗しようと神経を飛ばす描写が描かれている。)更に、予め地面にこの一撃必殺の神経を満遍なく張り巡らせて足場を無くしたり、地形操作による大規模な質量攻撃なども披露した。
ただし、攻撃中は神経をむき出しにしている状態から、弱点を無防備に晒しているも同然で、神経を通しても意味のない薬物に関しては、モロに影響を受けてしまう。
この神経には学習能力もあるようで、敵の能力も盗み自身のモノにしてしまう。ラスボス級の厄介さを誇った能力と評価できる。
名称は不明。アニメの追加描写にて初披露された。
カラーリングは金色で、羽はまるで手の様な形状をしている。
持前の神経による攻撃以外にも、羽を腕の様に伸ばす攻撃で曳舟桐生を追い詰めた。
実は原作においても聖別による復活後、1コマだけしれっと羽を生やしている描写があったが、至ってステレオタイプな「天使の羽」の様に描かれていた。
正体
※ この先、アニメ『BLEACH千年血戦篇 -相剋譚-』の重大なネタバレを含む為、原作・アニメ未視聴の方は閲覧には注意されたし
マユリ「ン? 何だって? もっと大きな声で言い給えヨ」
「ヒダリ…ウデ ナマエ…チガウ…」
「ナマエ…ペルニダ…ペルニダ…パルンカジャス…」
その正体は霊王の左腕(比喩でも肩書でもなく本物の左腕)。
掌に眼が1つあり、その中には2つの瞳が存在している。感情が昂るとグルグルと回す。
ただし、本人は左腕である事実を否定しており、あくまで「『ペルニダ』と言う個である」と主張している(一方で霊王としての記憶を持ち合わせているようなセリフを述べており、明らかにこの時だけカタコトでなくなり声質も低くなっていた)。
頭部が蠢いていたのは、フード内の指を広げようとしていたからで、更にはコート内に隠していた本体の全長は、真世界城の建造物よりも高い。
上記の能力の他、滅却師らしく弓矢状の霊子兵装を同時に5つ発動し、発射した神聖滅矢の軌道を神経によって変える芸当も可能で、加えて自身の放った矢にも神経を通わせているので、一発でも食らわせれば能力を発動できる。更に、たとえ指1本を切り落としても即座に再生し、それどころか切り落とされた指の方も、もう1体のペルニダになってしまう。
分裂した個体も上記の能力が使えるが、本体と違って瞳孔は1つだけである。
マユリによると浮竹十四郎に宿った霊王の右腕は「静止」を司り、この左腕は「前進」を司ると解析している。
しかし、この「前進」こそがペルニダの真骨頂と断じても過言ではなく、前述の能力により収集した情報を瞬時に解析・反映し(理論上は)無限に進化する可能性を秘めている。
劇中でもマユリと対峙した当初はカタコトで喋ったり、言葉にならない奇声を叫んだり、自分でちぎった中指から垂れる血が目に染みて痛がったりする等マヌケさや幼稚性が目立つ性格であったのが、瞬く間に知性を得て饒舌になったり、剣八の反射速度、マユリの卍解である『金色疋殺地蔵・魔胎伏印症体』の反映能力を獲得している。
何故霊王の左手であるはずのペルニダが星十字騎士団に所属していたのかは、アニメ(第2クール)の補完描写にて明らかとなった。
1000年前にかつてユーハバッハと兵主部一兵衛が対談を交わした際に、兵主部がユーハバッハへ霊王の左手を押し付ける代わりに、『全知全能』の力を封印した。これが真相である。
劇中の行動
- VS 零番隊
修多羅千手丸が呼び出した巨大な神兵と、リジェ・バロに撃ち殺された千手丸(ただし偽物)の遺体を折り畳んで処理した。
二枚屋王悦との戦闘では能力を発動する前に刀を頭部に突き刺されて絶命(王悦VSアスキンで彼らのセリフから死んだ扱い)。
聖別で復活後は、曳舟桐生の「命の檻」を捻じ曲げて破壊。
アニメでは完聖体を発動し、そのまま桐生との一騎打ちにもつれ込み、桐生を退ける。
その後、桐生を含む零番隊3人の犠牲を以て発動した、千手丸の卍解『娑闥迦羅骸刺絡辻』の結界の中に封印されるも、石田雨竜が千手丸を斃したことで結界から解放される。
- VS 一護一行
霊王を取り込もうとするユーハバッハだったが、黒崎一護達が乱入し妨害に遭ってしまう。
ユーハバッハに攻撃する四楓院夜一の隙を突き、彼女の左腕を破壊した。
- VS 剣八→マユリ&ネム戦
ユーハバッハの命令で侵入してきた死神達の討伐に赴き、侵入した剣八とマユリらと対峙。
剣八に頭を斬られて出血するも致命傷にはならず、逆に剣八の片腕を折り曲げて使用不能にさせる。
それでも臆さずに斬りに来る剣八を能力で体を折りたたもうとしたが、マユリの斬魄刀・疋殺地蔵の麻痺の能力で剣八もろとも動きを封じられてしまう形で失敗。
剣八を殺せなかったが彼を戦闘不能に追い込む。
今度はマユリと交戦。
能力を判明されたために正体を明かし、地面や建物に神経を通わせる、ちぎれた指を回収しようしたマユリに別のペルニダとなり反撃するなどと、マユリの想像を上回る戦術で彼を驚嘆させる。
卍解『金色疋殺地蔵・魔胎伏印症体』に神経攻撃をほぼ封殺されて丸呑みにされたが、弓矢で内部から破壊して脱出。
3体同時による矢の弾幕に加え神経を通して軌道を変える矢でマユリを追い詰めるも、涅ネムによって見失う。
マユリが用意した神経凝固剤によって2体は殺られるも、残りの1体は剣八の反応速度を獲得したことで薬が全身に回りきる前に指を切り離し、神経が凝固し死んだ筈の本体も魔胎の反映能力まで獲得して復活し、再びマユリを窮地に追い込む。
この状況に力を解放したネムの体当たりでオリジナル個体は砕け散る。
重傷と麻酔の影響で動けないマユリに代わりネムは残った分裂個体と交戦。
彼女の大技『義魂重輪銃』を喰らって肉体が粉砕されるもペルニダは死んでおらず、散り散りとなった体から一斉に放った神経でネムを瞬時に四散させた。
しかし、自身の力で肉片にした涅ネムを捕食しようとした際に、マユリが大脳を肉片の中から取り戻した為、取り込んだネムの脳下垂体に埋め込まれている『強制細胞分裂加速器官(理論の限界を突破して成長させ続ける為に常時機能を暴走させている特殊な器官で、大脳と直結させて制御している)』を制御する術を無くしてしまい、過剰成長で肉体が爆散する形で自滅した。
死ぬ間際に残っていた神経でマユリの両足を破壊し、彼を戦線離脱させた。
小説版
後日談では霊王の意思は大局を動かす緩やかな流れとして存在しており、右腕と共に霊王宮に来たのはその影響とされている。
余談
- 霊王の左腕としての正体を表した後に滅却師完聖体になるとどうなるのかは描かれなかったが、ただでさえデタラメな強さを誇っていた上に同じ親衛隊の滅却師完聖体のハチャメチャな強さや不死性を考慮すると、その場にいたマユリや更木剣八、綾瀬川弓親、斑目一角(と保護瓶にいた日番谷冬獅郎と松本乱菊)はおろか、下手をすれば霊王宮にいた護廷十三隊と黒崎一護の一行が全滅していた可能性すらあった。
- アニメでは島田氏の怪演っぷりからペルニダの叫ぶシーンを見て某伝説の超サイヤ人の覚醒を連想した視聴者が続出し、更に対戦相手が中尾隆聖氏が声を務めるマユリということもあり、X(Twitter)では「ブロリーvsフリーザ」と話題になるほど大きく盛り上がった(因みに戦闘当初のマユリは金色に輝いていたため、その意味でも注目された)。
- アニメ『BLEACH千年血戦篇』第36話終了後、久保先生公式アカウントからネムと共にカジュアルな私服を着たペルニダの描き下ろしイラストが投稿されたが、ダボダボなパーカーを着て(袖には親指と小指を通している)中指にニット帽を被った、シュールながらも可愛らしい姿が話題となった。