掲げし十字、矢を放つ—
概要
「陛下」と呼ばれる皇帝・ユーハバッハが率いる滅却師の総本山と言える強大な帝国で、最終章・千年血戦篇における敵対組織。
組織構成
皇帝であるユーハバッハの完全な独裁制。
主力戦闘部隊である星十字騎士団、騎士団員で編成された破面の捕獲を目的とする狩猟部隊など、圧倒的な戦力を有する。
- 星十字騎士団(シュテルンリッター)
星十字騎士団は聖文字を与えられた「聖章騎士(ヴェルトリッヒ)」と一般兵の「聖兵(ゾルダート)」で構成され、聖兵は全員ガスマスクの様な仮面が特徴の同じ格好をしている。
- 聖章騎士(ヴェルトリッヒ)
星十字騎士団の幹部であり、死神における護廷十三隊の隊長格にあたる、ユーハバッハから聖文字を与えられた精鋭集団。
騎士団の中でも更にユーハバッハによって選別された滅却師は「神赦親衛隊」に所属する。
- 聖兵(ゾルダート)
聖文字を持たない団員達。雑兵と扱われるものの、個の戦闘力は甘く見積もっても十三隊の席官クラスはあり、尚且つ圧倒的な物量で一般隊士を蹂躙する。
- 狩猟部隊(ヤークトアルメー)
作中では虚圏の占拠に動員され、破面を兵士として活用していた。
複数の部隊が虚園内に派兵されており、第一部隊の隊長は聖章騎士であるキルゲ・オピー。
また、元々石田雨竜の祖父である石田宗弦はこの「見えざる帝国」に所属していたらしいが、何らかの事情により現世に追放された。
この時、宗弦の使用していた通行証は数十年の歳月を経ても使用が可能だったようで、後に息子の石田竜弦が「真世界城」への侵入に使用した。
専門用語
黒崎真咲や石田家、混血統滅却師(ゲミシュト・クインシー)ら、現世に存在する滅却師達とは一線を画すため、此処では、固有のものを記述する。
共通の事柄に関しては「滅却師」を参照。
- 聖文字(シュリフト)
「星十字騎士団」の中でユーハバッハに選ばれた滅却師に与えられる能力。聖文字を持つ団員は「聖章騎士」と呼ばれる。
滅却師の始祖であるユーハバッハの血を飲むことで、A~Zの文字とそれを頭文字とする特殊能力を与えられる。
例
人物名 | 与えられた文字 | 能力名 | 能力の詳細 |
---|---|---|---|
バズビー | H | 灼熱(The Heat) | 炎を操る |
バンビエッタ・バスターバイン | E | 爆撃(The Explode) | あらゆるものを爆破できる |
ロイド・ロイド | Y | 貴方自身(The Yourself) | 姿や能力をコピーできる |
- 滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)
端的に言えば、聖文字の強化形態。死神で言えば「卍解」に当たる。
背中に白い翼が生え、頭上に光の円盤が浮かび、あたかも天使を模したかのような姿になる。
- 卍解奪掠
「星章(メダリオン)」と呼ばれる道具によって、卍解を奪うことのできる能力。
詳しくは⇒星十字騎士団にて
瀞霊廷侵攻時に、「見つけ次第優先して倒すべし」とした五人の死神。
- 影の領域(シャッテン・ベライヒ)
影の中にある霊子世界。建物などに影を作り、その中に潜む能力である。「見えざる帝国」は瀞霊廷中に作った「影の領域」の空間内にある。
死神でいうところの尸魂界や、虚でいうところの虚圏にあたり、穿界門や黒腔のような移動手段として活用する。
この場所以外で活動することも出来るが、制限時間が存在する。
2回目の侵攻では、瀞霊廷をこの空間に上書きし、制限時間をなくすことで自分達に有利な状況を作った。
地理
見えざる帝国は瀞霊廷の影の中に存在するため、国土面積は瀞霊廷とほぼ同じでかなり広大である。影の中にある性質上空間全体がとても暗い。アニメ版ではより細かな描写が追加され、明確な昼夜が存在する瀞霊廷とは違い赤い空が広がり毒々しい印象である。
街並みは青白い西洋風の建物が広がり、全ての建造物が氷のような物質で覆われているのが特徴。国の中央にはユーハバッハが君臨する巨城「銀架城(ジルバーン)」が存在する。
また、各所には通信所やモニターなどの現代的な機器があることが確認されており、上述したメダリオンの開発や現代機器など、文明レベルや科学力は現世や瀞霊廷と同等である模様。
歴史
元々の名前は「光の帝国(リヒト・ライヒ)」と言い、千年以上前には既に現世に現在と変わらないレベルの文明を築いていたらしい。
千年前に尸魂界に侵攻したが、史上最強と称された初代護廷十三隊によって返り討ちにされ、そのまま滅亡した。
しかし、事もあろうにその尸魂界の「瀞霊廷の影の中に霊子による空間を作る」という荒業で命脈を保ち、「見えざる帝国」と呼称を変更。そこに銀架城(ジルバーン)という城と都市を築城し、999年間に渡り、戦力の増強とユーハバッハの完全な復活に力を注いだ。
※なお、元々人間である滅却師が千年後の本編で活動していた点、エス・ノトなどの明らかに現代にて加入した滅却師がいる点などから現世や尸魂界とは流れる時間の速さが違うようであるが、現時点で詳細は不明。
それから千年後。
“力の9年”を少し残して再始動したユーハバッハ。藍染惣右介の動乱が収束した隙を突いて今度は虚圏を占拠し、更に尸魂界に攻め込み圧倒的な戦力で護廷十三隊を蹂躙した。
2回目の侵攻では、黒崎一護が霊王宮から帰還した際の抜け穴を利用して霊王宮に侵入、王属特務零番隊と激突。
ユーハバッハが“力の9年”を終え「全知全能(The almighty)」を取り戻すと、彼等を下して霊王宮を乗っ取り、新たに「真世界城(ヴァールヴェルト)」を創り出す。
最終的に、ユーハバッハの死によって滅亡した。