「悪りーな。 皆殺しッて命令なんだわ」
巻頭ポエム
銃弾、鉤爪、軍旗、刀剣、
五本指折り
お前を待つ(69巻)
プロフィール
概要
見えざる帝国の精鋭・星十字騎士団の1人にして、ユーハバッハから「H」の聖文字を授かっている滅却師の青年。霊子兵装の形状はボウガン。
特攻服のような格好と、本人曰く「最高にキレッキレ」の紅いモヒカンが特徴的で、この髪型を貶されるとブチギレる。左耳にナット、右耳にボルトをピアスのように付けており、両腕にはドクロマークの腕章を着用。
このように美的センスが阿散井恋次と似ており、彼の眉毛を「格好良い」と評した(これに恋次は感激するが、直前に「ニワトリ野郎」と挑発していたため和解はできなかった)。
直情的な性格で、自身の能力である高い火力で相手を蹂躙する戦法を得意としている。また、個人主義の強い騎士団の例に漏れず、味方への仲間意識は薄く、手柄を独占するために味方を背後から平気で闇討ちする残忍さも持つ。
能力
- 聖文字"H"【灼熱】-The Heat-
ポピュラーだが多様な技を持っており、下記の「バーナーフィンガー」は指の本数に応じて強力になっていくが、用途ごとに使い分けは可能なため一概に下位互換とは言い難い。
山本元柳斎重國の炎に焼かれた際も自身の炎でダメージを削って、かろうじて生存した。
- 滅却師完聖体(名称不明)
バンビーズや一護、恋次に対して使用。翼は直線に近いシャープなデザイン。アニメでは赤色。
一護を攻撃しようとするバンビーズを一瞬で撃ち落とした描写から、恐らくバーナーフィンガーを連射で撃てるようになる能力だと思われる。
技
- バーナーフィンガー
基本は指先から熱線を発射する技。レーザーのように敵を撃ち抜いたり、振り回して焼き切る使い方も可能。「バーナーフィンガー1」~「バーナーフィンガー4」の他、「バーニング・フル・フィンガーズ」があり、巻頭ポエムの詩の通りになっている。
- バーナーフィンガー1
人差し指の先から熱線を放つ。障害物も人体も容易く貫通する。遠距離攻撃は専らこれを用いている。
- バーナーフィンガー2
人差し指と中指の先から放つ2本の熱線で焼き切る。炸裂時に火柱が発生する。
- バーナーフィンガー3
揺らめく炎で物体を熔かしマグマに変えて攻撃する。
- バーナーフィンガー4
手刀から身の丈以上の炎の刃が上がる。刀身より遥かに巨大な建造物も斬り飛ばす威力。
- バーニング・フル・フィンガーズ
五指から螺旋状の炎を放つ最高火力の技。超巨大な炎の衝撃波を発生させる。
- バーニング・ストンプ
日番谷が生み出した氷の霧を払う際に使った足技。踏んだ場所を中心に熱を拡散させる技だと思われる。
劇中の動向
尸魂界への第一次侵攻時は、吉良イヅルら多数の死神を虐殺し、山本元柳斎重國に対しエス・ノトやナナナ・ナジャークープと共に奇襲を仕掛けるも逆に強烈な火炎を喰らい一蹴される。
しかし本人曰く「自身の能力で流刃若火を相殺(どう見ても丸焼きにされている?錯覚だ)」し、大火傷を負うも2人と共に何とか生存していた。
まあ、総隊長の炎に焼かれたと本人もハッキリ言っているため、相殺という言い方を除けば嘘はついてないが。アニメ版ではこの台詞はカットされた。
二人の新戦術をものともせずに自慢の能力で追い詰めるが、「奪った卍解で持ち主の隊長を殺せ」という命令だった為現れた蒼都に日番谷を譲る。その後蒼都が卍解を取り戻した日番谷に敗北したため悪態をつきながら撤退した。
そして霊王宮侵攻時、更木剣八を助けに行こうとする平子真子・雛森桃にバーナーフィンガー3で足止めした(アニメではカットされた)。その後は黒崎一護と戦っていたバンビーズを手柄を独占するためにバーナーフィンガー1で撃ち落とし、霊王宮に向かおうとする一護を仕留めようとするが、それを阻止した阿散井恋次・朽木ルキアと戦う。
しかし、ユーハバッハによって親衛隊の強化及び蘇生(アニメではハッシュヴァルトも含む)のため、「聖別」が行われその対象となり、リルトット・ランパード、ジゼル・ジュエルと共になんとか死亡は回避したものの、完聖体の力を奪われてしまう。
自分達を裏切ったユーハバッハに激怒したバズビーは捨て駒にされてなお、ユーハバッハに忠義を尽くそうとするナジャークープを背後からバーナーフィンガー1で撃ち抜いて殺害する。そして、リルトット等と共にユーハバッハに反旗を翻し、一時的に死神達と休戦を結び、霊王宮への門を作るために協力する。
過去
本名は『バザード・ブラック』。
嘗て自身の一族をユーハバッハの「聖別」により城ごと焼き滅ぼされた過去を持ち、以来ユーハバッハに復讐を誓い、星十字騎士団への入団を狙っていた。他の騎士団メンバーに対する仲間意識が薄いことや、手柄を横取りしようとして仲間に向かって攻撃する場面があったのはそのため。
しかし、その頃に出会ったユーグラム・ハッシュヴァルトだけは幼馴染の関係で「ユーゴー」、ハッシュヴァルトからも「バズ」とお互いに愛称で呼び合う仲だった。
一族を亡くした自身と叔父を亡くし、同じく孤独となった彼と共にユーハバッハの命を狙っていたが、その過程でハッシュヴァルトがユーハバッハの半身であり、自身のめざましい成長もハッシュヴァルトの能力の恩恵(おこぼれ)だったという事実を突き付けられる。
その後は「バズビー」と名乗り、ハッシュヴァルトに遅れて騎士団への入団を果たし、ユーハバッハのみならず彼にも刃を向けるようになった。しかしハッシュヴァルトはその挑発を躱し続け、決着がつかないまま現在に至る。
決着(ネタバレ注意)
真世界城へと姿と呼び名を変えた銀架城にて、ハッシュヴァルトの目の前で彼の部下を始末した後、対峙した。
ハッシュヴァルト「…………バズビーか。何の真似だ。」
「何の真似だより先に、『生きていたのか』じゃねえのか?なァ!」
ハッシュヴァルト「…そうか…その傷、敵では無く陛下の聖別(アウスヴェーレン)によるものか。お前は選ばれなかったのだな…」
「『お前は』だと?選ばれたのはお前等だけだ。下の連中は軒並み聖別されたぜ。皆殺しだ。辛うじて隠れて光を逃れた奴も完聖体の力を奪われ、そうじゃねえ奴は命ごと奪われた」
ハッシュヴァルト「そうか 同情する。」
「同情するだァ? フザケたこと言ってんなよ。てめえはこの事を知ってた筈だ、違うか?」
ハッシュヴァルト「訊いてどうする? 知らなかったと言えば信じるのか?」
「信じるさ。俺とお前の仲だ。そうだろ?ユーゴー!」
ハッシュヴァルト「──────バズビー……」
「『バズ』って呼べよ 昔みてえによォ!」
ハッシュヴァルト「──────問答は通じないようだな」
あくまでユーハバッハへの忠誠を優先し、かつての愛称も使わず制止を呼びかけるハッシュヴァルト。そんな彼に対し、バズビーは最後まで挑発と攻撃を続け、持てる力の全てをぶつける。
しかし、実際はハッシュヴァルトへ嫉妬を感じつつも、心の底では今でも親友だという意識は変わっていなかった。ハッシュヴァルトとの戦いでは、彼に聖文字を使わせることすら出来ず最終的に致命傷を負わされ敗北。最期はそれでも満足気に自身の敗北を認め、死亡した。
「…俺の敗けだ ユーゴー …くそっ…思い通りにゃいかねえもんだな……」
「お前に敗けたら…もっと悔しいもんだと思ってたぜ」
バズとユーゴーは結局、最後まで仲直りをすることが出来ず、お互いに殺し合い、ユーゴーの手によってそのまま死別するという悲しい最後を迎えた。何かが少しでも違えば、こんな悲しい結末にはならなかったのかもしれない。
ユーハバッハから解放された二人が死後、仲直りしていることを祈ろう。
余談
バズビーの誕生日は一護と一日違い、ハッシュヴァルトの誕生日は石田雨竜と一日違いであり、彼もまた銀城空吾と同様、一護のアンチテーゼキャラであったと言える。
また、この二人の関係は、一護と雨竜の関係のアンチテーゼとも言えるのかもしれない。
なお、バズビーの聖文字はH、ハッシュヴァルトの聖文字はBと、互いの名前の頭文字と対になっている。