「悪りーな。 皆殺しッて命令なんだわ」
巻頭ポエム
銃弾、鉤爪、軍旗、刀剣、
五本指折り
お前を待つ(69巻、アニメ版千年血戦篇 37話)
プロフィール
概要
見えざる帝国の精鋭・星十字騎士団の1人にして、ユーハバッハから「H」の聖文字を授かっている滅却師の青年。霊子兵装の形状はボウガン。
特攻服のような格好と、本人曰く「最高にキレッキレ」の紅いモヒカンが特徴的で、この髪型を貶されるとブチギレる。左耳にナット、右耳にボルトをピアスのように付けており、両腕にはドクロマークの腕章を着用。
このように美的センスが阿散井恋次と似ており、彼の眉毛を「格好良い」と評した(これに恋次は感激するが、直前に「ニワトリ野郎」と挑発していたため和解はできなかった)。
人物像
直情的な性格で、自身の能力である高い火力で相手を蹂躙する戦法を得意としている。
また、個人主義の強い騎士団の例に漏れず、味方への仲間意識は薄く、手柄を独占するために味方を背後から平気で闇討ちする残忍さも持つ(交戦中の味方を完聖体になってまで妨害したのはバズビーぐらいである)。
一方、ユーグラム・ハッシュヴァルトとは個人的な感情があるようで彼の事を「ユーゴ」と呼び、禁じられてる私闘まで持ち込もうとしていた。
能力
- 聖文字 "H"【灼熱】-The Heat-
ポピュラーだが単純に炎を操るだけではなく熱線、熱波、マグマといった流動性のある高熱を生み出しそれを用いたりと多様な技を持っており、下記の「バーナーフィンガー」は指の本数に応じて強力になっていくが、用途ごとに使い分けは可能なため一概に下位互換とは言い難い。
山本元柳斎重國の炎に焼かれた際も自身の炎でダメージを削って、かろうじて生存した。
名称は不明。バンビーズや一護、恋次に対して使用。翼は直線に近いシャープなデザイン。アニメでは赤色。
一護を攻撃しようとするバンビーズを一瞬で撃ち落とした描写から、恐らくバーナーフィンガーを連射で撃てるようになる能力だと思われる。
技
- バーナーフィンガー
基本は指先から熱線を発射する技。レーザーのように敵を撃ち抜いたり、振り回して焼き切る使い方も可能。「バーナーフィンガー1」~「バーナーフィンガー4」の他、「バーニング・フル・フィンガーズ」があり、巻頭ポエムの詩の通りになっている。
- バーナーフィンガー1
人差し指の先から熱線を放つ。障害物も人体も容易く貫通する。遠距離攻撃は専らこれを用いている。
- バーナーフィンガー2
人差し指と中指の先から放つ2本の熱線で焼き切る。炸裂時に火柱が発生する。
- バーナーフィンガー3
揺らめく炎で物体を熔かしマグマに変えて攻撃する。
- バーナーフィンガー4
手刀から身の丈以上の炎の刃が上がる。刀身より遥かに巨大な建造物も斬り飛ばす威力。
- バーニング・フル・フィンガーズ
五指から螺旋状の炎を放つ最高火力の技。超巨大な炎の衝撃波を発生させる。
- バーニング・ストンプ
日番谷が生み出した氷の霧を払う際に使った足技。踏んだ場所を中心に熱を拡散させる技だと思われる。
- 神聖滅矢
滅却師の基本武装。バズビーの場合はクロスボウの形状をしており少年期から扱えていた。聖文字を与えられてからは専らそちらを主力にしていたが、片手で弓矢の形成と射撃が可能なのでバーナーフィンガーとの両立も可能。
劇中の動向
第一次侵攻
尸魂界への侵攻時は出現時に生じた霊圧の壁越しによるバーナーフィンガー1で吉良イヅルの体に大穴開けさせて殺害。
そして席官の吾里、片倉は素手で頭を叩きつけて潰し、戸隠は振り返った瞬間に吉良と同じ技で首をはね飛ばしたりと死神に対して言葉通りに虐殺していた。
その後はユーハバッハと対決しようとした山本元柳斎重國に対しエス・ノトやナナナ・ナジャークープと共に奇襲を仕掛けるも逆に強烈な火炎を喰らい一蹴される。
しかし本人曰く「自身の能力で流刃若火を相殺(どう見ても丸焼きにされている?錯覚だ)」し、大火傷を負うも2人と共に何とか生存していた。
(とはいえ本来ならガード不能即死攻撃と言って差し障りない流刃若火を大ダメージに抑えている時点で大したものではあるし、「部分的な相殺」といえばウソでもない。)
まあ、総隊長の炎に焼かれたと本人もハッキリ言っているため、相殺という言い方を除けば嘘はついてないが。アニメ版ではこの台詞はカットされた。
帰還後、ユーハバッハが連れてきた石田雨竜を自身の後継者にするという事に動揺と何者か知らない雨竜への不審などで怒りをみせていた。
ユーハバッハに直訴しようとした所にハッシュヴァルトが現れ、彼の言葉をきかずにそのまま決闘に持ち込もうとしたがアスキン・ナックルヴァールの横槍にあったことで決闘はなくなった。
第二次侵攻侵攻
死神たちを焼き尽くそうとしたが割って入ってきた日番谷冬獅郎、松本乱菊と激突。
二人の新戦術「真空多層氷壁」で自身の炎熱能力が防がれて氷の刃でトドメを食らったかに思ったがウォーミングアップに過ぎず、バーナーフィンガー1で氷壁をあっさり破壊。
冬獅郎が引き付けながらも編み出した技をも平然と破ってバーナーフィンガー2で冬獅郎に深手を負わせる。
そこに「奪った卍解で持ち主の隊長を殺せ」という命令だった為現れた蒼都に日番谷を譲る。その後蒼都が卍解を取り戻した日番谷に敗北したため悪態をつきながら撤退した。
そして霊王宮侵攻時、更木剣八を助けに行こうとする平子真子・雛森桃にバーナーフィンガー3で足止めした(アニメではカットされた)。
その後は黒崎一護と戦っていたバンビーズを手柄を独占するためにバーナーフィンガー1で撃ち落とし、霊王宮に向かおうとする一護を仕留めようとするが、それを阻止した阿散井恋次・朽木ルキアと戦う。
恋次に自慢のヘアースタイルを馬鹿にされた事に激昂してバーナーフィンガー4を披露させた。(原作とアニメ共に戦闘シーンはカットしたが、後述の描写を見る限りにお互いに決定打がなかった模様)
しかし、ユーハバッハによって親衛隊の強化及び蘇生(アニメではハッシュヴァルトも含む)のため、「聖別」が行われその対象となり、リルトット・ランパード、ジゼル・ジュエルと共になんとか死亡は回避したものの、完聖体の力を奪われてしまう。
「こんなところで死んでたまるか!!!」
偶然ながらリルトットもバスビーと同じ台詞を言い、原作やアニメの構図が尸魂界篇の一護と恋次の「魂にだ!!!」と同じ。
自分達を裏切ったユーハバッハに激怒したバズビーは捨て駒にされてなお、ユーハバッハに忠義を尽くそうとするナジャークープを背後からバーナーフィンガー1で撃ち抜いて殺害する。
仲間を始末した事に驚く京楽らに、リルトット等と共にユーハバッハに捨て駒にされた事で反旗を翻し、一時的に死神達と休戦を結び、霊王宮への門を作るために協力する。
門完成後は死神との共闘はここまでと言い、影による太陽の門経由で城の侵入を果たすが、リルトットがハッシュヴァルトとの因縁がある事を察したのか「陛下は俺らでやるからテメーはハッシュヴァルトとのケジメがあるだろ」と言いバズビーも彼女の言葉従ってハッシュヴァルトの元へ進んだ。
過去
本名は『バザード・ブラック』。
嘗て自身の一族をユーハバッハの「聖別」により城ごと焼き滅ぼされた過去を持ち、以来ユーハバッハに復讐を誓い、星十字騎士団への入団を狙っていた。他の騎士団メンバーに対する仲間意識が薄いことや、手柄を横取りしようとして仲間に向かって攻撃する場面があったのはそのため。
しかし、その頃に出会ったユーグラム・ハッシュヴァルトだけは幼馴染の関係で「ユーゴー」、ハッシュヴァルトからも「バズ」とお互いに愛称で呼び合う仲だった。
一族を亡くした自身と叔父を亡くし、同じく孤独となった彼と共にユーハバッハの命を狙っていたが、その過程でハッシュヴァルトがユーハバッハの半身であり、自身のめざましい成長もハッシュヴァルトの能力の恩恵(おこぼれ)だったという事実を突き付けられる。
その後は「バズビー」と名乗り、ハッシュヴァルトに遅れて騎士団への入団を果たし、ユーハバッハのみならず彼にも刃を向けるようになった。しかしハッシュヴァルトはその挑発を躱し続け、決着がつかないまま現在に至る。
決着
※以下、ネタバレ注意!!!!!
真世界城へと姿と呼び名を変えた銀架城にて、ハッシュヴァルトの目の前で彼の部下を始末した後、対峙した。
ハッシュヴァルト「…………バズビーか。何の真似だ。」
「何の真似だより先に、『生きていたのか』じゃねえのか?なァ!」
ハッシュヴァルト「…そうか…その傷、敵では無く陛下の聖別(アウスヴェーレン)によるものか。お前は選ばれなかったのだな…」
「『お前は』だと?選ばれたのはお前等だけだ。下の連中は軒並み聖別されたぜ。皆殺しだ。辛うじて隠れて光を逃れた奴も完聖体の力を奪われ、そうじゃねえ奴は命ごと奪われた」
ハッシュヴァルト「そうか 同情する。」
「同情するだァ? フザケた事言ってんなよ。てめえはこの事を知ってた筈だ 違うか?」
ハッシュヴァルト「訊いてどうする? 知らなかったと言えば信じるのか?」
「信じるさ。俺とお前の仲だ。そうだろ?」
「ユーゴー!」
ハッシュヴァルト「──────バズビー……」
「『バズ』って呼べよ 昔みてえによォ!」
ハッシュヴァルト「──────問答は通じない様だな」
あくまでユーハバッハへの忠誠を優先し、かつての愛称も使わず制止を呼びかけるハッシュヴァルト。そんな彼に対し、バズビーは最後まで挑発と攻撃を続け、持てる力の全てをぶつける。
しかし、実際はハッシュヴァルトへ嫉妬を感じつつも、心の底では今でも親友だという意識は変わっていなかった。ハッシュヴァルトとの戦いでは、自身は力を奪われて完聖体が使えない状態ながらバーナーフィンガーを1から順に発動させて戦うも彼に聖文字を使わせることすら出来ず、片腕を切り落とされる。
ハッシュヴァルトからも「勝負はついてる」と負けを認めろといわれるが、最大火力のバーニングフルフィンガーズを発動させるも技を見切られて致命の一撃を受けてしまう。
最期はそれでも満足気に自身の敗北を認め、死亡した。
「…俺の敗けだ ユーゴー …くそっ…思い通りにゃいかねえもんだな……」
「お前に敗けたら…もっと悔しいもんだと思ってたぜ」
バズとユーゴーは結局、最後まで仲直りをすることが出来ず、お互いに殺し合い、ユーゴーの手によってそのまま死別するという悲しい最期を迎えた。───何かが少しでも違えば、こんな悲劇的な結末にはならなかったのかもしれない……。
余談
バズビーの誕生日は一護と一日違い、ハッシュヴァルトの誕生日は石田雨竜と一日違いであり、彼もまた銀城空吾と同様、一護のアンチテーゼキャラであったと言える。
また、この二人の関係は、一護と雨竜の関係のアンチテーゼとも言えるのかもしれない。
なお、バズビーの聖文字はH、ハッシュヴァルトの聖文字はBと、互いの名前の頭文字と対になっている。
アニメでの担当声優は小野友樹さん。
前述した恋次とのやりとりがアイデンティティともいえる髪型を貶された事にブチギレる高校生を思い出した人がいたようで、彼のパロネタとかが投稿されている。