「戦士が 命乞いをするものじゃあ無いよ」
「駄目だと言うのが わからないのか!!」
巻頭ポエム
ぼくは ただ きみに
さよならを言う練習をする(15巻)
概要
己の使命や上の言うこと、特に隊長の市丸ギンには、絶対の信頼を寄せているため、自身のあらゆる感情を押し殺して従う。阿散井恋次や雛森桃とは同期で、檜佐木修兵は先輩。真央霊術院に首席合格しており、その同級生だった頃から雛森に好意を寄せていた。一回生の頃に藍染惣右介の作った巨大虚に襲われて、藍染と市丸に救われた。この時、藍染に手駒の一人として目を付けられ、卒業後は五番隊に入隊、市丸の部下となる。また現在四十六室に所属する阿万門ナユラとは顔見知り。
両親は既に故人であり、父は「吉良景清」母は「吉良シヅカ」である。
上下関係に厳しく、斑目一角の敗北に取り乱し檜佐木に対して、乱雑な口調を用いた綾瀬川弓親に穿点を使い気絶させた折には「五席の言葉遣いじゃないね。動転は解るが弁えなよ」と述べている。
学生時代はそういう意識は薄かったか、主席合格した自負か、檜佐木と自分を比較して「主席合格の僕の方が才能は上かも知れないけどね…」とニヤついていた。
好きなものはところてん、嫌いなものは干し柿。特技はあやとり。趣味は俳句で挿絵は雛森が描いている。「柿がなる あああ今年も 柿がなる」で俳句中間管理職の部で最優秀賞を受賞。
休日は俳句同好会に参加、霊術院へ特別講師として出向いている。作家仲間として檜佐木と仲が良い。
斬魄刀
詳細はリンク先を参照。
劇中の活躍
尸魂界篇ではその性格を藍染に利用され、彼の思惑も知らないまま、市丸と共に暗躍することになる。松本乱菊との戦いの後、虎徹勇音の天挺空羅により雛森の重傷を知り、自分が利用されていた事実に気づかされた。
好意を寄せる雛森が市丸に危害を加えようとした時は毅然とした態度を見せ、攻撃を止めない雛森に対して見切りをつけ、敵として処理しようとした。
その後、謹慎処分を受け牢に入れられた際は、雛森を傷つけようとした自分に失望し椅子や壁を爪で引っかいて市丸が来るまで病んでいたが、上官である市丸の計らいで脱獄。何者かの陰謀の可能性を調査していた日番谷と乱菊を妨害し市丸にに体良く利用される形で乱菊に対しても「これから死ぬ人に何も答える必要は無いと言ってるんですよ」と殺意をむき出しに斬魄刀を始解して彼女を追い詰めるが逆に乱菊の始解「灰猫」によって形勢を逆転されて敗北した。
その後、虎徹勇音によって全ての事実が知らされた際には同時に雛森が藍染に重傷を負わされた事も知ったために「雛森君には何もしないって…」と打ちひしがれており、心酔していた市丸に従ってしまったことを後悔する様子をうかがわせた。
騒動がひと段落した後は乱菊に気まずそうに謝罪し、ふんどし一丁になって酔い潰れるまでヤケ酒を飲み交わして和解した。
藍染が恋次に「部下を殺すのは忍びないので、手間かけて吉良くんや日番谷君と殺し合って貰おうとしたが上手くいかなかった」と語っているので、市丸が雛森を挑発して斬りかからせ、吉良が市丸を守り、2人が戦った事も計画の一端だったのだろう。
アニオリ長編のバウント篇ではバウントの1人・古賀との戦いに苦戦していた一護の助太刀に現世に派遣され、古賀のドール・ダルクを相手に侘助の能力を存分に活かす活躍を見せ、瀕死の重傷を負った浅野啓吾を助けようと無理をする一護を気遣って運ぶのを手伝っていた。
ちなみに原作では一護と全く絡みがないので結構貴重なシーンだったりする。一護からは名字で呼び捨てにされていた。
破面篇で元四番隊の所属であり、治癒能力も使用できると判明した。
市丸に刃を向けた雛森を処理しようとする程に市丸に心酔しており、アビラマ・レッダーから市丸の名を出された際には表情を一変させる。「市丸が尸魂界に棄てて来た部下」という言葉を吐きかけられると、アビラマが喋っている途中で頬を斬りつけ「その名前を…僕の前で軽々しく口にしないことだ 同じ命を落とすにしても傷浅いまま死にたいだろう?」と激怒している。
当の市丸はそんな元部下の怒りを感じ取っており、東仙要から「棄てて来る元部下が心配か」と尋ねられると、不気味な笑みを浮かべながら「元気そうで何よりや」と呟いている。
死神代行消失篇では未登場。千年血戦篇以降の活躍については後述。
その他
- 小説「THE HONEY DISH RHAPSODY」
藍染の反乱から4日が経過した尸魂界が舞台。
反逆に加担したが、全貌を知らず市丸の命令を遂行しただけであり、本人が深く反省していること、副隊長がいなくなると三番隊が機能しなくなることなどを考慮されて罪には問われなかった。
尸魂界の全てを裏切っている自覚はあったが、それでも市丸ギンを尊敬しており、大好きな人に刀を向けることすら厭わないほど「絶対的な存在だった」と語られている。
執務室に戻らず隊舎牢で一人仕事をしていた。その理由は、静かな環境だから仕事が進むのもあるが、隊長がいなくなった部屋に近づく勇気がなかったからだという。
牢で一人辛気臭くしてる折、恋次が登場。
皆を裏切り、同期の雛森を傷付けた自分を気にかけてくれる、見捨てないでいてくれる恋次の存在をありがたく思っている。恨まれてるかもしれないと怖がって雛森の見舞いに行けずいたが、恋次のおかげで再会。同じクラスだった同期三人が揃った。
- 小説「The Death Save The Strawberry」
柿の木を目にすると、市丸に裏切られた件や雛森に手を上げた件を思い出すため避けていたが「それは憧れた市丸との繋がりすら断ち切る事だ どれ程心が軋もうと関わり続けるべきだ」と決意した。きっかけはローズが干し柿を食べたいから作ろうと言い出して引かなかったからなので、彼に礼を述べている。
ローズからは、イヅルを見てるとインスピレーションが湧くと気に入られている。ちなみに、イヅルを見て湧くものは悔恨、無念、哀惜、傷心といった陰鬱なイメージの曲ばかりだった。
市丸の最期については、彼の墓前で乱菊から知らされた。
- カラブリ
各隊が出店に出品する物を決める話で隊長っぽいものを売った方が良いと「キツネ饅頭」を提案し、乱菊に「そういう目で見てたのね」と呆れられたり、男性死神協会の企画「伝令神機案」だと銀色で狐型で裏に三の刻印、通話時に3mまで伸びる伸縮機能付き案を語った。後者は「隊長ネタ引っぱりすぎ!!マイナス3点!」とツッコまれた。
三番隊に求める人材、応募条件ともに「嘘をつかない人」死神候補生に一言は「来ても市丸隊長はもう居ませんよ」
六番隊については、「いい所なんじゃないですか 隊長もいるし。阿散井君も、友達思いの良い奴ですしね。頭は悪いんですけど」
アニメオリジナルストーリー「新隊長天貝繍助篇」では、メインキャラクターとして活躍している。
千年血戦篇
見えざる帝国による第一次侵攻の際、大勢の三番隊の部下を引き連れるが、諸共バズビーの不意打ちを受け死亡。そして吉良自身もバズビーのバーナーフィンガーで体に大穴を穿たれて死亡する。
人気のあるレギュラーキャラの突然の死に、多くの読者・視聴者は衝撃を受けた。
しかしファンブック『13BLADEs.』に収録された小説において、涅マユリによって被検体にされ、身体は死んだままゾンビとして生き返っていたことが判明した。
損傷した身体は殺された席官達の魂魄で補修されており、霊圧は隊長並となっている。
また、市丸と東仙の副隊長であった彼と檜佐木が意図的に協力していたのではないかと疑われ、中央四十六室の裁判にかけられていた事も書かれている。
自分を裏切った市丸との関係を淡々と事実だけ述べて、市丸を藍染に荷担した裏切者だと認めるが、「雛森と松本に刀を向けたことは彼に唆されたからではなく自分自身の責であり、そこは市丸ギンの罪科から削除して欲しい」と申し出た。
市丸が行ったことは如何なる事情があっても許される事ではないが、彼が尸魂界を護ってきたことも事実。彼の功績が偽りなら、彼が自分の罪を背負うのはそれこそ偽りだと述べた。
四十六室に向ける彼の目は「僕の罪を、奪うな」と明確に告げていた。
2人とも何度か裁判を受けるものの、降格処分や除籍は免れた。
裁判後、四十六室の1人・阿万門ナユラという名の少女は、彼に興味を持ち問いかけた。
「霊術院での実習中に大虚の群れに襲われたのは藍染と市丸の計略だった可能性が高い 五番隊に入隊する前からお前達は良い様に利用されてきた」「なのに何故市丸に罪を全て押し付けなかった?」との問いに「全ての罪を押し付ける事はそれこそ重荷 僕にはとても背負えない」と述べた。更にいくつかの問いをしてナユラは「自身の中でも割り切れぬ思いがあるのだろう」と結論つけた。
その後滅却師の襲撃によって、イヅルが死亡したという報告が入る。
その後は上記の通り、マユリの手により死人として復活する。
マユリ曰く、イヅルは「被検体として好条件」であり、「呼吸をするかの様に自らの価値を拒絶し続け、それでも惨めに世と繋がろうとしている君の事ダ。どのような身体の変質だろうと受け入れるのは必然だからネ」と語っている。「背負うのが好きそうだからネ。思う存分彼等の人生とやらを受け継ぎ給え」とのこと。
死人として復活後、イヅルは襲撃されていた地下議事堂へ行き、シャズ・ドミノを撃破してナユラを救う。再び戦いに赴く際、ナユラに「命を賭して我々を護った死神として、黒崎一護以上の英雄に仕立て上げてやる!!瀞霊廷通信の表紙にもしてやるから覚悟しろ!!それが嫌なら、絶対に生きて戻れ!!!」と脅された。頬を引きつらせ、大きなため息を吐いた後、「善処するよ。……そんな扱いは、それこそ死んでもご免だからね」と呟いた。
その後、イヅルは本編でも再登場を果たす。
霊王宮から落下した神赦親衛隊のリジェ・バロが尸魂界で殺戮を始めた際、リジェを切り裂いて現れる。
ギイギイとよく鳴く鳥だね…
酷く耳障りだ
孔に響くよ
リジェから「何者だ」と問われた際には【死人】と答え、怪鳥の群れと化したリジェを前に刃を構えた。
千年血戦から三年後を描いた小説『WE DO knot ALWAYS LOVE YOU』では、変わらず死者のままで、大穴も空いたまま生活している。
体に空いた穴に興味を持った四楓院夜一に馬乗りにされた姿を部下たちに目撃され、「夜一とのイケナイ関係」という噂が流れてしまい、暫くの間は砕蜂に顔を合わせる度に呪殺されそうな程に睨みつけられるという目に遭っていた。