概要
漫画『BLEACH』完結記念の"ラストノベライズ"第1弾として発表されたスピンオフ小説。
著者はこれまでもスピンオフや劇場版・実写版の小説版を担当している松原真琴。
原作者監修の下、最終章・千年血戦篇から3年後を舞台に朽木ルキアと阿散井恋次の結婚が描かれており、ファンからの通称は「恋ルキ小説」。
界隈では、本作が発売された12月27日は2人の仮の結婚記念日となっている。
また半年後が舞台の『Can't_Fear_Your_Own_World』と並んで原作本編で描かれなかった終戦から最終話の、特に護廷十三隊を中心とした補完部分も多く、実質千年血戦篇の一部とも言えるため、その意味でもオススメの作品である。
タイトルにある「knot」とは「結び目」の意味である。17巻144話の回想において、ルキアとの絆を取り戻すことを願う恋次に対し「描くより破ることの方が容易くて 解くより結ぶことの方が ずっと難しいんだ」と綾瀬川弓親が語る場面がある。
ルキアと恋次が一度解かれた絆を再び結び夫婦となること、また新たな関係を築こうとする二人の姿に希望を見出す仲間たちとの繋がりをこの「knot」という言葉で表していると考えられる。
和訳すると「私達はあなたをいつも愛し強く結ばれている」になると思われる。
登場人物
料亭「花くれゐ」にて副隊長たちを集め、結婚の報告をする(本人たちはサプライズのつもりだったが、檜佐木修兵と山田花太郎を除き皆には結婚報告だとバレていた)。当初は大戦後ということもあり、籍だけ入れるつもりだったが、松本乱菊たちから後押しもあり式を挙げることに決める。
入籍の手続きの複雑さに翻弄されながらも、義兄である白哉の手助けを借りつつ、着実に夫婦となるための準備を進めていく。
ルキアと恋次の結婚報告を受け、「花くれなゐ」の内装を急遽祝い事にふさわしいよう設えるよう指示したり、2人の結婚式の日取りを相談もなく決定するなど"祝い下手"な一面を見せる。
ルキアから恋次と結婚することを聞き、嬉しさのあまり号泣する。何か贈り物をしたいと考え、リルカからのアドバイスを元に苺の花が刺繍されたベールを贈ることに決める。黒崎一護たちを集め、ベールの刺繍をいれてもらう。
結婚式の後
最後は現世に帰るための穿界門が見えてきたタイミングで、一護は織姫に対するある想いを恋次に見抜かれる。
恋次の計らいにより、織姫と二人きりにされた一護は、顔をこわばらせながら大きく深呼吸して「なぁ、井上」と声をかける。織姫が「何?」と首を傾げながら一護を見上げ、一護が「話……あるから、今度時間作ってくんねーか?」と声を掛けるという意味深なシーンで終わる。
動画
「JUMP j BOOKS」30周年記念の一環でオーディオブック化。本作初参加の川澄綾子がナレーションと、ルキア・恋次・白哉以外の台詞を担当している。