「阿散井恋次 てめーを殺した男の名だ」
「…ルキアを…ルキアを助けてくれ…!」
「その距離を元に戻してくれたのはお前だ」
巻頭ポエム
届かぬ牙に 火を灯す
あの星を見ずに済むように
この吭を裂いて しまわぬように(11巻)
牙より滴る火は消えず
刃立つ野を焼き払い
友の姿を炙り出す(73巻、アニメ版千年血戦篇 33話)
プロフィール
所属 | 護廷十三隊六番隊副隊長 |
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誕生日 | 8月31日 |
身長 | 188cm |
体重 | 78kg |
斬魄刀 | 蛇尾丸 |
解号 | 咆えろ(ほえろ)「蛇尾丸」 |
卍解 | 狒狒王蛇尾丸→双王蛇尾丸 |
趣味 | ゴーグル集め |
特技 | 玉蹴り(フットサル) |
好きな食べ物 | たいやき |
嫌いな食べ物 | 辛いもの |
休日の過ごし方 | "眼鏡の銀蜻蛉"で新作チェック |
CV | 伊藤健太郎(少年期:木内レイコ) |
演 | 早乙女太一(実写版)宇野結也(ROCK MUSICAL) |
概要
長い赤髪赤目で大柄な体躯。眉毛から額、首から上半身にかけて大仰な刺青を入れている。
ガラの悪そうな外見をしているが、根は人情味溢れる兄貴肌の青年。
ルキアの義兄であり上司である朽木白哉に対しては、超えるべき目標として一目置いている。
元十一番隊隊員であり、戦い方を教えてくれた斑目一角を尊敬している。
九番隊副隊長・檜佐木修兵は真央霊術院での先輩であり、現世での初実習の先導者の一人。同期の雛森桃、吉良イヅルと同様に仲の良い間柄。
先輩に対しては地位関係なく砕けた敬語を使う。
初期の頃はゴーグルを着けていたが、黒崎一護に二度も破壊されたためか、以降はハチマキを巻いている。これは恋次いきつけの店「眼鏡の銀蜻蛉」のゴーグルが高級品すぎて簡単には買えないため(そんな大事なゴーグルを何故戦闘中にわざわざ着けて戦うのかなどと言ってはいけない)。将来の夢は自分でデザインしたゴーグルを着けること。
刺青を施した独特な眉毛は、本人は気に入っているようであり(ルキア曰く「変な眉毛」)、バズビーから「キレキレのいい眉毛」と評された時には感激の表情を見せていた。
最初は敵としての登場だったためか、顔つきや雰囲気がややチンピラ臭かったが、だんだんとマイルドな顔つきになり一護に敗れてからは義理堅い熱血漢な青年と言った素の部分が強調されるようになっていく。
アニメオリジナルのバウント編序盤で現世に派遣された際には60年代の若者を彷彿とさせる服装で現れるなどファッシションセンスの時代遅れぶりを露呈したことがある(忘れがちだが15歳である一護達より遥かに長い年月を死神として生きてるので仕方ないかもしれないが)。
六番隊内で玉蹴りのチームを結成してよく汗を流している。メンバーは恋次、理吉、四席、八席、十三席、二十席。
斬魄刀
始解の名は【蛇尾丸】(ざびまる)。卍解は【狒狒王蛇尾丸】(ひひおうざびまる)。
詳細はいずれもリンク先を参照。
余談だが、作中で初めて始解を披露したキャラでもある。
劇中の活躍
朽木ルキアとは40年前まで流魂街の78地区「戌吊」で身を寄せ合って家族のように暮らしていた(ひょんなことから知り合ったルキア以外にも数名の孤児仲間が存在していたが死神になると決意する頃にはルキアを除いた仲間達はなんらかの理由で死亡してしまっている)。困窮した生活から抜け出すためルキアと共に死神を目指し真央霊術院で学ぶが、四大貴族・朽木家からルキアへの養子の誘いを彼女の幸せに繋がると考え、本意ではないにもかかわらず喜んで祝福する。そのことがきっかけで二人の間に大きな溝が生じ、関係が途切れる。この出来事から恋次は朽木家の養子となったルキアと対等に付き合うため、義兄の朽木白哉を超えることを目標に鍛錬を重ねる。
長い年月をかけて念願の六番隊副隊長に任命されるが、その直後に現世の高校生・黒崎一護へ死神の能力を譲渡し、罪人となったルキアの捕縛命令が下る。恋次は命令通り彼女を連行しに現世に向かい、それを阻止しようとした滅却師の石田雨竜を一蹴。彼に止めをさそうとしたところで一護に阻止され戦闘を行う。
当初は一護を始解で圧倒するが、止めをさそうとしたところでルキアに阻止される。その間に一護が覚醒し今度は逆に圧倒されるも、白哉が一護を斬り伏せたことでルキアの捕縛は完了する。
恋次は当初、ルキアが実際に処刑されるとは思っていなかったが、白哉によってルキアの処刑が決定されたことを伝えられた際には、激しい動揺を見せていた。
その後、ルキアを救出するために尸魂界に乗り込んできた一護と懺罪宮前で交戦する。
最初は斬魄刀の押し合いで手加減しているとはいえ一護に押されるが、ルキアを救う覚悟がどのくらいあるのかを質問した直後、その覚悟に激昂しすぐ押し返し、続け様に始解で一護をほぼ瞬殺。満身創痍の一護を更に一方的に攻撃する。
その際、「てめえがルキアの力を奪いやがったから、ルキアの罪は重くなったんだ!!」「てめえのせいでルキアは殺されるんだ!!」と、激しい怒りをぶつける。
その後、追い詰められた一護が浦原喜助による教示を思い出し覚醒、恋次は攻撃をもろに喰らったことで斬魄刀ごと一撃で斬られ吹っ飛ばされる。敗北を自覚した瞬間、白哉を超え、ルキアとの距離をもう一度戻すために 鍛錬を続けてきたことを思い出し、プライドをかなぐり捨てて、一護に向けて嘆願する。
「ルキアを…ルキアを助けてくれ!!」
その後、四番隊で傷を癒した後、一護が卍解の修行をしているところに現れ、完成間近であった卍解の修行を開始する。
そして習得した卍解・狒狒王蛇尾丸を手に、ルキア救出を阻む白哉に一足先に立ち向かう。当初は優勢だったが、卍解を習得したばかりでまだ使いこなせなていなかった事が災いし、白哉の卍解・千本桜景厳に全身を切り刻まれ敗北。彼との力量の差を思い知る。
しかし、ルキアを必ず救うと己の魂に誓ったことを思い出し、残された力を振り絞って白哉に立ち向かう。結局は恋次の敗北に終わるものの、強い覚悟を持って戦いを挑み続けた恋次の姿に感服した白哉は、トドメを刺さずに立ち去った。
山田花太郎の鬼道で治療を受けた後、ルキアの処刑が行われる双殛へ向かう。ルキアは既に一護によって双殛から救い出されていたが、一護は磔架の上から恋次に向かってルキアを投げ落とし「てめーの仕事だ!!死んでも放すなよ!!」と言葉を投げかける。
一護からルキアを託された恋次は、追手から逃れるために彼女を抱えて瀞霊廷内を逃げ回るも、本性を表した藍染惣右介によって双殛の前に再び連れ戻される。一護と共に藍染に立ち向かうが、その圧倒的な力の前になす術もなく倒される。その後、藍染が虚圏へと姿を消したことでルキアの処刑騒動は終了する。
騒動の後、ルキアを助け出すために奔走したこともあり、彼女と和解して以前の関係性に戻ることができた。
また、ルキアとの関係性を元に戻す切っ掛けとなった一護に対しても信頼を寄せ、仲間として共に戦っていくことになる。
現世を襲撃してきた中級大虚の破面であるイールフォルト・グランツに卍解で挑むが、限定霊印をつけていたこともあり苦戦。しかし、限定解除をしたことで形成逆転し斃した。
チャドの修行に卍解で付き合い、チャドの悪魔の左腕覚醒に貢献する。
その後、一護が井上織姫を助け出すために虚圏に乗り込んだことを知ると、ルキアと共に虚圏へと向かい一護たちと合流する。(ルキアと恋次が虚圏に乗り込んだのは、ルキア曰く自分達は一護の仲間だから)
石田と共に第8十刃のザエルアポロ・グランツと戦うが、彼の用意周到な仕掛けや奇怪な能力の数々の前に苦戦を強いられる。しかし、尸魂界からの増援により涅マユリが参戦し、ザエルアポロをマユリが斃したことで生還。戦闘後はマユリにより治療された。
その後はルキアやチャドと共に、ルドボーン・チェルートとの戦いに参加。ルドボーンの部下を一掃し一護のために道を作る。ルキアの活躍によりルドボーンを戦闘不能にするも、直後に第10十刃のヤミー・リヤルゴが乱入し、帰刃したヤミーに苦戦する。最終的には白哉と更木剣八の共闘によりヤミーは斃され、仲間たちと共に藍染との戦いを終えた一護の元へと駆けつけた。
死神代行消失篇では、完現術を奪われた一護を助けるために、他の隊長と一緒に全員で現世にかけつけ、一護が死神の力を取り戻す手助けをした。
XCUTIONとの戦いでは、雪緖が作った空間の中でジャッキー・トリスタンと交戦するも、一護の完現術の影響でパワーアップしていた彼女を無傷で制圧する。(恋次曰く「藍染と戦えるように鍛錬してきた」とのこと)
女に手をかける男は屑であり、屑になって生き延びるのは死んだも同然という持論のもと、女性であるジャッキーをそれ以上は攻撃しようとせず、対戦者の一方が死ななければ脱出できない完現術の空間をジャッキーと共に脱出しようとした。
最終章・千年血戦篇では、星十字騎士団のエス・ノトと交戦。白哉の卍解を奪い取り瀕死に追い込むエス・ノトに激怒して斬りかかるが、マスク・ド・マスキュリンの不意打ちによって敗北する。
この時、マスキュリンは恋次が卍解を使用できることを知らなかったため運良く奪われずにすんだ。
しかしこの戦闘により、「尸魂界で完治不可」とされる程の重傷を負ってしまったため、霊王宮へと招かれる。
その後は霊王宮で一護、ルキアと共に修行を行い、まなこ和尚から卍解の真の名前を聞かされる。
星十字騎士団の第二次侵攻によって蹂躙される尸魂界へと帰還し、マスキュリンと対戦する。真の卍解である双王蛇尾丸によって、隊長格五人を戦闘不能に追い込んだマスキュリンを圧倒。必殺技の「蛇牙鉄炮」でマスキュリンを消し炭にし、勝利する。
真世界城突入時にアニメオリジナルで死神陣を迎え撃ちに来た石田雨竜との戦闘が追加された。
双王蛇尾丸で石田と互角に渡り合うも滅却師完聖体を解禁した彼に圧倒され満身創痍になりながらも最後の抵抗で「狒骨大炮」を放つも石田の放った光の矢に打ち消されてそのまま死神の急所である「鎖結」を撃ち抜かれて敗北。
石田は「かつての友情で無意識に殺意を躊躇ってしまったこと」「自身の能力を全く知らなかった」「恋次が死神だから」という3つの敗因を述べてその場を立ち去る。
千年血戦篇終盤では、ユーハバッハとの最後の戦いに挑む一護に付き従う。
その際、これまで秘めてきた一護への感謝を伝えている。
「……もうずっと、何十年も、俺とルキアはすれ違えもしねえぐらい遠く離れちまってた。その距離を元に戻してくれたのはお前だ。だから俺は決めたんだ。お前が進めなくなった時は俺が背負ってでも進んでやるってな。今までも、これから先も、お前が死ぬまでずっとだ。」
そして、ユーハバッハとの最終決戦に僅かながら参戦。歯が立たないながらも、影で移動するユーハバッハを始解で牽制したり、味方になった藍染の鏡花水月に付き合ったりし、一護を援護した。
最終回ではルキアと結婚し、娘の阿散井苺花が誕生していたことが判明した。
連載終了後に発行された久保帯人完全監修小説『BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU』では「花くれなゐ」に日番谷先遣隊などを呼び、そこで結婚を報告。二人の結婚式についての物語になっている。
余談
- アニメ千年血戦編33話での石田と恋次の戦いはセルフオマージュが散見されている。
- 人気投票では常に上位に食い込む人気キャラクターの1人だが、作中での勝率の低さをネタにされてしまうこともしばしば。
- 同期である雛森や吉良が悉く藍染に体よく利用されてしまった中、恋次に関しては自立心や反抗心が強い性格な(言ってしまえばそこまで真面目な堅物ではなく、上官に対し一定の尊敬心はありつつも全く疑問を持たずに黙って服従したり依存するタイプでもない)ためか、藍染からは2人と異なって駒としては不向きと見られていたようで「一番厄介そうな君は早々に他所へ飛ばした」と言われていた。皮肉なものだが雛森や吉良(特に前者)が散々な目に遭ったのを考慮すると、この点は恋次にとってはある意味で幸いだったとも言える。