「あ~~あ! こいつらブチ殺したらもっかい手伝いに行ってやろうと思ってたのによォ!」
「先に死んでりゃ世話ねぇぜ…」
巻頭ポエム
失くしたものを
奪い取る
血と肉と骨と
あとひとつ(第41巻)
プロフィール
概要
通称"ヤミー"。
粗暴な言動の目立つ巨漢で、戦い方も雑。番号通り十刃の名に恥じず実力は高いが、隊長格には普通に歯が立たず、やられている。
従属官として子犬型の破面であるクッカプーロを連れており、時折このクッカプーロと共に描写される。クッカプーロには非常に懐かれているが、ヤミーはぞんざいに接している。
能力
「十刃の数字は 0から9だ」
帰刃:憤獣(イーラ)
解号は【ブチ切れろ】。
解放の際は斬魄刀を抜くと同時にその刃を爆発させ(煙になるようにも見える)、赤いオーラを出しながら肥大化していく。その際に"10"の"1"の部分が削れて"0"となる。
実はヤミーは第0(セロ)十刃であり、最強の十刃であった(この数字が削れる演出がしたかっただけだろなどとは言ってはいけない)。
この形態になると、隊長格が束になってかかっても普通に苦戦する程強化される。
解放前から伏線はあり、第4十刃のウルキオラから初登場時に「そのままでは勝てん」、黒崎一護との最終決戦時に「どうやら完全に回復したようだな」などと意味深なことを言われていた。
実力的にも第9十刃のアーロニーロが志波海燕を盾にしていたにも拘わらず、普通の平隊員でしかも満身創痍になった朽木ルキアの始解・袖白雪に瞬殺されたのに対し、ヤミーは隊長格である日番谷冬獅郎の始解・氷輪丸の攻撃を受けても「涼しいぜ」で済ませていたり、一護の卍解・天鎖斬月で右腕を切り落とされても四楓院夜一に白打でフルボッコにされてもピンピンしていたりと、解放前から第10十刃にしては割と強すぎたりする(特に卍解を受けてもピンピンしているタフぶりから、第7十刃のゾマリよりも強いように思える)。
このことから、普段は隊長格の限定霊印のように、第10十刃相当の力にまで戦闘力と鋼皮硬度を抑えている第0十刃である可能性が高い。
そもそも破面としての肉体と虚の力を斬魄刀の形に分離された帰刃の概念自体が崩玉入手後に確立した可能性もあるため、未解放状態が10番相当になったのは割と直近かもしれない。
大虚のランクとしては巨体であることから中級大虚として目されやすいが、どの公式情報からもはっきり断定できるソースは無い。しかし小説版では中級大虚はその変異性が特徴とされており、虚圏の王と張り合っていた個体もいるのであながち間違いとも言い切れない。
巨体故の異常なステータスの高さに加え、鋼皮の硬さも第5十刃のノイトラの次に硬いため、倒すのは非常に厄介な強敵である。
アニメ版で戦闘シーンが追加されたが、それを含めても作中で、この状態のヤミーに傷をつけられたのは一護、更木剣八、朽木白哉の三人のみ。
他の連中の攻撃は帰刃した直後から全く効いていないため、帰刃した直後、つまり最初から帰刃したスタークより強く、そこから怒りで巨大化し更に強くなるというパターンの可能性が高い。
帰刃後は、象に似た複数の足と長い尾を生やした、百足と蠍が混ざったような下半身の巨人となる。この際、下半身に赤い前掛けをしている。尻尾の先端はハンマーのようになっており、肘や背中から黒い杭のようなものを生やしている。頭の突起は黒くなり、つながったように並んでいる。
実は上記の姿は第1段階に過ぎず、更なる怒りを覚えた際は、再び赤い霊圧を噴出して肉体が変貌。
上記より更に巨大な姿となり負傷が完治する(斬られた腕とかも生えてくる)のに加え、腕力と霊力が倍増していく。
第2段階は、下半身は赤い毛に覆われ、怪獣のようなヒレを持った尻尾も生えている。上半身は普通のデブのようになっているが、顔の目より上が、後ろに突き出した4本の角に覆われていて、下顎も鋭いキバをいくつも生やしている。更に背中からも2本の巨大な角を生やす。
そこからどのくらい変身を重ねたか不明だが、最終形態では、二本足に戻っており、巨大な尻尾が生え、下半身の足以外が全て毛皮で覆われてる形態になっていた。
これ以上更に変身する可能性があったのかは不明。
隊長格と一口に言ってもピンキリであるので一概には語れないが、単純計算で憤獣の第二形態となったヤミーは隊長格の2倍の霊圧はあるということになり、額面上はあの藍染惣右介に匹敵…するかもしれない計算となる。
技
- 魂吸(ごんずい)
強制的に周囲の人間の魂を奪い取って捕食する。
- 虚閃(セロ)
大虚クラス以上の虚が使える破壊光線。
威力・攻撃範囲の広さが強みだが、刀剣解放後のヤミーはその巨体に比した特大の光線を放つ。通常の虚閃でありながら「王虚の閃光」さながらの光輪まで発生しており、剣八が回避を選択するほどの威力を誇る。
- 黒虚閃(セロ・オスキュラス)
解放後の十刃のみが撃てる虚閃。
通常の虚閃とは比較にならない破壊規模となり、主にウルキオラが使用して猛威を奮っていた。ヤミーが使用した際はその脅威を肌で味わっていた一護により中断されていたが、口腔内で炸裂したにもかかわらず咽るだけで済むというとんでもないタフさを見せている。
- 虚弾(バラ)
破面が使用する技。霊圧を弾丸のように固めて放つ。
威力はそこまでではないが、霊圧を集中する必要がないので速射性に優れており、弾速は虚閃の20倍なのが特徴。虚閃と同じく、巨大化したヤミーに比例して規模が拡大している。
本編での活躍
破面篇序盤、藍染の指令でウルキオラと共に空座町に登場。井上織姫とチャドを一人で追い詰める(その際、チャドの右腕を攻撃した)も、駆け付けた黒崎一護により阻止される。一撃目の攻撃を天鎖斬月で受け止められた上、右腕を切断されてしまう(チャドの右腕をやったからという理由で)。一時戦況は不利になったかと思いきや、虚化を恐れ金縛りになり動けなくなった一護を仕返しと言わんばかりに痛めつけ(アニメでは9回殴った)、とどめを刺そうとするも、駆けつけてきた浦原喜助に血霞の盾で阻止され、同じく駆けつけてきた四楓院夜一に白打でフルボッコにされる。仕返しで虚閃を放つも浦原に剃刀紅姫で相殺される。
その後、虚圏に帰還し、切断された右腕をロカ・パラミアに治してもらい、腕試しとしてロカの頭を殴り潰した。ヤミー曰く「本調子なら股まで裂けた」(アニメでは殴り飛ばして壁に叩き付けた)。
三度目の襲撃でグリムジョー、ルピ、ワンダーワイスと仲良く4人揃って再登場。同じ10番である日番谷と交戦。始解とはいえ限定解除状態の彼の凍結攻撃を余裕で破るが、日番谷は途中でルピの下に行ってしまい、代わりに浦原と交戦する。浦原のペースに巻き込まれ苦戦するが、戦闘中に織姫の連行が終了したことで虚圏に強制帰還。そして一護達が潜入してきた際には十刃の会議に出席し頬杖をついた状態で着席した。
その後は藍染の命令に従い自分の宮で待機しながら栄養を補給して回復に徹する。グリムジョーやノイトラのような暴走もしなかったので長らく出番がなかったが、ウルキオラ戦で一時的に味方として再登場。虚夜宮の守衛を任されたウルキオラ、藍染に同伴したスターク・バラガン・ハリベルに対して、生き残っていた5人の十刃の中では唯一具体的な命令をされた訳ではないようであるが、藍染がウルキオラを一護が成長する礎として割り切っていた所を見ると虚圏に留めた隊長たちの足止めが適当だろうか。
その後、ロリ・アイヴァーンと織姫の2人と出くわし、ロリに啖呵を切ってしまった為ロリと戦闘に入り、動けない一護の代わりにロリを打破するも織姫には逃げられてしまう。織姫をロリから救出した直後、再び敵に戻り織姫を襲いに向かう。
その直後、やってきた石田雨竜と立て続けに戦闘になるも、床を脆くされていた事に気付かず下層階に転落してしまう。
しばらくして脱出に成功すると、朽木ルキアらに敗れて氷漬けにされたルドボーンを誤って殴り飛ばしながら登場。ウルキオラの戦死を悟ると居合わせたルキア、阿散井恋次、チャドを相手に帰刃して八つ当たり気味に襲撃する。3人を軽くあしらい、遂には虚化した一護の月牙天衝さえも「少し切っちまった」程度にしか効かないほどの化け物になった(但し、これは一護の力が弱まっていた事が原因の可能性もある)。
しかしながら、不運にも朽木白哉と更木剣八の危ない2人が助太刀に現れた為、一護を殺す事は叶わず、白哉と剣八の二人にフルボッコにされ、上記の第2段階となって迎え撃った。
そこからの戦闘シーンは省略されてしまっているが、彼らに敗北し、クッカプーロに看取られながら没したようである。戦闘終了時には、右腕を失い左胸部から縦に真一文字の大きな傷が付いている描写があり、それらが致命傷になったと思われる。また、原作のみ天蓋に2つの大穴が開いて虚圏の月が見えており、苛烈極まる激闘だった事がうかがえる。
しかし、戦いを終えて帰還した際に、部下から戦いの感想を問われた剣八は「つまらない戦いだった」と吐き捨てている。
ただし、剣八と白哉は平然としていたものの、帰還時には出血が止まらない深手を負わされており、部下の隊士が慌てて医療部隊を呼ぶ程の重傷であった。相応の手傷を負わされていた事から、ヤミーの実力そのものに不満を覚えていたとは考え難く、額面通りの意味ではないだろう。
その為、この時の剣八の言葉はファンの間では、大きく2つの説に分かれている。
第一に、後々の戦いでもそうであるように、基本的に剣八は一対一に拘って戦いを望み、楽しんでいる節があり、白哉との共闘が不本意であったと言う説。
もう1つの説が、クッカプーロをヤミーが庇った為に敗北したと言うものである。
解釈は読者次第であろうが、剣八は戦った相手には勝敗に関わらず、敬意を表する言葉をかける人物である為、「つまらない」の表現を選んだところに、ヤミーの死を想像する余地があるのだろう。
余談
元来、霊圧を探るのが苦手な筈なのだが、ウルキオラの敗北と死により霊圧が消えてしまった事にはすぐに気が付いている。
元々、ウルキオラとは行動を共にする機会が多く、互いに軽口を叩き会える仲であった。
公式ファンブック「UNNASKED」によると、ヤミー自身心のどこかでウルキオラを認めていたようであり、そんな自身に苛立ち彼の死に毒吐いたとの事。
また、従属官であるクッカプーロは、ヤミーの死を看取った後もその亡骸に寄り添い続けており、小説版ではハリベル達が一緒に来るように誘ってもそれを無視しており、強い絆で結ばれていたようである。
横暴な性格の彼だが、親しい相手を大切にする、優しい一面もあったのかもしれない。
ただ能力の扱いづらさや、特に目立った活躍をしていない点、それでも最強の座に着いている点から二次創作において破面オリ主による抹殺対象に選ばれてしまう憂き目によく遭っている(並んでノイトラもネリエル関係なども踏まえてよく殺されている)。
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帰刃のその先へ……ゲームのオリジナル形態。