概要
『BLEACH』に登場する、現象または技の名前。
連載序盤は前者を、主人公・黒崎一護がこれを会得した中盤以降は後者を主に指す。
現象として
”整(プラス)”が”虚”に転じること。
作中では人間が死後魂魄だけになった状態を”整(プラス)”と呼び、この段階で死神によって魂葬される("成仏"させる)ことで尸魂界に行く。
しかし魂葬されずに放置されると、通常数ヶ月、数年の時を経て胸に孔が開き、霊子が霧散。再構成後、虚となってしまう。
また胸に孔が開きかけた"半虚(デミホロウ)"の段階で、孔を無理やりこじ開けることで強制的に虚にすることもできる(原作初期のドン・観音寺が誤解していた)。
なお霧散せずに身体が整のままで仮面が出てきた場合は魂魄が虚になるのに抵抗している証だが、それ即ち不安定な状態である。
整の場合は死神に魂葬してもらわなければ、死神の場合は技としての虚化を会得しなければ本来の人格が消滅し本当に虚になってしまう。
技として
死神に虚の力が発現(発症)すると、精神世界に生まれた虚の人格に元の人格が徐々に飲まれて、やがて完全に消えてしまう。
これを防ぐために、虚の人格を制御し、自在に発現できるようにしたのが虚化である。
使用時には左手から虚の霊圧を出し、顔を覆うようになぞることで、仮面が出現する。
この状態では身体能力や霊圧を使用した技の威力を強化できるほか、虚閃などの虚特有の技も使用可能になる。
会得には内なる虚との内在闘争が必要で、単に屈服するだけではなく、同調も必要と思われる。
なお、一時凌ぎにすぎないが、突発的に暴走しても斬魄刀を突き刺したり、無理矢理引き剥がすなどして仮面を壊せば、自然と解ける描写がある。
また会得後も、虚化を保持するための訓練を要する。最初は秒単位での延長を続け徐々に持続時間を延ばしていくことになる。
持続時間を過ぎると、突発的に虚化が解けてしまう。この時間も絶対的なものではなく、状況や戦う相手の実力に応じて短縮してしまうが、一度外して付け直す、あるいは外さずとも付け直すことでリセットされるらしい。
使用者
白のみ、最初から訓練なしで15時間以上保持し続けられるが、他のメンバーは数分しかできないとのこと。
発症は尸魂界篇中盤からで、仮面の軍勢の協力により破面篇序盤に会得。
発症および会得時期は不明だが、恐らく仮面の軍勢同様、藍染惣右介の崩玉によるものと思われる。
また作中では本来破面に固有なはずの帰刃を披露しているが、後に一護や仮面の軍勢にも理論上は可能という裏設定が明かされた。まあ恐らくは、虚化により破面に近い状態になるからであろう。そのことから考えると、虚化は厳密には破面化なのかもしれない。
※帰刃とは破面が斬魄刀に封じた「虚としての本来の力」を解放することを意味するので、彼らの場合は「内なる虚」がこれに該当すると思われる。
なお一護は暴走状態の「完全虚化」になっている(後に克服)が、これが帰刃に類するものなのか、内なる虚の由来が全く異なることが理由なのかは現状不明。