「…滑稽じゃな。死神でも 死には恐怖するものらしい」
「大帝に背いた不届きを塵となって悔いるがいい!!!!」
巻頭ポエム
腐敗は我が友
夜は我が僕
鴉にこの身を啄ませながら
楡の館でお前を待つ(第43巻)
プロフィール
概要
「大帝」の二つ名を持つ豪胆かつ傲慢な態度の隻眼の老人。仮面の名残は頭部の王冠状の飾り。
自身の事を「虚圏の神」と称しており、かつては実際に「虚圏の王」を自称して虚達を纏めていた。その為、従属官達の数はザエルアポロ・グランツの次に多く、彼らとの間には絶対的な上下関係が存在し、彼らからは「陛下」と呼ばれている。
階級は第2十刃だが、本人は一度も名乗ったことは無い。
藍染に支配者の座と虚夜宮を奪われた事を恨んでおり、藍染の事を口では「ボス」とは呼んでいるものの忠誠心など皆無であり、いずれ彼を倒す機会を窺っていた。なお、彼の死後その座はティア・ハリベルに奪われる。
司る死の形は「老い」であり、実際に防御不可能のチート能力「老い」の力だけに留まらず、威力の高さが特徴の砕蜂の卍解・雀蜂雷公鞭をまともに受けて体がボロボロになっても、余裕で戦闘続行出来るタフさなど、作中描写での圧倒的な強さとそのインパクトから、破面篇での強キャラの筆頭に頻繁に挙げられる存在である。その能力を目の当たりにした大前田は「藍染よりよっぽどヤバい」と竦み上がっていた。
物語としては中盤で登場して同篇で退場していたがその歴史は古く、霊王を犠牲にして三界分立された虚圏の黎明期から存在しており、覇権を巡り争っていた虚の最古参格。年齢だけなら兵主部一兵衛や五大貴族の始祖たちとも大差ないと思われる。
そのこともあってか、藍染の軍門に降り、偽空座町の戦闘で戦死した現在もガンテンバイン・モスケーダなど始めバラガンを崇める虚や破面が多く存在する。
能力
前述の死の形を象徴する「老いの力」を使用する。この表記自体が十刃の半数以上が倒されていたバラガン戦から初めて開示された(とはいえ、死の形がそのまま能力に直接繋がってるキャラは本人を含めて、アーロニーロ、ヤミー・リヤルゴの三人しかいないが)。
近付いてきた敵の動きを鈍くする能力と、敵に直接触れて骨折させる能力の二つがある。
老いの力であることから骨折以外にも腰痛や筋力低下など色々なことが出来る可能性もあるが不明。
また、逆に自分に触れてきた敵へのカウンターとして使える可能性もあるが不明。(敵が蹴ってきた瞬間に能力を使い足を骨折させるなど)
帰刃:髑髏大帝(アロガンテ)
解号は【朽ちろ】。
アロガンテ(Arrogante)はスペイン語で「傲慢」の意味。
中央に赤い目が存在する、巨大な戦斧から発せられた黒い炎に包まれる事で、王冠と金の装飾と黒いマントを纏った骸骨という西洋の死神を思わせる姿になる。作中で登場した破面の中でも、最も帰刃前後で外見が大きく変わる破面である。というか帰刃前の面影など右目の傷くらいしか残っていない。藍染からも「虚の王」が最も「死神」のイメージに近い外見をしている事を皮肉られていた。
自らの「老い」の力を完全に開放し、あらゆる生物・物質・事象を朽ちさせる事が可能。
通常の虚を髣髴とさせる顔をしているが、中身は漆黒の闇になっており似ても似つかない。
いかにも悪霊らしいおどろおどろしい外見をしているが、この闇のなかになんと通常の生物と同様、胃袋などの臓器があるようで、当たればダメージを受ける。どこにあるのかは不明。
一見無敵に思えるが、肝心の自分にも通用するという致命的な弱点がある。もしかすると、バラガン自身にも能力は制御しきれていないのかもしれない。
また、これでも第0十刃ではないのを見る限り、バラガンより強い者には能力は通じないと思われる。
また、「1000年掛け続けられる鬼道があろうと朽ち果てる」と豪語しており事実その通りではあるが、ハッチの結界術の突破には時間を要している様子も見受けられた。
作中では爆発物を命中する手前で誘爆させて回避を図るなど、高速で作用する老いの力といえど、敵との攻撃距離・速度・規模によっては減衰が間に合わずに被弾するリスクが発生するようだ。
技・武器
- セネスセンシア
解放前から使用可能な能力。あらゆる事象や物体の劣化を促進させる事が可能で、自身に接近する相手の動きを衰えさせたり、意志を持って触れた物体のみを老化・崩壊させてダメージを与えたりできる。バラガンの持つ「老い」の力全般の総称。セネスセンシア(Senescencia)とはスペイン語で「老化」の意。
- 死の息吹(レスピラ)
帰刃後に使用する技。触れたものを急速に朽ちて崩壊させる息。これに触れた物質は、触れた箇所が一瞬で老朽化して朽ちていき、直接触れていない部分も、触れた個所から徐々に老朽化が進行して崩壊してしまう。生物が食らった場合は、受けた個所から肉体が白骨化して塵になっていく。さらに息の飛ぶ速度も、護廷十三隊最速である砕蜂ですら回避しきれない程である。技を食らった後で回避するには、朽ち始めた部分を切り離すしかない。生物や物体だけに限らず、鬼道さえも朽ちさせる事が可能であり、能力の特性上攻撃のみならず防御にまで転用できる。レスピラ(Respira)とは「呼吸」の意。
- 滅亡の斧(グラン・カイーダ)
帰刃形態の武器である巨大な黒い戦斧。右腕から鎖に繋がれて出現する。上記の通り、破面化前にも同様の戦斧を所持している。アニメ版では、戦斧を振るうと同時に「死の息吹」のような老いの力を纏わせて、距離の離れた標的を切り裂いて「老い」の力で崩壊させていた。破面となる前もこの力と戦斧を持っていたが、飛ばす事はできずに直接斬りつけて効果を発揮していた。グラン・カイーダ(Gran Caída)とは「偉大なる陥落」の意。
本編での動向
藍染に従って、第1十刃のコヨーテ・スターク、第3十刃のティア・ハリベルらと共に、従属官6人を引き連れて空座町へ侵攻する。山本元柳斎重國の炎で身動きが取れない藍染に代わり、勝手に指揮官代行を宣言して、従属官達に偽の空座町を形作る結界の破壊を命じる。
従属官達が斃された後は、帰刃して自ら砕蜂、大前田希千代らと交戦。老いの力で2人を終始圧倒して、砕蜂の卍解である『雀蜂雷公鞭』すら退け、加勢に現れたハッチの結界すらも老いによって朽ちさせて追い詰める。
しかし、彼がこの世で唯一絶対の力だと自称する「老い」の力が、彼自身に対しても有効という弱点をハッチに見抜かれてしまい、老いに侵されたハッチの右腕を、鬼道『匣遺』によって体内(胃袋)に直接転送されてしまう。自分の力で体内から朽ち果てて崩壊していく中、最後の力を振り絞って藍染に向かって滅亡の斧を投げつけたのだが、直後に朽ち果てて消滅し、斧も藍染に届く前に崩壊して消滅した。
ハッチによれば、実はバラガンは自身の体表に自分の老いの力を遠ざける別の力を張り巡らせる事で、自分の身を自分自身の力から守っていたのである。故に普段は力が触れる事のない体内に送り込まれた自分の力には対応できなかった。(ただしこれはあくまでハッチの考察であり、本当にそうなのかは不明。敵キャラの考察が後に否定された前科あり)
皮肉な事に自身を「神」と称して老いの力を振るう彼自身もまた、死を恐れて「老い」を自分から遠ざけようとしていた小さな命の一つに過ぎなかったのである。
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帰刃のその先へ……ゲームのオリジナル形態。