「──私と貴様で何が違うのか教えてやろう」
「格だ」
概要
発動法は刃を下にして刀を落とす。
すると地面に吸い込まれるように刀が消えて、地面から千本もの巨大な刀身が現れ、始解時を遥かに上回る数の刃と化す。
この際に刀が無事である必要はなく、折れた切先と柄を同時に落とす形で解放する事も可能、この性質から卍解前の千本桜はどう破壊しようと無意味である。
卍解を発動した時の演出として、周囲が暗くなり、白哉の左右にある水面から千本もの巨大な日本刀の刀身が桜並木のように立ち並び、それらが一斉に桜の花びらのように姿を変える。
この形態になると柄すらも無くなり、一見すれば徒手空拳の様な姿に見える。
しかし、実際には千本桜を遥かに超えるほどの数の刃が空中を舞っており、その刃が白哉の意志一つで桜吹雪の様に敵に襲い掛かる上に、この桜吹雪を操ることで盾代わりにも使える。
最大の能力としてこの刃を固めることで斬魄刀の姿に戻すことができ、必要に応じて白哉は好きな数の斬魄刀を遣い、操ることが出来る(最大1000本)。
攻防共に優れている上に、遠距離戦から白兵戦にまで幅広い用途での応用が利く、非常に優れた戦闘能力を持っている。
卍解するような強敵には普通に対応されるためか、原作では増えた桜吹雪を操るだけの攻撃は強敵相手には原則使わず、吭景や殲景のような奥義で対応する。
無傷圏
千本桜と千本桜景厳におけるある種の弱点であり、安全機能。
千本桜及び千本桜景厳は攻防自在の万能な能力であり、劇中では白哉はいとも容易く操っているが、実際にはその操作はかなり複雑でリスキーなものである。その為に操作が失敗しても白哉自身にギリギリダメージを負わない領域が存在する、それが無傷圏である。
その範囲は約半径85㎝。もしも無傷圏を狭めれば、操作を誤っただけで自身はダメージを受け、仮に敵がこの無傷圏に入ろうものなら丸腰で敵の攻撃を受けなくてはならない。
白哉当人の戦闘能力が高いためにある程度はカバーされてはいるものの、一時的にとはいえ斬魄刀が使えなくなってしまう点が千本桜の最大の弱点となっている。
死神代行消失篇の月島秀九郎戦で初めてその無傷圏の存在が明かされ、利用された(白哉はそれを逆手に取って勝利したが)。
なお、尸魂界篇の黒崎一護戦をよく見ると、一護から無意識ながら無傷圏を利用されているシーンがあるため、それが奇跡が二度も起きた理由に繋がっていたことがよく分かる。
月島曰く、離れて戦うより近付いて戦ったほうがよいのだそう。
技
- 吭景・千本桜景厳
相手の周りに千本桜の花びらで囲み、全方位から一斉攻撃する、その見た目はさながら桜色の球体。
破面篇のゾマリ・ルルー戦で使用。明言はされていないが恐らく殲景の前の段階にあたると思われる。
- 殲景・千本桜景厳
千本桜の花びらが全て刀の形になり、自分と敵を囲い込む。要するに無限の剣製の様な感じ。しかし、周囲の無数の刃が敵を一斉に襲うことは無く、白哉が己で斬ると誓った時にのみ使用するらしい、要は斬り合いから逃がさない為の結界に近い。
この状態を引き出したのは千年血戦篇以前では恋次と一護のみだったが、千年血戦篇ではジェラルド・ヴァルキリーにも使用している(アニメ版及び劇場版では一護以外の人物が居るとき、及び一護以外の人物との戦闘時にも披露している)。
「殲景」から分かるように、敵を殲滅するのに向いた技だと思われる。
- 奥義・一咬千刃花
殲景・千本桜景厳を相手の周囲に展開し、1000本の斬魄刀を空中に出現させて一斉に攻撃する技。千年血戦篇でジェラルドに披露した。速い話が吭景・千本桜景厳の上位互換とも言うべき技。
一護戦では「案ずるな、千本の刃の葬列が一度に貴様を襲うことは無い」と言っていたが、どうやら文字通り出来ないという意味ではなく、「案ずるな、(貴様の想像しているように)この千本の刃の葬列が一度に貴様を襲うことは(可能だが、貴様との戦いでは敢えてやら)ない」という宣言に過ぎなかった模様。
- 終景・白帝剣
千本桜の全てを自身の体に集約させ、桜の翼と剣を作り出す。
全ての千本桜を纏って相手に攻撃する技とも言え、単純計算で刀1000本分に近い威力を発揮できる。(双極・燬鷇王は斬魄刀100万本分の威力だが、あちらは処刑用=無防備な相手を消し飛ばすためのものかつ、恐らく浅打換算なので当時の一護が軽々受け止めている。しかし、こちらは恐らく千本桜千本分なのでその火力は比較にならない)
威力は間違いなく全ての技の中で最も高いが隙が大きく、一点集中の技の為にあまり使い勝手は良いと言えず、原作では一護戦でしか使っていない。