概要
物質に宿った魂を引き出し、使役する能力の総称。
これを持つ人間は「完現術者(フルブリンガー)」と呼ばれる。
完現術の発現は原則として「生まれる前に母親が虚に襲われている」ことが条件であり、そのことから虚と同質の力だとされている。
『BLEACH』の世界はどのような物にも魂が宿るとされる。そして、使い慣れた道具を使用する際にいつもの自分より高い能力を発揮できると感じるのは、その道具に宿る魂を理解したということ。
物質に宿る魂には元来「使い手を補助する性質」を持つ。それを自らの魂で大きな力と化し用いることで物質を操ったり、身の回りの物を補助として使うことで自らの身体機能以上の能力を発揮することができる。
例えば、「アスファルトの魂」の助けを受けて高速移動したり、「酒の魂」の補助によりグラスから口に飛び込ませたり、足元を支えてもらい水面に立つこともできる。
使い慣れたもの、愛着のあるものであれば物質の形や性質そのものを変化させ、武器にすることができ、それを媒体に固有能力を発揮することがある。その固有能力を指して完現術と呼ぶこともある。
例として道羽根アウラは霊子を水や溶岩に変化させ操り、月島秀九郎は栞を剣に変化させている。
アウラは完現術の基本能力たる「魂の使役」を高めたもので、月島さんは変化させた剣を媒体に固有能力を発揮する。
死神や滅却師のように、血統によって強い能力を受け継ぐ必要がなく、 魂魄が虚の力に強く影響されていれば一世代で能力が開花するため、主人公側のメンバーも同能力を使用している。
ただし、強敵との実戦経験は浅いため「井の中の蛙」状態であり、護廷十三隊の隊長格と真っ向から渡り合えたのは銀城空吾と月島秀九郎、毒ヶ峰リルカのみ。
死神の卍解、破面の帰刃、滅却師の滅却師完聖体にあたる形態はないが、その代わり進化することはある。
例としては、チャドの変化した右腕⇒巨人の右腕⇒悪魔の左腕への変化、黒崎一護は当初、死神代行証から卍型の霊圧を放出するに留まったが、霊圧製の死覇装を纏った上で霊圧による刀を使用し、その後は、霊圧ではなく正当な斬月を扱えるようになった。
ただし、進化したところで能力が変わることはない。
こうした能力やストーリーでの立ち位置もあり、弱いというイメージが付きまとうが、冷静に見れば便利で強い力といえる。
用語
- 完現光(ブリンガーライト)
完現術使用後に発生する光の名称。色は緑。
真相(ネタバレ注意)
実は、完現術者全員が何らかの「霊王の欠片」を魂魄内に所持していることが判明。
この 「欠片」とは、例えば臓腑や爪等の体の一部を指す。
つまり因果関係が逆で、「親が虚に襲われること」が能力発現条件ではなく、胎内の子が欠片を所持していることが原因で親が虚に襲われる。
余談
- 能力を使っていないにもかかわらず、黒崎夏梨がサッカーボールで虚と戦い、チャドと一護は生身で戦闘している。
- このことから破面同様、完現術が未発動の段階で各々が固有能力を備えており、発動前に現れる固有能力(生身のチャド)が始解、完現術(チャドの巨人の右腕など)が卍解にあたるのではないかという説がある。