「根は詰めない方がいい 一度ガタが来ると一気に全身が崩れるぞ」
巻頭ポエム
時は常に背後から迫り
唸りを上げて眼前に流れ去る
踏み止まれ
時がお前を 美しい過去へと押し流そうと
どれほど牙を剥こうとも
前を見るな
お前の希望は 背後に迫る
冥々たる濁流の中にしか無い(50巻)
プロフィール
誕生日 | 11月15日 |
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星座 | 蠍座 |
血液型 | AB型 |
身長 | 187cm |
体重 | 90kg |
XCUTION会員番号 | 001番 |
CV | 東地宏樹 |
概要
死神の力を失った黒崎一護の前に現れた男で、「XCUTION」のリーダー格。
常に余裕のある態度を崩さず、捕らえ所のない性格。
かつて月島秀九郎に裏切られ仲間を殺害されたという悲しい過去があり、その被害者の一人である死神代行の代行証を所持している。その死神代行は自分達から虚と完現術の力を取り除くために協力をしてくれていた恩人で、その計画の発案者は月島だったらしい。
一護を毒ヶ峰リルカら仲間の所へ招き入れ、死神の力を取り戻させてやるからその代わりに因縁の仇敵である月島を倒してくれと頼む。
その後、石田雨竜が何者かに斬られたことを切っ掛けに一護がXCUTIONに入会。
XCUTIONでの修行を通して完現術を会得させつつXCUTION総出で月島と戦っていたが、月島は「ブック・オブ・ジ・エンド」の能力で一護の仲間に次々と栞を挟んでおり、井上織姫とチャドが敵になってしまう。(一護は月島を敵だと思っており、井上と茶渡は栞の効果で月島を味方だと錯覚させられている為)
そして一護の完現術が完成後、月島の栞でとうとうXCUTION全員までもが挟まれ敵となり、銀城と一護は孤立する。
さらには銀城までも一護を庇って月島に切られてしまうが、特に黒崎呼びに変わったことを除けば何事もなかった。しかし…。
真実
その正体は一護の先代である初代死神代行であり、一護の完現術の力を育て、それを手に入れ、死神に復讐するために接触していた。石田を不意打ちで倒し、病院送りにしたのも実は彼である。計画を成功させるため、石田を斬った直後に月島に栞を挟んでもらい、自分の記憶を書き換えた上で暗躍していた。
月島に二度目の斬撃を受けたことで能力が解除され記憶を取り戻し、暫くは一護の味方のフリをしてやり過ごしていたが、石田に不意打ちの事実を明かされた直後に本性を現し、一護の完現術を奪うという衝撃の裏切りを起こした。(記憶を書き換えられている最中は一護を下の名前で呼んでいたが、元の記憶に戻った際は「黒崎」と他人行儀な呼び方になっていた)
仲間も霊力も何もかも全てを奪われ絶望している一護に対して「用済みなのに始末しないんだ、生きているだけありがたいと思え」「もう二度と会うこともない」と切り捨てる。そして、自身を裏切った死神への復讐を画策する。しかし護廷十三隊が現世に到着し、浦原さん特製の刀で一護が死神として復活してしまったため、一護と交戦。
最初こそ完全に一護をカモとして扱っていたが、一護に対して同じ死神代行として思うところがあったのか、一護呼びに戻った上で、「お前が本当に戦うべき敵の話だ」と代行証の真相を明かす。
代行証は死神代行の監視のためのものであり、その計画の発案者は浮竹十四郎であると告げ、真の敵は死神であると一護を仲間に誘うも、それでも死神として仲間を護る選択をしたのは自分自身だと拒否され、最後は一護と刃を交じ得る中で一護に自分は敵なのに心の内を理解されているということを感じながら敗北、死亡する(リルカ曰く、銀城は一護に理解されたことで救われたとのこと)。
その後、肉体は死亡し遺体は一護に現世の何処かに埋葬された。
ところが、最終章・千年血戦篇において、他の現世の人間同様、霊体は流魂街へ流れ着いていたことが判明。空鶴のところに月島、ギリコと3人仲良く居候している様子が描写された。完現術も健在であり、ユーハバッハとの最終決戦時に月島を連れて一護の元へ現れ、月島にユーハバッハに破壊された斬月を修復させた。
戦闘能力
描写が少ないため正確な実力は不明だが、死神の力を取り戻した一護と互角に渡り合っていること、不意打ちとはいえ石田を瞬殺していたり(原作459話)、石田の攻撃を一度は余裕で弾いていたり(原作458話)、石田の攻撃を振り返らないまま躱すことができるなど、高い戦闘力を有していることが窺える。
他にも、完現術第二形態一護の霊圧の暴走を素手だけで制御し抑えていたり(それにより一護の完現術が完成した)、月島との戦いでも一護よりかなり善戦していたり(月島はともかく銀城は洗脳されていた為、月島との事前打ち合わせをしていたわけではないにもかかわらず、月島の動きに終始ついていけている)、完現術最終形態の一護や朽木白哉を苦戦させていた月島に戦いを教えた師であることなどをふまえると、完現術最終形態一護より強く、少なくとも隊長格や十刃と同等以上の実力(どんなに弱く見積もってもウルキオラ以上)はあると思われる。
また一護から完現術を奪うことで一護の持つ全ての能力を使うことができるようになっている。そのため、死神や虚の力の他に滅却師の力も使えるようになっている可能性がある。
一護の力を自分の完現術として吸収し、それを更に仲間に分け与えるという能力などはユーハバッハの能力に似ている他、力を奪う際に血装のようなデザインの模様が浮かび上がる、卍解すると霊子で出来た翼が出現するという特徴もあるが、前者については死神である朽木ルキアも力の譲渡自体は出来ており、力を吸収したり解放したりする斬魄刀も存在するなど死神の力でもある程度似たようなことが可能だったり、後者に関してもデザインがたまたま血装らしくなっただけの可能性が考えられたりするなど、情報や描写が断片的すぎて根拠そのものも少ない為、それが滅却師由来の力である(元々銀城が滅却師の力を持っていた)とはまだ断言できないであろう。
- 完現術【クロス・オブ・スキャッフォルド】
首にかけた十字架のペンダントを媒介にした完現術。完現術の名前を始解のように叫んで解放することもある。
解放すると大剣に変わり、一護の月牙天衝のように刀身から巨大な霊圧の塊を放つこともできる。
また、完現術であると同時に斬魄刀でもあるため卍解が可能である。
一護の完現術の力を奪うことで一護が身に着けていたような骸骨を模したスーツ姿に変貌(首回りに完全虚化一護のそれを彷彿とさせるファーがついている)。
なお、一護の完現術を奪った際には血装を連想させる模様が出現していた。
一護の力を奪って以降は月牙天衝を初めとした一護の技を使えるようになった。前述の小説『Can't Fear Your Own World』によれば、銀城の月牙天衝の威力はグリムジョーの王虚の閃光ほどではないものの、それに近い威力を持っているとのこと。
余談だが、一護の渾身の月牙天衝を受け暫く経ってから変身し、更に「一護の完現術を奪ってなければ今頃俺は死んでいた」と発言していることから、一護の月牙天衝を受けて満身創痍になり完現術で傷口を回復させた可能性が高い。
したがって、一護から奪った完現術には帰刃の効果があった可能性もある。
- 卍解(名称不明)
解放すると顔に仮面紋が現れるなど虚に近い姿に変身する(帰刃を彷彿とさせるが、卍解が帰刃に相当する形態でもあることを踏まえると、虚の力との兼ね合いで自然とこうなった可能性が高い)。一護の力を取り込むことで月牙天衝や虚閃を使用することができるが、銀城自身の斬魄刀の能力は不明(元々虚の力を持っているそうなので、一護の力がなくても容姿は殆ど変わらず、虚閃も元々放てる可能性もある)。
小説『Can't Fear Your Own World』では、この状態の時は時灘よりも霊圧が上回っていた。
過去
銀城がメインの章である死神代行消失篇は人気が低迷し話を短くせねばならなかったためか、ボスキャラでありながら最終的にかなりの背景が不明で終わってしまっている。しかも不明な部分を作中で明らかになっているかのように展開するため、読者からの評判は芳しくなかった。
そのため、何故死神から裏切られたのか、どうやって死神代行になったのか、何故死神は銀城を危険視するのか、銀城の過去と思いを一護はどのように理解し、戦いの中で理解されたことで銀城はなぜ救われたのか。それらは原作が完結してなお不明だったが、小説『Can't_Fear_Your_Own_World』において、彼の過去が明かされた。
銀城は、かつて一護を騙すために「昔の仲間たちを月島によって皆殺しにされた」という過去を月島によって挟ませたが、そもそも「思い出」や「結果」は挟めても「存在しない人間」を挟み込むことはできない(つまり昔の仲間は本当にいた)。ならば元に戻った本来の過去において、昔の仲間たちを殺したのは誰か───。それは顔も知らない死神たちだった。代行証の監視機能はこの時に気付いたという。(本篇では銀城の仲間に死神代行がいたと話していたが、実際には銀城の仲間にはそんな人物はおらず、銀城が返り討ちにした死神のうちの一人であり、月島の能力の効果でそういう設定に変えられていただけらしい)
大戦後に、どこまでが浮竹の命令だったのか差し違える覚悟で問いただそうと思っていたものの、浮竹は神掛を行った直後で話せる状態ではなかったらしい。(第二章で判明)
この出来事の真相は銀城ですら知らなかったが、綱彌代時灘との最終決戦において、これらは綱彌代家の貴族たちが完現術者の体に含まれた「霊王の欠片」を回収するために起こした事件であり、逆上して死神を斬った銀城を時灘が「乱心した裏切り者」と嘘をついた上、映像庁のデータまでもいじって真実を偽装し、浮竹に伝えていたことが判明する。その偽装により銀城は後に浮竹の部下までも斬ってしまうこととなる。
時灘によれば、浮竹は最後まで銀城のことを信じていたという。
この真相を時灘から直接聞かされた銀城は「俺は自分が今までやってきたことを後悔はしちゃいねえが、最初に斬る死神はテメーにしとくべきだったぜ」と時灘に対して憤りを露わにした。(第二十三章で判明)
なお、時灘は最終的に卍解した銀城に月牙天衝をぶつけられ、それが致命傷になり自宅に逃亡。しかし自宅にはマユリと暗殺者の少女が待ち伏せしており、時灘は少女にナイフで何度も刺され死亡した。これにより銀城空吾の復讐は終わった。
戦いの後、「銀城が復讐のために自分を斬ったとしても、その罪を不問にして欲しい」と浮竹に頼まれていたことを京楽から聞かされると、過去に区切りをつけ新たな道を歩むために浮竹の墓参りをすることを決意する。(終章での出来事)
これらの一連の出来事は、銀城や時灘の発言から判明したことであり、当時の銀城の視点から過去編が描かれたわけではない。そのため
- この一連の流れが銀城視点だとどうなっていたのか(第二章で明かされた内容以外不明)
- 銀城はどのような経緯で死神代行になったのか
- 銀城は月島たちとどのように出会い、仲間になったのか
- リルカはなぜ銀城が一護によって救われたと思ったのか
- 銀城と浮竹との具体的な関係性がどのようなものだったのか
といった謎がまだいくつか残っており、それらについては作中では最後まで明言されることはなく、読者の想像力や考察に委ねられる結果となった。
余談
実のところ銀城は職業が全く分かっておらず、一護に高校を休ませて修行(本来は社会人や学生の殆どは出勤・登校をするような時間帯)はさせていた点から、彼をニートと推測している視聴者や読者も少なからずいる(ただし一護がうっかり破壊した建物を弁償するシーンもある)。
関連イラスト
関連タグ
サイクロプス:単行本でミスにより見開きの顔のアップ中央がなくなり、両目が単眼のようになってしまったことに由来する。
哀しき悪役:原作では過去が不明であったが小説で判明。その内容は壮絶かつ理不尽であった。