「僕は、陛下が最初に力をお与えになった滅却師」
「陛下の最高傑作」
「最も 神に近い男」
概要
霊子兵装の形は『ディアグラム』と名付けられたライフル型。左眼に『X』を眼帯のように丸で囲んでみえる傷痕が特徴的。
騎士団の中でも上位の実力者であり、見えざる帝国の皇帝・ユーハバッハの神赦親衛隊の隊長を務めている(他の2人が隊長が務まる性格ではないので、消去法で彼が隊長をしているらしい)。
ユーハバッハから授かった聖文字は「X」。
本人曰く『ユーハバッハに最初に力を与えられた星十字騎士団員』らしい。つまり最も長く戦い、生き抜いてきた団員という事になる。
人物像
自信過剰で傲岸不遜な性格をしており、上記のセリフのように『陛下の最高傑作』、『最も神に近い男』と自負している。
下記のセリフのように超上から目線の発言やセルフ縛りプレイを行っている程に自身の実力を絶対的に信じており、王悦戦などで予想外の事態が起きてもそれを認めようとはしない。
戦闘時での頭脳
劇中でのビッグマウスさと初戦では残念な面が多かったが、それ以降の戦い方では合理的な手段や対処をみせている。
滅却師側に有利な状況下だったことで疲弊していた死神たちを狙撃で始末して撃たれた仲間に駆け付けてるのを利用して着実に潰した。
ユーハバッハからの情報を事前に読んでおり、京楽春水戦では彼の斬魄刀の能力と複雑なルールを把握して影鬼も知っていたとはいえ、不意の一撃を躱してはカウンターで撃ち込んだりと京楽を追い詰め、伊勢七緒が刀身の無い「神剣・八鏡剣」を見て慢心を見せるも回避行動をとったことでダメージを抑え込んだ。
これには七緒も「自身が副隊長と刀身のない剣だから相手は油断する」と考えたので驚愕していた。
能力
「僕の力は全てを貫く」
「そこに“躱す”という概念の 介在する余地は無い」
- 聖文字 "X" 万物貫通【The X-axis/ジ・イクサクシス】
霊子兵装である巨大なライフル「ディアグラム」の射線上にある全てのものを等しく貫通する能力(当初は破壊力抜群の超高濃度の霊子の塊を連射しており、零番隊の曳舟桐生からもこれが能力だと思われていた)。また「ディアグラム」は、自身の霊子で構成される"弓"であり、破壊されてもすぐに再構築できる。
「万物貫通」の名が示す通り、どんな防御壁も斬魄刀も意味をなさず射程内にいる限り被害は免れない。
この能力は弾丸そのものを発射しているわけではなく「銃口の先の物体を等しく貫通する」という概念系に近い能力の為、視覚や聴覚で察知することはできず、引き鉄を引いた時点で攻撃が完了する。被弾までに一切のタイムラグが存在しないため、相手は銃口の射線上から逃れる以外にない。
アニメ版の零番隊との戦いで攻撃範囲は銃口から標的(ターゲット)と認識したものまでの間であり、標的より後ろにいるものには攻撃は当たらない事が補完された。
更に普段リジェは左眼を閉じているが、開いたときのみ自身の身体にもその能力を適用でき、本人曰く「これが万物貫通の真髄」とのこと。
この時はリジェの身体が全ての武器を貫通する=相手の攻撃がすり抜けるようになり、事実上無敵状態になれる。
これは戦闘で危機に陥った時に瞬発的にしか発動できないが、よくありがちな「チート能力故の規制」ではなく、ユーハバッハからの指示で本人曰く「開いたままの状態では罪人共(対戦相手)に不公平だから」。その為、最初から開眼状態で戦うことは理論上可能。
しかし、3回目以降は常に開眼状態で戦うことができる。
聖別による復活後に見せた完聖体は、原作では至ってステレオタイプな天使の翼を生やしていたが、アニメではその時点でノコギリ状の羽に穴が開いた幾何学的なデザインとなっている。カラーリングは濃い緑色。
詳細はリンク先を参照
名台詞
戦いに敗ける側はいつだって理解も遅けりゃ反応も遅いんだ
今までいたかい 僕らの前であっけなくなかった奴なんて
この力は“更なる力”ではなく先程出すヒマが無かった僕本来の力
一列に並んで来てくれるかな 一発で撃ち殺せるように
全ての生物は群れからはぐれたものから死んでいく 僕はただ待つだけだ 一人ずつ群れからはぐれていくのをね
どんな美しい統制を保ってきた群もたった1人の馬鹿の愚行で瓦解する そんな群を幾つも見てきた 君達死神はそうではないと思いたかったのだけれど
成程 チョコラテ・イングレスか
暗いのは確かだが絶望的というのは過言だな。なぜなら 神の使いは絶望しない
ア~ッ…眼が乾くなあ~ッ… 罪深きものを見続けると眼が乾くなあ~~~~(シュコォ シュコォ シュコォー)
ンン~……言ってる意味はまるで解らないけど……神と呼ばれるのは悪い気はしないね……
その剣で僕を斬るつもりか!? いいだろう、斬ってみろ!僕を斬れる剣なんてどこにも…
ハアア?…妙な剣だとは思ってたんだけど…よく見たら刃もついてないんだもんな…そんな剣で斬りかかってくるなんて危ないに決まってる
神の使いに二度目の油断は無い!!
…ン?…ああ、そうか 神の力を弾くと言っていたんだったな ふふ…神の力を弾くなどと全く…罪深いな
い いいいいいいいいいいいいいいいたいたいた痛みがひどい
……光輪(ハイリゲンシャイン)が無い。天から堕ちて光輪を失うなんて、まるで僕が罪深いかのようじゃないか
ゆるん ゆるるるるるるるるるるんっ(キュドドドドドドドドド) 許さないぞ京楽春水イ!!!!!
たとえ君が死んだとしても許さない!!! 光輪が消え 神の力を失ったとは言え……充分!!!
君が守ろうとしたこの尸魂界を…… 泥になるまで踏み躙るのに 神の力など無くとも 充分!!
ギイイイイイイッ!? 殺したなッ 殺した
何だ……何者だオマエ!?
本編での活躍
- VS 零番隊
親衛隊としてユーハバッハに召喚される。
隙をつき、修多羅千手丸の脳天を撃ち抜き彼女を殺害、霊王宮を守る零番隊の離宮を全て撃ち落とした。
しかし撃ち殺されたかと思われた千手丸は、本物が疑似空間と共に作り出した幻影だった。
更に曳舟が作り出した大木の檻に銃撃も通じず、二枚屋王悦に瞬時に懐へ入られ腕を切り落とされて敗北するという惨めな最期を遂げた。
しかしユーハバッハの聖別で他の親衛隊やハッシュヴァルト、石田と共に復活。
本人曰く「出すヒマが無かった」という本来の能力で、王悦の体に風穴をあけ、零番隊を一掃。
アニメ版では撃ち抜いた王悦が千手丸の治療によって即座に戦線復帰し、王悦との一騎打ちに。懐に入る王悦の戦法に左目の開眼を使用してしまい、苦戦するものの王悦が自身の能力を誤って解釈しており、その隙を突くことで再び勝利を収める。その後、王悦を含む零番隊3人の犠牲を以て発動した、千手丸の卍解【娑闥迦羅骸刺絡辻】の結界の中に封印されるも、石田雨竜が千手丸を斃したことで結界から解放される。
- VS 京楽春水
ユーハバッハが真世界城を建立させた後、他の親衛隊同様散開して死神たちの迎撃に向かい、檜佐木修兵や虎徹勇音等を狙撃し着実に戦力を削いでいくが、京楽が妨害に現れたため交戦。
彼の花天狂骨の能力に翻弄されつつも、万物貫通の真髄である「自身の身体は透過する事で相手の斬撃等はすり抜ける無敵状態」を使い、彼の攻撃を無効化する。
三度目の開眼で完聖体を発動させ、絶対防御と圧倒的な攻撃で京楽を追い込む。
しかし、京楽の卍解【花天狂骨枯松心中】で形勢は逆転され、「神の裁き」の絶対防御も通じず、抗う事も逃げる事も出来ずに最期は怒りのままに京楽に向かっていくも首を断ち切られて水底に沈んだ。
かに見えたが……
「言った筈だ……」
「言った筈だァ……ッ」
「高が死神の卍解如きで」
「神の使いが殺せると思うなアアアア!!!!」
死の淵から異形の姿で復活を遂げ、京楽の胸を撃ち抜いて深傷を負わせる。
- VS 伊勢七緒&京楽春水(アシスト)
影鬼で隠れる2人を炙り出すべく光を放ち、あたり一帯の影を消失させる。
しかし、七緒はその間にお狂(京楽の斬魄刀の本体)が隠し持っていた【神剣・八鏡剣】を受け取っていた。
何をしても無駄と舐め切った態度をとるが、八鏡剣は「神の力」を反射する能力をもった斬魄刀であり、彼にダメージを与えうる存在であった。
咄嗟に防御が間に合ったために片腕を失う被害に収まり、七緒はリジェの力を跳ね返した際に飛び散った光で脚を負傷。そこに彼女を支えるべく現れた京楽。
京楽が出てきたので2人を消し飛ばさんと【神の喇叭】(トロンペーテ)を発動。
だが彼女が言っていた「神の力を跳ね返す神剣」の事を京楽に対する怒りで失念し、それも跳ね返された結果体の半分近くが消し飛んでしまい、残った部分もバラバラに崩壊し瀞霊廷に落下していった。
…これでようやく死亡したと思いきや、四散したエネルギーは無数のフラミンゴのような姿に分裂・再生。そのまま怒りを露わに周囲を壊滅させようとするも………
???「ギイギイとよく鳴く鳥だね…酷く耳障りだ」
???「孔に響くよ」
このシーンを最後にフェードアウトした。
後日談の小説に登場しなかったことから、恐らくそのまま殲滅され敗死、もしくは瀞霊廷での戦闘中にユーハバッハに聖別され死亡したかのどちらかの末路を辿ったと思われる。
余談
- 本誌掲載時は万物が石物と誤植されており、またユーハバッハから最後に力を与えられた滅却師とされていた。
- 本作に登場する本匠千鶴の担当声優はリジェを演じる日野氏の妻である。
- 劇中で彼が発したチョコラテ・イングレスとはスペインにおける「だるまさんがころんだ」。鬼が掛け声の際に使われている。そのためリジェの出身地はスペインもしくはその近郊という説がある。
- 花天狂骨の能力により「だるまさんがころんだ」に参加させられた際には、京楽にルールを訊き丁寧な解説をしてもらっていたが、リジェは似たような遊びがあったと思い出して上記の台詞ですんなりと納得しており、京楽も「わざわざ説明したのにソンした」とコミカルな表情で落胆していた。
- 上記のシーンは、戦闘中なのに遊びの解説をするという脱力感、チョコラテ・イングレスという言葉の語感もあいまって検索窓にも出てくる知名度を持っている。
- アニメにおける豹変時の声は日野氏の声を重ねているが高音加工はしていないと音響制作会社が明かしている。
- それに伴い、日野氏には人と鳥どっちが本来のリジェなのか情報(ダーテン)を確認した上で収録したとの事。
正体についての考察
劇中で異常とも呼べるほどの強さと異形ぶりを見せつけたリジェだが、彼の正体については人間の滅却師でなく、本来は鳥型の虚であり、ユーハバッハに聖文字を与えられて人型になったのではないかと考察するファンもいる。
主な根拠は以下の通り。
- リジェの完聖体や「万物貫通」の能力に虚との関連性が見られる
完聖体に変異すると翼や身体に「孔」が空いたような姿になる。完聖体の中で「孔」がここまで多く、目立つデザインはリジェの他には見受けられない。
また、聖文字である万物貫通は文字通りすべてを貫く能力、言い換えれば万物に「孔」を開ける能力であるといえる(実際能力を食らった相手の身体には、ほぼ例外なく虚の孔のようにきれいな風穴が開く)。
また、この説からさらに発展し翼や身体に数多の孔が開いていることから「ユーハバッハに力を与えられた鳥の虚の群れが共食いを繰り返して大虚になり、そこからさらに進化を繰り返して最上級大虚になったのでは」と考えるファンもいる。
アニメでは京楽の卍解で首を撥ねられてから復活した際、濃緑色だった羽や光輪の色が黄金色に変化し、声も虚化一護のような甲高い声に変わっていた為、首を撥ねられた時点で「リジェ・バロ」という個は死亡し、内なる虚(もしくは別人格か)が剥き出しになった結果あの姿になった、という説も浮上しつつある。
- リジェの名前や言動から、スペイン語圏(=虚や破面など、虚圏に属するキャラが使用する言語)のニュアンスが見て取れる
リジェのフルネームのスペルは「Lille Barro」と書くが、「ll」とLを2つつなげた文字を「ジェ(あるいはジャ)」と発音するのはスペイン語に見られる特徴(ドイツ語圏であれば「リーリェ」などの発音になると思われる)。
また上述した通りチョコラテ・イングレスはスペイン語圏における「だるまさんがころんだ」であり、本来の滅却師の言語であるドイツ語圏では違った呼称になる(ドイツ語圏であればオクス・アム・ベアク(Ochs am Berg、「山の羊」の意)と呼ぶのが一般的)
- 光輪(ハイリゲンシャイン)を破壊されると鳥の姿になる
一護に光輪を破壊されたキルゲの例を見ての通り、普通の滅却師であれば光輪を破壊されても聖隷の行使に支障をきたすのみで姿が異形になるということはありえない。にもかかわらず光輪を破壊されて異形の姿になったということは、これがリジェの「本来の姿」ではないかという説。
また、破壊されて分裂した怪鳥の姿にも「孔」の意匠が一瞬だが見て取れる。
もし本当に彼が虚だとすると「滅却師の天敵である虚に最初に聖文字を与えた」ということになるが、見えざる帝国では破面を滅却師にするケースも見受けられたため、そこはさほど大きな問題ではないのだろう。
あるいはユーハバッハ自身最初は自らの力について図りかねていたため、滅却師の敵である虚を聖文字付与の実験に使ったのでは、と考えるファンもいる。
しかし今のところ彼のバックボーンに対して確たる情報は(原作、アニメ共に)未だ開示されていない。
これからのメディア展開で彼の正体について回答が出されるのを待とう。