この記事はネタバレ情報を含みます。原作やアニメ未視聴の方は注意してください。
「万事の 次の一手と いきますか」
概要
存在とその効果が味方をも巻き込みかねないものであることは破面篇のコヨーテ・スターク戦で語られていたが、劇中では長らく披露することがなく、最終章・千年血戦篇のリジェ・バロ戦で漸く披露された。
能力としては、始解時から刀自体の形状に変化はなく、後述するように鬼道系斬魄刀特有の刀剣ではなく能力が強化されるタイプ。
能力
発動すると京楽の足元に無数の松の木のような模様が現れ、花天狂骨が実体化する。実体化した花天狂骨は敵には見えない(ちなみにこの卍解と似たような特徴を持つ卍解が他にも存在する)。
その後花天狂骨の霊圧領域に入った者には領域内全体が薄暗く感じるようになり、霊圧領域から外れていたものでもその霊圧の強さから寒気と薄暗さを感じている。
霊圧領域に入った者は全員能力にかかってしまうため、スターク戦では「人目につく場所で使うもんじゃない」と浮竹から卍解の使用を止められている(尤も、この時は京楽本人も卍解を使うつもりはなかったようだが)。
能力を一言で言うと劇の筋書き通りに敵を殺す能力。
始解時には子供の遊びを現実化する能力であったが、卍解時には大人の遊びに効果が変異しているのが特徴。
能力は全部で4段階あり、演劇のように展開していく。
まず自分(京楽)を女性に見立て、相手を男性と見立てる。
能力(劇)のあらすじは、
「男と女は愛しあっていたが、男(相手)は女(京楽)に傷を負わせてしまい(本当に傷をつけたわけではない、恐らく心の傷を負わせたという意味だと思われる)」
「その責の念から、男も病気にかかってしまう。」
「その末に、二人は入水心中を選ぶが、男が怖じ気づいたため」
「女はその男の喉を切ってしまう。」
これが現実にも反映される。詳細は以下の通り。
- 一段目・躊躇疵分合(いちだんめ ためらいきずの わかちあい)
相手が京楽に負わせた傷を、その相手にも負わせる。その傷では絶対に死ねない(相手に心の傷を負わせた自責で自分も心の傷を負ったという表現ゆえか。心の傷を体の傷に見立てて表現しているのだと思われる)。
- 二段目・慚傀の褥(にだんめ ざんきのしとね)
傷を負わせたことで「しまった、術中にハマった」と後悔した相手に黒い斑点のような模様が身体中に現れ、ダメージを負わせる。まるで病を患ったかのように。
- 三段目・断魚淵(さんだんめ だんぎょのふち)
相手と自分の霊圧がなくなるまで、水中に浸り続ける。水面には戻れず、ただ沈みゆく。
強制的に沈む(水面のほうがもっと速く逃げていく)ため、広範囲技でありがちな「範囲外まで逃げる、使用者から逃げる」が通じない。そして敵の範囲外まで逃げようとする行動(相手がこの術に怖じ気づいている)が皮肉にも物語通りになっている。
- 〆の段・糸切鋏血染喉(しめのだん いときりばさみ ちぞめののどぶえ)
京楽の指から出た霊圧の塊である糸のようなもので相手の喉を切り裂く。逃れる術はない。
ここまでの技を五七五の詠唱を唱えながら次々と発動する三重詠唱である。因みに技名も、卍解名も、京楽の一部の台詞も五七五になっている。
呪いに近い性質なのか、あらゆる攻撃を貫通して無効化する完聖体のリジェに通じた。
花天狂骨枯松心中「幕風」
卍解「花天狂骨枯松心中(かてんきょうこつ からまつしんじゅう)」
(空が暗くなり、気温が下がる(寒気))
今のキミに世界はどう見えてる?
暗くて、淋しくて、絶望的に見えてるかい?
「一段目 躊躇疵分合(いちだんめ ためらいきずの わかちあい)」
「相手の体についた疵は分け合う様に自分の体にも浮かび上がる。そして残念な事にその疵では決して死ぬ事はできない」
「花天狂骨枯松心中(かてんきょうこつ からまつしんじゅう)」
「幕の合間の 語りはこれまで 幕の最中は 黙(だんまり)で」
(身体中に黒い斑点が無数に浮かびあがる。鼻血や血涙などがでる)
「さて 二段目 慚傀の褥(にだんめ ざんぎのしとね)」
「相手に疵を 負わせた事を 悔いた男は 慚傀の念から 床に伏し 癒えぬ病に 罹ってしまう」
(周りが水に包まれる)
「あれよあれよと 三段目 断魚淵(さんだんめ だんぎょのふち)」
「覚悟を決めた ものたちは 互いの霊圧の 尽きるまで 湧き出る水に 身を投げる。」
(敵は水中から抜け出そうと羽搏くが、幾ら羽搏いても水面が遠退いていく)
「当たり前じゃないの ボクら身投げ したんだよ 幾ら羽搏いたって 後の祭りさ だけどまあ 気持ちは 解らんでもないよ」
「冷えた水面に 身を投げりゃ 覚悟の凍てつく事もある だけどそいつは あんたの我が儘 浅ましいにも 程がある 誓った男の 浅ましさ 捨てて逝かぬは 女の情」
(2刀を封印時の刀に戻し、鞘に収める)
「女の情は 如何にも無惨 あたける男に 貸す耳も無し いとし喉元 光るのは 未練に濡れる 糸白し せめてこの手で 斬って捨てよう 無様に絡む 未練の糸を」
「此にて大詰 〆の段 糸切鋏血染喉(しめのだん いときりばさみ ちぞめののどぶえ)」
(京楽の指先から伸び、そしてリジェの体にまとわりつく糸のようなものを剣を振るように手を横に振った)
余談
2015年10月19日発売の「週刊少年ジャンプ」本誌掲載時には、『花天狂骨黒松心中』という名前だったが、単行本収録時に改名され現在の枯松心中に変更された。
関連タグ
???:零番隊の一人が原作では描かれず、アニメで披露した卍解。
こちらも京楽の卍解と同様に領域系の必中効果があり、ある意味上位版ともいえる。