概要
滅却師の中でも、星十字騎士団に所属する幹部格「聖章騎士(ヴェルトリッヒ)」が使用する固有能力。
死神で言うところの「始解」にあたるが、解号はなく、聖文字の能力名を宣言する必要もない。
聖章騎士の滅却師は、AからZまでのアルファベットのいずれかを「見えざる帝国」の皇帝であるユーハバッハから与えられており、そこから対応する(その文字が頭文字になるような)能力を自身の固有能力としている。
例として"H"の文字を与えられているバズビーは、炎を操る「灼熱("H"eat)」の能力を使用する。
ただし、ペルニダとジェラルドの2名は、元々持っていた固有能力にユーハバッハが聖文字として便宜上の名前を与えたというパターンである。これには2人の出自が関係している。
また、この文字は同時に聖章騎士内での序列も表しているような描写がある。ユーハバッハ自身は"A"の聖文字であり、後継者に指名した石田雨竜には同じ"A"を、騎士団の最高位(グランドマスター)であるハッシュヴァルトには"B"の聖文字を与えている。しかし、下の血杯の項目にも記述しているが、聖文字はそれぞれが元来持つ潜在能力をユーハバッハの魂によって開花したものなのでユーハバッハの台詞の真意は不明。
さらに、この能力の強化形態として、滅却師完聖体が存在する。
一覧
能力名 | 英語表記 | 内容 | 所持者 | |
---|---|---|---|---|
A | 全知全能 | the Almighty | 未来を見通し自由に改変できる | ユーハバッハ |
A | 完全反立 | Antithesis | 二点間の"既に起きた現象"を逆転させる | 石田雨竜 |
B | 世界調和 | the Balance | 運を操り、幸運を振り分ける | ユーグラム・ハッシュヴァルト |
C | 強制執行 | the Compulsory | 相手に神経を打ち込み操る | ペルニダ・パルンカジャス |
D | 致死量 | the Deathdealing | 物質の持つ致死量を操ることで自由に毒を作り出す | アスキン・ナックルヴァール |
E | 爆撃 | the Explode | 当たった物を爆弾に変える弾を撃つ | バンビエッタ・バスターバイン |
F | 恐怖 | the Fear | 相手の恐怖を引き出す棘を打つ | エス・ノト |
G | 食いしんぼう | the Glutton | あらゆるものを食いつくす | リルトット・ランパード |
H | 灼熱 | the Heat | 炎を操る | バズビー |
I | 鋼鉄 | the Iron | 自分の身体を硬化させる | 蒼都 |
J | 監獄 | the Jail | (滅却師以外には)脱出不可能な檻を作り出す | キルゲ・オピー |
K | (不明) | - | - | BG9 |
L | 愛 | the Love | 対象を操ることができる | ペペ・ワキャブラーダ |
M | 奇跡 | the Miracle | ダメージを負ったものを神の尺度に交換できる | ジェラルド・ヴァルキリー |
N | (不明) | - | - | ロバート・アキュトロン |
O | 大量虐殺 | the Overkill | 敵を殺せば殺すほど強くなる | ドリスコール・ベルチ |
P | 力 | the Power | 筋力が増す | ミニーニャ・マカロン |
Q | 異議 | the Question | 名指しで異議を唱えた対象に、異議に答える義務が生じる | ベレニケ・ガブリエリ |
R | 咆哮 | the Roar | 大声で敵を吹き飛ばす | ジェローム・ギズバット |
S | 英雄 | the Superstar | ファンの声に応え、どんな敵にも屈さないスーパースターとなる(理想とするスーパースターを具現化する) | マスク・ド・マスキュリン(ジェイムズ) |
T | 雷霆 | the Thunderbolt | 空や掌から雷撃を発生させる | キャンディス・キャットニップ |
U | 無防備 | the Underbelly | 相手の霊圧を解析して防御力を低下させる | ナナナ・ナジャークープ |
V | 夢想家 | the Visionary | 自分の想像したことを実現させる | グレミィ・トゥミュー |
V | 消失点 | Vanishing point | 敵の前から消える | グエナエル・リー |
W | 紆余曲折 | the Wind | 自身が本能で見つけた敵の攻撃を自身から逸らす | ニャンゾル・ワイゾル |
X | 万物貫通 | the X-axis | 射線上にあるもの全てを等しく貫通する | リジェ・バロ |
Y | 貴方自身 | the Yourself | LとRの兄弟が存在し、相手の姿かたちに加えて、Lは技術と力の全てを、Rは記憶と精神の全てを、それぞれまねる | ロイド・ロイド |
Z | 死者 | the Zombie | 自身の血液を被ったものゾンビにすることができる | ジゼル・ジュエル |
仮の聖文字
血杯
周囲の霊子を操ることで作りだす弓矢・神聖滅矢(ハインリッヒプファイル)や、血管に霊力を流すことで攻撃力と防御力を底上げする血装(ブルート)とは違い、滅却師が元々から所持する能力ではなく、ユーハバッハによって与えられる能力である。
そもそもとして、ユーハバッハには自身の身体に触れた者に魂の欠片を与える力を持っていた。その応用・発展として、彼自身の肉体の一部(作中では血液を使用)を相手に取り込ませることで、相手の魂に能力を冠した文字を直接刻みつける事によってより深く強く力を持った魂を分け与える事ができるようになった。
また、公式Q&Aによって、聖文字について判明した情報がある。今まで読者の多くは聖文字はユーハバッハに与えられた文字から連想される、その者の特性に合った能力が開花すると考えていたが違った。
ユーハバッハの眼には、魂魄に単語が刻印されているように視えるという。つまり、それぞれが潜在的に持っていた力がユーハバッハの魂によって開花する。聖文字自体に意思があるのかは不明だが、死神と斬魄刀の関係と似ている。