概要
アルファベットの最後の文字であることから、フィクション・商品名などで「究極」の意味を込めて好まれる。しかし、2022年のロシア連邦の暴挙により、(ハーケンクロイツほどではないが)一転して忌避されるようになってしまった。
読み方について
「ゼット」は英国式の読みで、米国式は「ズィー」であり「ジー」とやや区別しにくい。
なお、ガンダムファンはほとんどの場合「ゼータ」と読む。こちらは正確にはギリシャ文字の「Ζ」である。→Ζガンダム
Zに関わるいろいろ
「ゼット」も参照。
- Z旗:国際信号旗の一つ。単独では本来「私は引き船が欲しい」、「私は投網中である」との意味しか有しないが、日本海軍では決戦の意味で使われた。
- Z世代:2020年代の若者を示す言葉。
- ウクライナ侵攻におけるロシア連邦軍の識別符号。また、ロシア当局によるプロパガンダやロシア支持者による意思表示にも使われる。後記「Z(ロシア連邦軍)」を参照。
商品・企業・サービス名
- 日産・フェアレディZ。上記旗が由来の一つ。
- 日産ディーゼルの3代目コンドル(ファインコンドル)のショートキャブ仕様車『コンドルZ』。当時放送されたTVCMはあまりにもお色気が強すぎたためか早々に打ち切りとなったとか。
- ホンダの軽自動車。初代(SA型 1970~1974)はクーペ。2代目(PA1型 1998~2002)はSUV。
- スイスの保険大手「チューリッヒ」のロゴ。ロシア軍を想起させるとして利用を差し控えるという報道があったが、その後も「Z」ロゴを使い続けている。
- アサヒビールより90年代に発売された生ビール『Z』。ビートたけしや森高千里がCMに登場していた。
- カワサキのネイキッドバイクの車名及び形式名。50年近くの長きにわたる歴史があり、古くは「900Super4」及び「750RS」の形式名である『Z1』『Z2』からZ400FXやZ400GP、ゼファーなどの多数の車種を経て、現在はストリートファイター及びネイキッドの『Z』シリーズに受け継がれている。
- ロート製薬の目薬『Z!』(ジー)。1987年の発売だが、2010年までは「Zi:」として発売されていた(「i」をひっくり返して感嘆符の「!」にしている)。
- 集英社の子会社ホーム社の電子コミックサイト『Z』。
Zにまつわる創作
- 『カードファイト!!ヴァンガードGZ』はカードファイト!!ヴァンガードGシリーズの最終作。
- OVA『天地無用! 魎皇鬼』第3期の第6話のタイトル。
- 『マジンガーZ』。ゼェェェェーット!
- 『ウルトラマンZ』。平和をもたらす最後の使者となれという思いをこめ、ウルトラマンエースにより命名された。
- 『ドラゴンボールZ』は元々ドラゴンボールアニメ版の最終作になる予定であったため、Zがつけられた。
- 『Zーツェットー』。青池保子の代表作『エロイカより愛をこめて』のスピンオフ。エーベルバッハ少佐の26名のアルファベットのコードネームを持つ部下の最末尾・新人スパイであるZの奮闘を描く。(ツェットはZのドイツ読み)
Zにまつわるキャラクター名
- 少年漫画『ONEPIECE』の劇場版第12作『ONEPIECE FILM Z』に登場する敵(ゼット(ONEPIECE))
- 『怪傑ゾロ』は「Z」の文字をトレードマークとして使っている。
- ロックマンXのキャラクター・ゼロの頭文字。ゲーム内にあちこち見かける。
- 特撮番組『ウルトラマン』を始めとするウルトラシリーズに登場する怪獣「宇宙恐竜ゼットン」の名の由来。アルファベット最後の文字の「ゼット」と五十音最後の文字の「ん」をあわせ、最後の怪獣という意味である。
Z(ロシア連邦軍)
ウクライナ侵攻においてロシア連邦軍が敵味方識別用に使っている符号。ウクライナに侵入したロシア軍の装甲戦闘車両などに白く「Z」と大書しているのが見かけられる。他に「V」「O」などの符号を使っている。
ロシア語はキリル文字を用いる言語であるにもかかわらず、何故ラテン文字を採用したのかはよく分からない。上述の「Z旗」との関係も不明である。
キリル文字には「Z」に当たる「з」という文字がある。戦意高揚を図るロシア当局のプロパガンダでもスローガン中の「з」を「Z」に置き換える表記がしばしば見られ、「Z」はロシア連邦による侵略戦争並びにウラジーミル・プーチン支持者のシンボルとなっている。