概要
この手の車種はスポーツカーやスペシャリティカーと言われる、1〜2人乗りを前提としたドライバーズカーがほとんどである。
いざという時のための小さな後部座席がついて一応は4人乗れなくはないものも多いが、この場合は"4シーター"ではなく"2+2シーター"と表現する。
2ドア/3ドアとも呼ばれるが、3ドアの場合はクーペではなくハッチバックと呼ばれることのほうが多い。
一般的には高い運動性能と引き換えに燃費が悪いイメージがあるが、雰囲気やゆったりとした走りを愉しむことに主眼を置いたスペシャリティカーであれば、種車となったセダンと変わらない。もちろんスポーツカーを謳う車種であれば、高性能・悪燃費でハイオク仕様が基本となる。
部品点数の少なさのお陰で低コストでありながら、簡単にボディ剛性を確保できる上、スポーティなデザインも簡単に得られるなどのメリットがあり、昔は多くの4ドアセダンにクーペの派生モデルが設定されていた。
しかし技術の進歩により4枚ドアでもボディ剛性や流麗なデザインが確保しやすくなったこと、実用性重視の風潮により2枚ドアの実用性の低さが敬遠されるようになったことから大幅に減少し、2ドアと4ドアを作り分けるコストが重くなってしまったことから、大衆車に設定されることはめっきり減ってしまった。
現在では趣味性の高いスポーツカーや高級車を除くとほぼ壊滅状態であるが、わざわざ後部座席のドアを隠すようなデザインや、後部座席の居住性を捨ててクーペに寄せたデザインの5ドアSUVは「クーペSUV」と呼ばれもてはやされており、背の低い4ドアセダンも「4ドアクーペ」と呼称されるなど、「クーペは美しい」という感性自体は今も生き残っていると言える。