燃料を消費する乗り物が、どれだけの燃料で移動できるかという値。同じ乗り物でも周囲の条件で大きく変化する。
燃料を使わない電車や電気自動車の距離あたり電気使用量を算出するときは電費と表記する。
乗用車の燃費
日本では1Lあたり○km走れる(○km/L)、という表記の仕方が一般的。他の国では100km走るのに○Lの燃料を消費する、英米では1ガロン(約4.55L)あたり○マイル(=約1.6km)、というように表記の仕方が大きく異なる。
2000年代、プリウスの登場と原油高騰もあり燃費競争が激化。自動車メーカーが国土交通省の検査によって計測した燃費は、実際の走行環境での燃費と大きな乖離があり、度々問題視された。国際連合欧州経済委員会の主導で国際標準の燃費表示方式の策定が進められ、WLTCモードとしてまとめられた。一部車種は先行して2017年中頃から表示を開始し、新型車は2018年10月1日から表示義務化された。
2020年現在最もWLTCモード燃費に優れている市販車はトヨタ・ヤリスハイブリッドである(36.0km/ℓ、WLTCモード総合)。新車として販売された各車の燃費と販売台数を乗じて平均する企業内平均燃費(CAFE)規制が各国で導入されており、これに違反すると罰金が課せられてしまうため、各社とも低燃費車の導入と拡販が急務となっている。
運転の仕方で燃費を良くするには
- 車を軽くする
- カーエアコンの使用を控える
- エコタイヤなど、転がり抵抗の低いタイヤにする。タイヤの内圧は規定値に維持するか、やや高めに設定する
- 急発進・急加速を控える
- 巡航時はなるべくアクセルを一定の開度に保つ(ポンピングロスをへらすため)
- 止まることがわかっている場合、なるべく早めにアクセルを抜く。
などの方法がある。
加えて、マニュアルトランスミッション搭載車の場合は、早めのシフトチェンジを心がける、エンジンブレーキを積極的に使うなどで燃費を向上させられる。
乗用車以外の乗り物の燃費
・ 二輪車 ホンダ・スーパーカブ50:110km/ℓ(ガソリン、30km/h定地走行)
・鉄道車両 GV-E400系:1.4km/ℓ(軽油・エレクトリックディーゼル)
・船 14トン級漁船:540m/ℓ(重油、14ノット巡航時)
・ジェット戦闘機 F-15J:450m/ℓ(ジェット燃料、巡航時)
・旅客機 ボーイング777-300ER:81m/ℓ(ジェット燃料)