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ディーゼルエンジン

でぃーぜるえんじん

圧縮着火エンジンの一種。扱いやすさと燃費効率の良さから、船舶・自動車から据置の産業用まで広く用いられる。
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概要

ドイツの機械技術者『ルドルフ・クリスチアン・カール・ディーゼル』(ドイツ語: Rudolf Christian Karl Diesel、1858-1913)は熱効率の高い合理的熱機関を研究、独自の独自設計の圧縮着火式内燃機関を開発した。当初は「オイル・エンジン」と呼ばれていたが、後に彼に因んで「ディーゼルエンジン」と呼ばれるようになった。

ディーゼル機関の大きな区分

ディーゼル機関には、大型舶や内燃力発電所用の巨大な物と、鉄道車両や小型船舶、自動車に積まれている比較的小さいものとでは理論サイクルが異なり、定格時の機関回転数も異なるため、低速ディーゼル機関と高速ディーゼル機関とに分けられている。大まかな違いは下表のとおり。

項目\機関低速ディーゼル機関高速ディーゼル機関
理論サイクルディーゼルサイクルサバテサイクル
定格回転数数百r/min数千r/min
よく使われる燃料重油軽油
熱効率50%以上30%前後

ちなみに、身近に見かけるディーゼル機関は、その用途から大抵のものは高速ディーゼル機関となる。

ディーゼル機関と過給機

ディーゼル機関はその構造上高い圧縮比で動作するため、熱効率がよい。また、点火するまで燃料を噴射しないので過給機で過給しても圧縮中に点火してしまうこともない。よって過給により更に圧縮比を上げられそれに伴い熱効率も上げられる。そのため、現代のディーゼルエンジンは高速・低速の別を問わず大抵ターボチャージャー付きである

大型の低速ディーゼル機関では、ターボチャージャーに加えエンジンの排気を動力に利用するターボコンパウンドも採用しさらに効率を上げている。

ディーゼルエンジンとバイオ燃料

発明者のディーゼルは元々、彼の住む地域の名産物であるピーナッツの油を燃料とするエンジンを開発していた。そして現在のディーゼルエンジンも、ピーナッツ油で動かすことは理論上可能である。

化石燃料由来のガソリンしか燃やせないガソリンエンジンと異なり、ディーゼル(車種にもよるが)は軽油だけでなく、植物や廃油由来のバイオ燃料も用いることが可能なのである。

化石燃料を燃やすということは、地中に埋まっていた炭素二酸化炭素(CO2)として地上に放出することであるため、地上のCO2量は増加していく一方であるが、植物は元々地上でCO2を取り込みながら育つ存在であり、つまり長期的にはCO2は増加しないことになる(=カーボンニュートラル)。
※注):但し、植物油は種類にもよるが長期保存や熱によって変質しやすく、また含まれる不純物が長期的にはエンジンや補機に悪影響を及ぼすため、自動車用燃料として用いる場合は軽油と同等に使用できない。現在でも100%植物油の燃料の実績もあるが一般的には加工されたうえで軽油と混ぜて使用される。

乗用車用ディーゼルエンジン

車両用ディーゼルは高速道路の定速走行など負荷が一定の状態ならガソリンより3割ほど効率が良い。しかし常用回転域が狭いことから市街地走行のような負荷変動と加減速を含む走行パターンでは一気にガソリンとの差がなくなる。このため、配送用の小型トラックではディーゼルハイブリッド車が設定されている。

現在のディーゼル車の排気量は最低でも1.5リットルであるが、過去には1.0リットル未満のディーゼルエンジン搭載モデルもあった。360cc時代の軽自動車では、ヤンマーが360㏄V型2気筒ディーゼルエンジンを搭載した軽トラ「ヤンマー・ポニー」を1960年代に出していたことがある。

ディーゼルエンジン車の特徴

ディーゼルエンジンは乗用車に限定して話すのであれば、低速トルクが尋常でなく太い。クリーンディーゼル車の場合、マツダ以外の日本車では主にSUVミニバンに採用されることが多いことからもその特性が伺える。

ex.アクセラの場合の最大出力と燃費
SPORT 15S(1.5Lガソリン) 111ps/6000rpm 14.7kgm/3500rpm 20.6km/L
SPORT 15XD(1.5Lディーゼル) 105ps/4500rpm 27.5kgm/1600~2500rpm 21.6km/L

参考までにこのトルクの数値、ガソリンエンジンであれば高級車に積まれる2.5L~3Lクラスの自然吸気エンジンに匹敵する。それでガソリン以上に低燃費なのだから末恐ろしい限りである。
※データは2017年9月、グーネット中古車より。全車AT車、燃費はJC08モード。

ディーゼルエンジンとモータースポーツ

パワーも燃費もガソリン車より良いならモータースポーツじゃ無敵だな!と思われるだろうか?確かに00年代にはアウディプジョーはディーゼル搭載車でル・マン24時間レースを何度も制した実績があるし、WTCC(世界ツーリングカー選手権)でもディーゼルのセアトがチャンピオンになったことがある。
しかし弱点もある。低回転型であるため最大馬力で劣り、トップスピードが伸びないのである。馬力を高めるには排気量を大きくする必要があるが、元々重いディーゼルエンジンをさらに重くすればシャシーバランスを簡単に崩壊させるだろう。またガソリンとはパワー制御の仕方もことなるため、チューニングには特殊なノウハウが必要となる。
また前述の実績は、ディーゼル車優位な規則のバランスという面も否定できない。
そのためサーキットでの参戦例は実は数えるほどしかない。

一方でダカールラリーのようなオフロードレースは最高速よりトルクが重要であり、車体も大柄でエンジンの重さが不利にならないため、ディーゼルエンジンでの参戦は車からトラックまでごく一般的である。

排ガス問題

  • 燃費が良い
  • CO2排出量が少ない
  • カーボンニュートラルを実現しやすい
  • 燃料は自由が効く
  • なのにガソリンエンジンよりパワフル!


・・・ここでまで書くとディーゼルはガソリンなどメではない、理想的なエンジンにしか思えないであろう。事実その考えの下で、ディーゼルエンジンは欧州を中心に全力で推進されていた。にもかかわらずディーゼルエンジンは乗用車の主流にはなれなかった。
それはなぜか。

最大の理由は、排気ガスが汚いからである。
ここで言う「汚い」とはCO2ではなく、NOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質:つまり黒煙)といった有害物質のことである。
ガソリンエンジンの排ガスは三元触媒でクリアできたが、ディーゼルの場合NOxとPMは片方を減らそうとすれば、もう片方が増加してしまうので、両方の排出削減を実現するのは極めて難しい。

上述の通りディーゼルを推進した欧州では大気汚染が社会問題となったため、排ガス規制を急速に厳しくすることとなったが、その代償は自動車メーカーが被ることとなった。
2016年にはフォルクスワーゲン・グループが、検査を不正に潜り抜けるソフトウェアを用いていたことが発覚(俗に言う"ディーゼルゲート")。以降、欧州車メーカーはディーゼルによるエコを諦め、急激なEVシフトへと舵を切って行くこととなった。

現状では発生したPMはディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)でキャッチし、NOxは尿素SCRシステムで排出量を低減している場合が多い。

DPF

DPFは、先に述べたとおりフィルターの一種である。
そのまま使い続けるとフィルターが目詰まりを起こして機能が低下するため、セルフクリーニング(いわゆる再生)が必須である。ディーゼルエンジンから排出されるPMは基本的に可燃性の化合物であるため、フィルターへの堆積量が増えると、フィルターそのものを高温に熱して溜まった有害物質を燃焼させて害の少ない(あるいは無害な)ガスとして排出する。

しかしながら、フィルターをある程度高温にしなければならないため、運転時間が短くフィルターが温まりづらい日本の都市部のような短距離走行が多い環境では詰まりなどのトラブルが目立つのも事実である。
またDPF再生を行っている間は燃料を噴射するため、燃費とドライバビリティが悪化するというデメリットも見逃せない。

専門業者に依頼すればDPFを車両から外して内部の詰まりを除去することが出来るが、当然それには費用がかかることになる。

尿素SCRシステム

NOxの削減は積年の課題であったが、日産ディーゼル(現UDトラックス)が実用化した自動車向け尿素SCRシステム(据え置き用の大型のものは1970年代にIHIにより実用化されていた)によって削減することが可能になった。
尿素SCRシステムは後処理装置の一種で、「AdBlue」と呼ばれる専用の尿素水を排気管内に噴射し、NOxを化学反応によって窒素ガスと水蒸気に分解するものである。
現在ではトラック、バスなど大型ディーゼル車の必須装備となっており、乗用車向けにもドイツ車を中心に採用が進んでいる。

マツダ車を除く多くのディーゼル車は給油に加え、この尿素の補充が必要となる。

関連タグ

軽油 エンジン ディーゼル

外部リンク

ディーゼルエンジン - Wikipedia

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