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概要編集

エンジンの出力を高めるために取り付けられる過給機スーパーチャージャー)の一種。略してターボという呼び方が一般的。

なお過給器の無いエンジンは「自然吸気」「NA(Natural Aspiration)」「ノンターボ」などと呼んで区別される。


その独特の形状はかたつむりに喩えられる。2013年公開のディズニー映画『ターボ』で、主人公がかたつむりなのもそれが理由と考えられる。


ターボチャージャーはエンジン1つに対して2基以上装着する場合もある。詳細はツインターボを参照。


なぜターボでパワーアップできるのか編集

あなたは「エンジンをパワーアップしろ」と命令されたら、どうやってこれを実現するだろうか?


まず「ガソリンをたくさん燃やせるようにすればいいんじゃないか?」と思いつくかもしれない。これは半分だけ正解である。発想自体は間違っていない。

しかし問題は手法である。なぜなら、むやみにガソリンの量だけ増やすと、むしろパワーはダウンしてしまうからだ。



上の動画は米国のTV番組「ナショナルジオグラフィック」の実験である。ガソリンが満タンのタンクに着火しても煙一つ立たないが、半分だけ入ったタンクは小爆発、そして空に近いタンクは大爆発を起こすという、我々の直感とは真逆の結果になっている。


これはガソリンは大量の空気とよく混ざらないと爆発しにくいという性質があるためである。どれくらい混ぜればいいかというと、「ガソリン1に対して空気14.7」が一つの目安とされる。これは燃え煤の出ない完全燃焼が可能な割合で、専門用語では"理論空燃比"と呼ぶ。なお空気が12〜13.1だと出力が最大となり("リッチバーン")、17だと燃費効率が最大となる("リーンバーン")が、どの比を選ぶにしても「ガソリンをいっぱい燃やしたいのなら、空気もその分いっぱい取り込む必要がある」という点だけは押さえておきたい。


さて、エンジンの気筒(シリンダー)に取り込む空気量を増やす必要があることが分かった。これを実現する方法で最もオーソドックスなのは、気筒数を増やす、または気筒自体を大きくすることで気筒容積(いわゆる排気量)を大きくすることだろう。「エンジンが巨大化すればパワーアップする」というのは直感的にも分かりやすい。

しかし現実には、車両パッケージの制約上エンジンルーム内に多気筒化するだけのスペースが確保できなかったり、税金やレギュレーションなどの都合で気筒容積を制限されてしまうこともある。つまり「気筒容積は増やさず、吸気量は増やせ」という、一見無理難題にも思える状況に直面する場合が多々あるのだ。


そこでターボチャージャーの出番になる。

ターボチャージャーはエンジンの排気管から廃棄される排気ガスの、勢い良く飛び出してくるエネルギー(運動エネルギーおよび熱エネルギー)を利用してタービンを高速回転させる。この回転力で遠心式圧縮機を駆動することにより空気をギュッと圧縮。これを気筒へ送り込む(過給)。

この結果、元々の気筒容積以上の混合気を吸入・燃焼させ、本来の気筒容積を遥かに凌ぐハイパワーを実現することが晴れて可能となるわけである。


ちなみにこの空気の圧縮量(過給圧)を高めまくって燃料噴射量を増やせば、ほぼ際限無くパワーを上げまくることは可能である。ただしその分エンジンが壊れやすくなるため、そのバランスは見極める必要がある。


※ここまでの理屈は、軽油を燃やすディーゼルエンジンでもほぼ全く同じことが言える。

※上では分かりやすく「燃やす」という表現をしているが、実際にエンジン内部で起きているのは爆発である。爆発の力をクランクシャフトで回転力に転換するのが本来のエンジンの役割である。

歴史編集

スイスの蒸気タービン技術者であるアルフレッド・ビュッヒによって発明され、1905年に特許が取得されたのがターボチャージャーの始まりとされる。


ディーゼルエンジンへの採用編集

ターボチャージャーのディーゼルエンジンへの採用はガソリンエンジンのそれよりも遥かに古く、1912年にはドイツのルドルフ・ディーゼルがディーゼル機関車の低回転域のトルクを向上させるために、ビュッヒの在籍していたズルツァーと提携し、ターボチャージャーを導入しようと試みられた。これは1925年以降に船舶用として普及した。

ディーゼルエンジンには1940年代に導入され、従来の機械式過給機に代わって効率向上に著しく寄与した。

1978年にはB&Wが船舶2ストロークディーゼルエンジンに静圧過給方式のターボチャージャーを導入し、熱効率が著しく上昇した。


ディーゼルエンジンは着火にスパークプラグを用いず、空気を圧縮した気筒の中にディーゼルを噴射して自然発火で爆発させる仕組みである。逆に言うと点火するまで燃料を噴射しないので、過給機で思い切り過給しても、圧縮中に意図せぬタイミングでの発火(=異常燃焼、"ノッキング")してしまうこともない。

また軽油の理論空燃比はガソリン1に対して空気14.9であるが、実際には空気20〜60という過剰な空気量でも巡航に支障が無い。

加えて、新鮮な空気を大量に供給できるターボチャージャーがあれば、EGRやバルブタイミング調節機構を用いずに、ディーゼルの最大の弱点である煤の問題もクリアしやすくなる。

こうした特性から、ディーゼルとターボチャージャーとは相思相愛と揶揄しても怒られないレベルで相性が抜群である。


現代のディーゼルエンジンは自動車用(乗用車トラックバスレーシングカーなど)、鉄道車両(気動車ディーゼル機関車)、船舶、建設機械などの高速ディーゼル機関はもとより、大型船舶用の超大型低速ディーゼル機関にまでターボチャージャーが広く用いられている。一部の産業用(産業定置用)を除く全てがターボチャージャー付きと考えて差し支えない。


ガソリンエンジンでの採用編集

市販のガソリン自動車用としては1962年にアメリカのゼネラルモーターズ(GM)が「オールズモビル・F85」と「シボレー・コルヴェア」にオプションで設定したのが最初となる。ただしコルヴェア自体の操縦安定性に難があったため、短期間で市場から消え、一般化するまでに至らなかった。

欧州車では1973年のBMW・2002 Turboに初採用され、それ以降に徐々に広まるようになった。


日本のガソリン車では1979年の日産セドリック/グロリアに初採用され、1980年代の後半には、トヨタの多くの車種にターボチャージャーを採用するグレード(主にスポーツグレード)が展開されていた。この当時は3ナンバーと5ナンバーの自動車税の差が著しく、高級車であっても5ナンバーなら排気量2,000cc以下で、過給圧が最大でも0.5bar前後のターボチャージャー(2,000×(1+0.5)=3,000ccの仮想排気量となる)がラインナップに加えられるのが流行した。また小排気量車に高級車/スポーツカーとして相応しい大馬力を付与する手段としても重宝された。

しかし、その後の改正で3ナンバーと5ナンバーの自動車税の差が小さくなったこと、ガソリン価格の高騰や環境に与える影響への関心(ターボ=燃費が悪いといった認識)が強まったこと、スポーツカー用途としても自然吸気エンジンのフィーリングが良いとして好まれたことなどにより、軽自動車を除くと日本国内における乗用車へのターボチャージャーの採用は衰退傾向にあった。

またターボチャージャーは開発・維持のコストが高額であり、出力向上のためには単純な排気量増大のほうが安上がりと考えられていた部分もある。


そんなわけでしばらくの間フラッグシップスポーツ以外ではすっかり敬遠されるようになったターボだったが、00年代以降にディーゼルターボ技術を参考にしたVWを始めとする欧州自動車メーカーを中心に、エンジンのダウンサイズ(=フリクション・ロスの低減)目的で小排気量化し、代わりにターボチャージャーで高負荷時のトルクや馬力を補うことが流行り始めた。これをダウンサイジングターボと呼ぶ。これは燃費が改善されるだけでなく、ディーゼルターボのように低回転から最大トルクを発生させられる強みや、小型タービン故にターボラグが少なく自然吸気エンジンのように扱える特性もあって、広く受け入れられるようになった。

この流れに日米のメーカーが追従するようになり、今では高級車・大衆車問わずターボ車が溢れかえるようになっている。

特に排気量で自動車税額が決まる日本や欧州においては、排気量を減らしつつ出力を維持できるため、節税的な意味でターボを採用しているケースも珍しくない。


ただし2010年代後半に欧米日で燃費測定方法が大きく変更され、加減速を頻繁に行う測り方(WLTP/WLTC)になると、高負荷域での燃費が悪化しやすいダウンサイジングターボの弱点を指摘する声も出てきている。


レーシングカーの分野では従来はターボラグの大きさが問題視されて敬遠されていたが、1970年代以降にこれが解決されるとフォーミュラカープロトタイプスポーツカーラリーなどで一気に普及した。特にF1ではBMWホンダがわずか1,500ccのエンジンで1,000〜1,300もの馬力を発生させた(はっきりとしないのは当時それだけの大馬力を正確に測定できる機器が無かったことや、レース車両に関わるデータは機密事項となるために詳細を公式に発表しないためである。なお通説では1,500馬力とされてきたが、これについてはデマの可能性がある)。その後、安全性を理由にレギュレーションが変更。1987年から過給圧制限が加えられ(1987年は最大4bar、1988年は最大2.5bar)、1988年シーズンを最後に以降、ターボを含めた過給機の使用が全面的に禁止されていた。

2014年からは直噴技術を用いた燃費志向のシングルターボが復活。これに1,600ccのV型6気筒エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせて使用することになり、2022年現在まで同じ形式が保持されている。


F1以外でも広く用いられており、むしろビッグカテゴリではターボ車でないマシンを探すほうが難しくなっている。これはダウンサイジングコンセプトの流行で、ターボが市販車に繋がるエコ技術の一つであると考えられている風潮が背景にある。


レシプロ航空機エンジンへの採用編集

ディーゼルエンジンを除く航空エンジンへの最初の適用例のひとつは、ゼネラル・エレクトリックの技術者であるサンフォード・モスがV型12気筒の航空エンジン「リバティ」に搭載したものである。高度4,300mのコロラド州パイクスピークで試験され、高度の上昇によりもたらされる内燃機関の出力低下を低減することが確認された。


ボーイング社が開発したB-17爆撃機に1938年に搭載された、カーチス・ライト社製の星形空冷式1,000PS級エンジン「ライト・サイクロンR-1820系」が史上初の実用例である。アメリカが他国に先行してターボチャージャーを実用化できたのは、頻繁に交換する消耗品と割り切って設計したことによるものであり、経済的に豊かな国だからこそできたと言える。

他国の高高度性能向上のための手段としては機械式過給機の採用が中心であった。第二次世界大戦中には、アメリカの他にソ連、ドイツでも航空機エンジン用に研究されたが実用化はされていない。

戦時中の日本でも航空機用ターボチャージャー開発は進められていた。試作レベルのものが雷電五式戦闘機に装着されて使われたケースはあるが、実装に問題があり実用化は出来なかった。特に高温に耐える特殊金属の欠乏(代替金属の使用)は、排気タービンのみならず小型高出力エンジン(誉エンジン)やジェットエンジン(ネ20)の開発・生産にも影響を及ぼした。ようやく一〇〇式司令部偵察機四型においてインタークーラーなしの簡易版が実用化がなされたものの、ごく少数が生産されたところで終戦となった。


現在、高空を飛行する航空機用のエンジンとしてはジェットエンジンやターボプロップエンジンが用いられるため、使用される例はほとんど無い。


種類 (主に自動車)編集

ターボチャージャーによる過給は、大別すると「動圧過給」「静圧過給」に分類される。

舶用の2ストロークディーゼルエンジンなどでは、各気筒から発生する排気ガスを1本の排気管に一度まとめて圧力変動をなくし、一定圧にしてその圧力を利用して過給する「静圧過給」が用いられる。船舶や発電機など一定速で運転されるものでは、インペラやコンプレッサー、A/R比の設定が最適化しやすいため、特に向いている。

ただし一般市民にとって身近なのは、吸気脈動を気筒間で干渉させて過給効果を得る「動圧過給」であり、本記事でも特に記述がない場合はこちらを扱っている。


またターボチャージャーの数に合わせて、シングルターボ/ツインターボ/トリプルターボ/クアッドターボ(それぞれ1/2/3/4基)がそれぞれ存在する。


他にも以下のような形式がある。

・シーケンシャルターボ…ターボが2基の点ではツインターボと同じだが、エンジン回転域によってそれぞれの作動領域が異なるのが特徴。

・ロープレッシャーターボ(ライトプレッシャーターボ/低圧ターボ)…過給圧の低いターボのこと。コストや信頼性、ドライバビリティなどに優れる。ダウンサイジングターボの多くはこれである。

・可変ノズル(VG)ターボ…タービンに装着したノズルによって、エンジン回転数に合わせて排気ガスの通路を太くしたり細くしたりして、燃焼効率を高める形式。

・電動アシストターボ…排ガスのみならず、モーターでもタービンを回転させる方式のターボ。


メリット編集

・冒頭に述べたとおり、単位排気量あたりのトルク・出力(馬力)が向上する。過給圧の増減によって出力特性を調整できるのもメリットである。


・「ダウンサイジングコンセプト」を用いたターボエンジンでは、同一最大出力の大排気量自然吸気エンジンと比較して、アイドリング時や巡航時のような部分負荷(低負荷)運転時の燃料消費率が低減される。


・ディーゼルエンジンの場合は熱効率が高まり燃料消費率が低減されるほか、排気ガスの有害成分を減少させることが可能である。


・高温高圧の排気ガスの運動エネルギーと熱エネルギー、つまり本来なら大気中に廃棄される部分をタービンを介して回収するため、熱効率が上がる(もちろんターボチャージャーの特性にマッチしたセッティングと運転条件が前提となる)。


・同じ過給機でも、エンジンの出力で直接タービンを回す機械式スーパーチャージャーと比較した場合、廃棄されるエネルギーを使用するため効率が良い。例えば自然吸気状態の出力を100%、過給機による追加出力を40%、過給に伴う出力の損失(機械的な摩擦や排気抵抗増大による排気行程ピストンへの抵抗)を-10%とした場合、スーパーチャージャーではコンプレッサーを稼動させるためにクランクシャフトからエネルギーが取り分けられるため、最終的な出力は130%を下回るが、ターボチャージャーはそのエネルギーロスがない。


・航空機の場合は地上から臨界高度まで気圧が変化してる間も一定のエンジン出力を保つことができる

排気ガスが一度ターボチャージャーのタービンに当たり、それから出口へ排気されるため、自然吸気エンジンに比べると排気音が小さい。またスーパーチャージャーと比較すると軽量小型にしやすい。


デメリット編集

・大量の混合気を強制的に送り込み燃焼させるため、エンジン温度や吸気温度が高くなりがちで十分な冷却対策が必要となる。高すぎる過給圧やエンジンの高温化はエンジン内部での異常燃焼(不自然なタイミングでの自然発火、ノッキングとも)を誘発し故障の原因となるため、過給圧と共に圧縮比や点火時期の設定を厳密に行う必要がある。

コンプレッサーによる圧縮やタービンからの熱伝導により吸気温度が高くなる問題に対応するため、インタークーラーを併用して圧縮後の吸気を冷却し、効率向上を図っている例も多い(空気も当然熱膨張するため、インタークーラーを使った冷却によって単位量あたりの体積が小さくなり、同じ容量のタービンでより多くの空気が取り込めるようになる)。


・理論空燃比・パワー空燃比と比較してリッチな(=燃料を濃くした)混合気を送り、気化熱による冷却を行う場合もあるが、これは燃費を悪化させる要因ともなっている。

気筒の外でガソリンと空気を混ぜ合わせる「ポート噴射」ではなく、気筒の中に直接ガソリンを噴射する「直噴」でこれを擬似的に実現する手があるが、この場合は煤が発生してしまいやすくなる。


・構造上、スロットル操作に対するエンジン反応に遅れが生じる(ターボラグという)。ターボラグは、エンジンの回転と排気によりタービンの回転数が増して同軸上のコンプレッサーによる過給圧が上昇するまでの時間差により発生するもので、スロットルの開度に若干遅れてエンジン出力が上昇するという形で現れる。過給が始まらない間は運転者は無意識にアクセルを余計に踏み込んでしまうので、燃費悪化の原因にも繋がる。


・一般的なターボエンジンは、同形式・同排気量の自然吸気エンジンと比較すると前述の異常燃焼対策のために圧縮比を低く設定する。このため、過給効果が得られない回転域ではトルクに劣り、熱効率も悪化する。自動車用エンジンは船舶や産業用エンジンに比べて必要とされる出力が極めて大きく変動し、効率的にターボチャージャーを稼働させる状況は限られているため、燃費悪化の主要因となっている。また自然吸気エンジンと比べてドライバビリティ(運転しやすさ)は悪い。これを嫌い、あえて燃費は悪化するが過給レスポンスに優れるスーパーチャージャーを用いる自動車メーカーもある。


・ターボチャージャー付きエンジンは自然吸気エンジンをベースにすることが多いが、その場合、増加する燃焼圧力に耐えられるようにヘッドガスケット強度やシリンダーヘッド、シリンダーブロック剛性を充分に保つことと、ピストン頭部の熱対策が必要となる。多くの場合はボアを縮小したり、アルミブロックではなくあえて鋳鉄ブロックを用いる、またはアルミブロックに鋳鉄スリーブを用いるなどの対策を行う。大型車のディーゼルエンジンではCVダクタイル鋳鉄も用いられる。


・排気エネルギーを利用して吸気タービンを回すため、タービン後に配置されている排気触媒が有効温度に達するまで自然吸気エンジンより時間がかかる。したがって特にエンジン冷間時は有害ガスの未燃焼燃料(HCやCO)が排出されやすい欠点がある。ターボ車のアイドリング時に排気がガソリン臭くなるのは、暖機のために混合気を濃くしているためHCやCOが発生しやすい状態である一方、排気触媒が機能していないためである。


・ターボチャージャーのタービンは数万から20万rpmに達するため、オイル管理がシビアになりやすい。タービン軸の軸受となるフローティングメタルの潤滑およびその冷却をエンジンオイルと共用で行っている車種は高温、高負荷に曝されるため、エンジンオイル劣化が進みやすい。そしてオイルが劣化しタービン軸が焼きつくと、極端にエンジン性能が低下する。また軸受のシールが破れるとタービン軸からオイルが漏れだして排気が白煙となり、最悪エンジンオイル量が不足してエンジンが焼きつく。したがって、同車種でもターボチャージャーの有無でオイル交換距離が倍以上異なることもあり、オイル専用の冷却装置を装備している車種もある。

頻繁に運転する場合は高性能または専用のオイルを使用したり交換周期を短くするなど、オイル管理は厳密に行う必要がある。


・高負荷運転後すぐにエンジンを停止してしまうと、エンジンのオイルポンプによるオイル循環が止まってしまうため、高温のタービン軸と軸受メタルが焼き付く場合や、高温の軸受周辺に滞留したオイルによりスラッジが発生してしまう原因となるため、ある程度の無負荷運転(クールダウン、アフターアイドル)をした後にエンジンを止めることが車両の取扱説明書などでも推奨されている。近年では環境への配慮ということもあり高速道路や上り坂を走行した場合に無負荷運転を推奨している。


※現在はECUの演算速度の高速化や各種センサーの性能向上により、点火時期、燃料噴射系やブースト圧の電子制御が高度化されている。またエンジンオイルの高性能化や電子制御スロットルの採用、燃料供給の直噴化などの技術革新もあって、上記のいくつかのデメリットは改善されている傾向にある。


ターボチャージャーを製造するメーカー編集

名前の知られている自動車メーカーは、大体がエンジンを内製できる。エンジンは自動車の乗り味を決める重要な部位の一つであり、それはまさに秘伝の鰻屋のタレのようなものである。

しかしそんなエンジンの名手たちでも、ターボチャージャーについては外注することが多い。以下はターボチャージャー開発・製造を得意とするメーカーたちである。


ギャレット

ボルグワーナー(旧・KKK日立製作所

カミンズ

三菱重工業

IHI(石川島播磨)

HKS


蛇足だが、80年代の三菱自動車製ターボ車(ランサー、スタリオン等)の一部には、同グループである三菱重工製のTC05タービンが搭載されており、「純血ターボ」のキャッチコピーで売られていた。

関連タグ編集

エンジン 内燃機関 過給機 スーパーチャージャー

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