概要
飛行機、飛行船などの航空機を駆動するエンジン。ジェット機用エンジン(ターボプロップ用含む)はジェットエンジンを参照。ここでは航空用レシプロエンジンに絞って説明する。
航空エンジンは推力重量比が高く(要は軽量のわりにパワーがある)信頼性の高いエンジンが強く求められ、ジェット機はターボファンエンジン、プロペラ機はターボプロップエンジンかレシプロガソリンエンジンが使われることが多い。いずれにしても内燃機関である。
最初の飛行船用エンジンは外燃機関である蒸気機関であったが、重くて非力な蒸気機関は明らかに航空機向きではなく、飛行船が本格的な発展をとげるのは軽量で強力なガソリンエンジンが登場してからであった。
航空ガソリンエンジン
自動車用のガソリンの使用を認められている飛行機もあるが、多くのエンジンでは航空ガソリン(Avgas)が必要で、自動車用は使えない。なお航空ガソリンはオクタン価を高めるためなどの目的で未だに有鉛ガソリンである。
ウルトラライトプレーン(超小型機)ではVWビートル用をベースにした空冷エンジンや2ストロークエンジンのような化石じみた代物が現役であったりするが、上記の有鉛ガソリンがまだ使われているなど、自動車に比べ排ガスや騒音などの環境規制が緩いためである。
航空ディーゼルエンジン
ディーゼルエンジンを採用した航空機というのはあまり多くはないが、Ju86は航空ディーゼルエンジンの成功例として知られている。
近年は、航空ガソリン取り扱い空港の減少、有鉛航空ガソリンの環境問題のため、電動化や、ジェット燃料を流用できる航空ディーゼルエンジン、あるいはそれらを組み合わせたハイブリッド航空機の研究も行われている。