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飛行船とは

飛行船とは、ヘリウムなど空気より比重の小さい気体を詰めた気嚢によって機体を浮揚させ、これに推進用の動力をつけて操縦可能にした航空機である。ラグビーボール型の気嚢の下に、人の乗るゴンドラ部分が付いたものが典型。
早い話が「動力を持った気球である。

活用

現代では主に、観光(遊覧飛行)や、大きな船体を活かした広告のために使用されている(日本には飛行船を運用する会社がないため、海外から引き入れている)。

また固定翼航空機や回転翼機と違い、浮揚するのに動力を必要としないことから長時間の滞空に向いており、無人航空偵察機(UAV)が長時間偵察飛行に使用されており、気流の安定した成層圏に滞空させ無線や放送の中継拠点として用いる成層圏プラットフォームとしての利用も研究されている。

軟式飛行船は本来、運航していないときは折りたたんで船体を収納しておけるのだが、気嚢に入れるヘリウムは非常に高価であり出し入れも困難である。よって飛行していない時は、専用のスタンドに船首を繋げて駐機していることがほとんど。悪天候時の破損を防ぐため、巨大な格納庫が設けられていることもある。

分類

気嚢を膨らませたガス圧で船体を維持する軟式飛行船と、丈夫な骨格に外皮を貼り付けて内部に複数の気嚢を収納する硬式飛行船に大別される。軟式は軽量なのがメリットであり、硬式は設計の自由度が高く高速飛行が可能になるが、船体の重量が増加する。現代の飛行船はほとんど軟式である(ツェッペリンNTのみ内部フレームを持つ半硬式飛行船)。

かつては薄い銅球を用いた真空飛行船が考えられたこともあったが、現代の技術をもってしてもその浮力より耐圧構造の方が遥かに重量のかさむものであり実現には至っていない。

歴史

気球や飛行船は固定翼の航空機よりも前に登場し、人類を初めて空へ飛ばした乗り物である。
フランスの技術者、ジファールが初めて飛行実験に成功したのは1852年のこと。葉巻型の気球と蒸気機関を組み合わせ、史上初めて動力飛行と操縦可能な航空機とを実現した。
その19世紀末から20世紀初頭にかけて、墺洪帝国のシュヴァルツや、ドイツのツェッペリン伯爵らが現在に通じる一般的な硬式飛行船の原型の開発を続け、特にツェッペリンは飛行船の製造会社および世界初の商業航空会社を創業し、大成功を収めた。そのため、ツェッペリンが設計した形の飛行船を単にツェッペリン、あるいはツェッペリン号と呼ぶこともある。

高速で大量の貨物の輸送を可能にしたことで、飛行船は一躍、輸送手段の花形となり、旅客、貨物輸送、軍用(偵察爆撃)と様々に使われた時代もあったがその活躍期間は短かった。
飛行性能の高い固定翼航空機の隆盛に伴って空の主役、特に高速さが売りだった貨物輸送や戦闘用途からは早々に退いた。優雅な飛行から豪華客船としての需要は残っていたが根本的に悪天候や強風に弱く、ヒンデンブルグ号をはじめとする事故や遭難の多発によって大型の硬式飛行船は姿を消した。

過去には浮揚ガスとして水素が使われていたが、可燃性気体であるために徐々にヘリウムに切り替えられていった。

ヒンデンブルグ号爆発事故

ヒンデンブルグ号の炎上


1937年5月6日にアメリカ合衆国レイクハースト海軍飛行場で発生した飛行船事故であり、21世紀の現在でも飛行船没落のとどめとなった事件としてよく知られている。この事故ではツェッペリン号が炎上しながら崩壊する映像が記録され、新聞やニュース映画などで広く報道されたことで、世界中の人々に水素を使った飛行船の危険性を知らしめたが、飛行船そのものにも危険なイメージを持たせる結果となった。

当時、ヘリウムはアメリカ合衆国でしか生産していなかったが、飛行船産業が盛んであったドイツはヒトラー率いるナチスが政権を取っており、飛行船の軍事転用を危惧するアメリカからヘリウムの提供が得られずにいた。そのためドイツでは水素を使わざるを得なかった。現在ではヒンデンブルグ号の事故の発端は、着陸時に地上へのアースが上手くいかなかったことで静電気から発火したことによる外皮や塗料の炎上(溶接焼夷弾にも使われるテルミットなどを成分としていた)であり、ヘリウムを使っていても起こりえたと考えられている(ただし、水素と違ってヘリウムは爆発しないので被害は少なくなる)。

なお、この事故の死亡者は36人(地上スタッフ1人を含む)であり、生存者(62人)の方が多い。衝撃的な事故映像の割には意外と生存者が多いと思われるのではないだろうか?(生存者も少なからず重傷を負ったが、着陸時で低空にいたことや、海軍飛行場での事故であったため、素早く救助を行えたため。)。飛行船史上最悪の死者を出したのは実はこの事故ではなく1933年のアクロン号難破事故である(73人死亡)。

創作において

漫画・ゲーム等において「飛行船」というと、飛行機や、船型の航空機を含むこともある。
飛行船型であっても、それ以外の形でも、飛行原理その他は大幅に異なる場合が多く、特に原理を設定していないものから、世界内の物理等の法則に則った設定を施してあるものまで様々である。
気嚢はない事が多いが、何らかの動力はあるのが普通である。
作中での用途も、移動手段や広告のみならず、兵器としての運用や居住スペース等、様々。
小型の航空機を格納する航空母艦として登場する事も多い。
こちらの意味では、「飛空船」「飛空艇」も参照のこと。

事実は小説より奇なり?本当にあった飛行空母

実は戦前のアメリカ軍では硬式飛行船に本当に戦闘機を吊るして発着船させる運用を行っていた。
発進時は戦闘機のエンジン始動後に吊り下げフックから切り離し、降下しながら加速する。
着船時は飛行船直下を同じ速度で平行に飛び、吊り下げフックに機体側フックを引っ掛けるというものだった。
戦闘機5機を搭載する「アクロン」「メーコン」の2隻が建造され、搭載機であるスパローホークは戦闘、偵察、周囲警戒機として運用していたようで、搭載機の空中での運用は一応できていたようである。この当時の航空機は複葉機であり失速速度が遅く、頑張っても100km/h程しか出せない飛行船と並行して飛行できたからこそ可能な芸当だった。
しかし両船は2隻とも悪天候などによる事故で失われている。ヒンデンブルグ号並みの巨体が仇となり、前述の通りアクロン号の遭難事故は飛行船史上最大の死者を出している。
これほどの規模の硬式飛行船であっても悪天候に弱いため海軍の海上警戒任務用としては使いづらく、航空機の高速化、大型化に伴って空中での運用も困難になり、ヒンデンブルグ号事故によって大型硬式飛行船そのものが敬遠される状況になったために後が続かなかった。

ただし、飛行船の軍事利用そのものが完全に廃れたわけではなく、アメリカは戦中には軟式飛行船で本土沿岸の哨戒を行っている。


関連イラスト

上空の居住施設
飛行船の街


夕暮れに浮かぶ飛行船
飛行帆船


関連タグ

航空機 アドバルーン 気球 飛行機 飛行艇
レトロフューチャー 飛空艇
飛空船ファイナルファンタジーシリーズほか

架空の飛行船が登場する作品
ソラとシド
リトルテイルブロンクス
エースコンバット3
魔女の宅急便
アークザラッドシリーズ

天空の城ラピュタに登場する飛行船
ゴリアテ タイガーモス号

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