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レトロフューチャー

れとろふゅーちゃー

懐古趣味(レトロ)な未来(フューチャー)像のこと。
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概要

19世紀後期から20世紀中期までの人々が描いた未来像」への懐古趣味や、当時のそういった描写を好み熱中することを指す。SF作品の1ジャンルであるスチームパンクを含める場合もある。1980年代頃から流行しはじめた。

かつての科学万能の夢が公害・環境破壊・経済の低迷などの現実に破れ、冷戦終結後も民族主義紛争などに起因するテロリズムが横行し、すぐにでも実現するはずだった宇宙開発に至っては一向に進展を見せないなど、必ずしも「かつて思い描いていたバラ色の未来」が実現してはいない。

これからの社会の将来や世界情勢に明るい希望が持てない不安の裏返しとして、レトロフューチャーという流行はこれらの「かつての、希望と躍動に満ちあふれた未来を思い描いた時代」への一種の『郷愁』の対象として見ている現象の一つであるとも言える。

現実はそんなに厳しくない

ただ、ふと冷静になってみると「日々の生活の中では実感していなかったが、気がついてたら実現していたこと」や、「従前からある技術が思いのほか進歩してしまったこと」「技術的には可能だが、環境面や安全面、倫理面で問題があり実現しなかったこと」が結構あったりする。連続した日々だから気付かないのであって、ふと後ろを振り返れば確かに21世紀は来ていると見ることも出来る。

  • 「気がついてたら実現していたこと」の例は、コンピューターの普及と超高性能化(2010年代のスマートフォンは1980年代のスーパーコンピュータを凌駕する能力がある--1985年まで世界最速だった「Cray-1 MP」の最大メモリ容量は128MBにすぎない)、薬でエイズ糖尿病の進行を抑えることができるようになった医療の進歩など多数ある。
  • 「従前からある技術が思いのほか進歩してしまったこと」としては、高速鉄道としてのリニアモーターカー(鉄輪で最高記録500km/h:TGV、営業最高速度300km/h:新幹線を実現してしまったため、エネルギーコストにつりあわなくなった)などがある。
  • 「技術的には可能だが、環境面や安全面、倫理面で問題があり実現しなかったこと」の例は、エアカー(宙に浮かせるだけエネルギーのロス。普通にタイヤで荷重を支えて走った方がずっと合理的。もちろん、自動車やタイヤそのものの技術革新により燃費・居住性・安全性は昔より格段に向上している)などがある。超音速旅客機もコンコルドとして実現したが後継機がないまま引退したのは環境面や安全面で問題があったためである。

現に、レトロフューチャーの代表格である手塚治虫の作品には、例えばタブレットコンピューターは登場していない。「薄型テレビ」「電子メール」「携帯電話」どころか、『鉄腕アトム』の作中には「丸くふくらんだ箱形モニタ」(昔のブラウン管は角が丸く、画面の中央が盛り上がった形だった)、「電報配達員」(『鉄腕アトム』連載当時は急ぎの連絡手段として電報が使われていた)や「後払い式の公衆電話」(かつての公衆電話は普通の電話機を赤に塗っただけの電話機を使い、通話後にその分だけ料金を置いていく「後払い式」だった)が登場するのである! 天才の頭でさえリアル21世紀を超越することはできなかったのだ(ただし、このような『鉄腕アトム』作中に描かれる当時の技術は、作品に親しみを持ってもらうための手段であると手塚治虫自身は言っている)。なお、手塚治虫を師と仰ぐ藤子・F・不二雄ドラえもんで22世紀の未来の道具で「テレビにも電話にもコンピュータにもカメラにもなる道具」を登場させた事があるが、それよりも薄くて小型のスマートフォンによって2000年代のうちに実現してしまった。

一番わかりやすいのが、多くの人々が長く生きられるようになった高齢化社会の到来だろう。日本では、1967年にはわずか253人だった100歳以上の高齢者は半世紀後の2017年には7万人近くにまで激増、この間、平均寿命も男女とも10歳以上延長し、女性のそれは90歳近くに達している(平均寿命が50歳代の戦後直後からすると実に30年の延長であり、さらに21世紀に入ってからも長寿化が続いている)。長谷川町子の『サザエさん』には、1979年の作品で、1980年代には“ホームコンピューターが一般家庭の健康管理をし、食事についてもアドバイスする”と予想したものがあったが、これもネット経由で似たようなサービスを行っている事業者が既にある(実現に20年以上余計にかかったが)。『サザエさん』の連載当時と現在の感覚の変化を示すネタとして、波平フネなどが設定年齢の割に老けて見えることがよくネタになるが、これも日本人の長寿化(老化の遅延化)と無縁ではないのである。

なお日常の技術ではないが、ロボット兵士や手術ロボット、身体障害者用のサイボーグ技術(筋電義手)も21世紀初頭においてすでに実用化されている。さらに、現在アメリカヴァージン・ギャラクティック社が、2013年サービス開始を目指して民間宇宙観光用スペースプレーンの開発を進めている。この為に、ニューメキシコ州において、初の民間用宇宙港「スペースポート・アメリカ」が建設中である。また、アメリカ・ロシアの宇宙開発に携わる民間企業が、人工衛星軌道上に“スペースホテル”の建設を2016年オープンを目指して行っている。

やっぱ21世紀すげぇじゃん……

なお、1960〜1970年代に設計され、当時描かれたレトロフューチャーの姿を先取りしたような存在の乗り物のうちいくつか(東海道新幹線0系営団6000系グラマンF-14トムキャットスペースシャトルコンコルドなど)は21世紀初頭まで長きにわたり活躍した。0系や6000系のように「成功」とみなされ直系の後継機が現在も活躍しているものもあれば、スペースシャトルやトムキャット、コンコルドのように「失敗」と評価され直接の後継機がないまま引退したものもあるが、現在はいずれもその役割を終え20世紀後半を象徴する存在として記憶されている。

レトロフューチャーになった・それに属する作品

やはりというかSF作品、特に近未来系はレトロフューチャーにされやすい。

  • 鉄腕アトム
上記の通り。

放送当時に想像された21世紀世界であるが、「THUNDERBARDS A GO」等で製作時から見た未来として登場人物達の生年月日や時代設定が変更されたものもあるので、レトロフューチャーの側面と近未来の両方の性質を持つ

製作当時から想像された1990年代の世界とされている。

これは21世紀に入る頃には物語はどうなるんだとチラホラあったが、あくまでものび太がいる現代はリアルタイムの現代を反映した形で現在進行形であり、ドラえもんにおける21世紀はレトロフューチャーになるのかそうでないかで意見は分かれるであろう。ただし、ドラえもんがやってきた未来は22世紀である為こちらはレトロフューチャーにするには分類が難しい。

1980年代後半~末期に想像された未来世界(2015年)が登場。現実の2015年にはこの事が話題となるほど過ぎた未来の一つとなった。

こちらも80年代後半に想像された21世紀(2000年代)の世界。舞台設定は5までは200X年だったが、それ以降は20XX年になっている。レトロフューチャーと近未来の両方の性質がある。ただし、ロックマンの世界からさらに100年後の未来のロックマンXシリーズもある。

旧劇場版までは現実で2015年を通過したので一応レトロフューチャーになってしまったが、新劇場版準拠だと設定された西暦が不明だったりと変更された為、近未来の世界観を維持している。

上記エヴァのヒットを受けて90年代終盤~00年代序盤数多く作られたいわゆる「第二のエヴァ狙い」の作品(特にアニメが)の一つ。エヴァと同じく設定年代を現実が通過したという意味での「一応」のレトロフューチャーであり、パタPという未来的なガジェットは登場するが、描写としては制作当時の90年代色が強い。
特に劇場版のタイトル及び舞台設定が「2011年の夏休み」だが、作品自体の知名度がそこそこ止まりで商業展開が終息して久しかった事と、同年3月に東日本大震災が起こり自粛ムードが残っていたこともあり「劇中の未来がやってきた!」との盛り上がりは一部に留まった。

これは間違いなくレトロフューチャーなデザイン全開。しかも技術が飛躍した世界なのにレコード盤を人々が聞くメディアとして主流であるのも理由の一つ。

関連イラスト

DEPARTURE(出航)



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