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説明編集

郵便でやり取りをする信書より高速に用件を伝えられる。かつて電話が発達していなかった頃は、連絡などでよく使われていた。

近年は電話網の発達などで電報が使われることはかなり減ったが、祝電や弔電などで使われることがある。


かつて電報を含む電気通信事業が電電公社KDDの2公社独占事業であった名残からか、現在でも電報を取り扱っているのは国内向けサービスがNTT東日本NTT西日本の2社、海外向けサービスがKDDIのみとなっている。ただし2003年の信書便法施行により、これら3社以外の会社により電報と類似した通信サービスも行われるようになってきている。


特有の言い回し編集

かつては片仮名と一部の記号などしか電報文に使うことが出来ず、電報料は濁点・半濁点・空白・句読点を含めた字数で課金されるため、独特な言い回しが普及した。以下はその一例である。

  • チチキトクスグカエレ:父親が危篤状態にある。今すぐ実家に帰って来い
  • ヘンシンコウ:返事をお願いします
  • ヒゼウ:非常
  • アトフミ:詳細は後ほど手紙(ハガキ)で
  • サクラサク:大学入試に合格した。
  • サクラチル:大学入試に落ちた。なおこのサクラサク・サクラチルの言い回しは早稲田大学発祥のもので、大学ごとに異なる定型文が存在した。

定型文的な言い回しの他に、極力文字数を減らすために旧仮名遣いを用いたり或いは応用したり、発信者と受信者で取り決めた符丁を用いることもあった。

また、よほどの場合を除いて敬語を省略しても失礼には当たらないとされた。

文字数で課金されるのは、専門職を要するモールス信号を用いていた為で、後にモールス信号による通信が大幅に縮小されてからは、電話機で「サクラの”サ”、クラブの”ク”、ラジオの”ラ”…」と通話表(Wikipedia)を用いて一文字ずつ送受信していたからである。


電報略号編集

電報において定型的な語や文をコード化したもの。上記のチチキトクスグカエレやサクラサク/チルも広義の電報略号と考えても良い。

鉄道業界における電報略号編集

鉄道黎明期の鉄道施設間通信には電報が広く用いられており、場所ごとに電信技士が常駐していた。電報は欧文、数字、片仮名しか送信できず、あまり長い文になると読み違えによる事故を招きかねなかった。

これらの問題を解消すべく、用語・駅名などを片仮名1~3文字に省略したものを電報略号として使用した。以下はその一例である。

  • ウヤ:運休。ンキ
  • カレ:貨物列車。モツッシャ
  • セイリ:運転間隔整理。ウンテンカンカクセイリ
  • トケ:取り消し。
  • ハラモ:払い戻し。ハラドシ
  • ヨロ;よろしく。ヨロシク

なお仮名でも漢字でも一文字表記となる津駅の電報略号はツツである。


国鉄では列車内や電報取扱駅において、一般客からの電報の依頼を受け付けていた。

列車内からの電報は車掌が受け付けて電報取扱駅にて発信された。

電報は電電公社の回線網を通さずに国鉄の通信網(JR通信、日本テレコムを経て現在のSoftBank)でやり取りされた。

なお、末期はFAXメールに取って代わられたが、名残としてJR各社ではFAXの事を「電報」と呼ぶ風習がある。

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