思想的には心霊主義(スピリチュアリズム)と神智学を源流とし、ユングの思想、東洋・「異教」(キリスト教以前のヨーロッパ多神教)・南北アメリカの先住民の文化などから引用した要素や自己実現、自己啓発の思想を織り込み発展した。
書店の「精神世界」コーナーにおいてある本の多くはニューエイジ関連である。
特徴
神
アブラハムの宗教が説くような強烈な性格を持つ人格神を持たない。
非人格的な宇宙原理に近く、人格があったとしても非常に穏やかで怒りや妬みのような感情は見せず自ら裁くこともしない。
創造主と被造物の別もさほど隔絶しておらず汎神論的である。
世界中の宗教・神話の神々を引用し、一種の守護霊のような存在として扱う。
引用元の神話とは性格が変わっていることもしばしばである。
同じノリでメタトロンなどの一神教系の天使も引用されるが、彼らと異教の神々勢との関係はすこぶる良好である。
霊人・大師
スピリチュアリズムと神智学から引き継いだ特長として、人間が高次の存在となった「アセンデッド・マスター」がある。彼らは「霊団(ハイアラーキー)」というグループを成しており、人類を導くとされる。
伝統宗教の聖人・聖者・預言者が「マスター」扱いされたり、あるマスターの過去生として用いられる。
ニューエイジにおけるイエス・キリストの扱いはその代表的な例である。
モリヤやクートフーミなど神智学のマスターもニューエイジのパンテオンで続投している。
死生観
輪廻転生(生まれ変わり)を信じていることが多いが、ヒンドゥー教や仏教と異なり人間からは人間にしか転生しないとすることが多い。
反キリスト教会
ニューエイジは伝統的キリスト教の否定・相対化、という特徴を持つ。
例えばニューエイジの考え方の一つに「水瓶座の時代(アクエリアンエイジ)」というものがあるが、水瓶座の一つ前は魚座。魚(イクトゥス)はキリスト教の象徴である。
つまり「魚座の時代(キリスト教の時代)」はいずれ終わるものだ、という認識である。
ニューエイジの反キリスト教性は単に反対するだけでなく、イエスをニューエイジ的に読み替え(造り変え)、伝統的なイエス観や聖書を出鱈目なものや歪められたものとみなす方向にも向かう。
保守的なキリスト教徒の中にニューエイジを蛇蝎の如く忌み嫌う人がいるのはこのせいである。
しかしながらキリスト教がかつて程の影響力は失ってしまった為、ある種の商業としても広くアメリカやヨーロッパに根付くことになった。
信徒を奪っていくニューエイジを各教派は警戒しており、カトリック教会(教皇庁)からもニューエイジを扱った文書が刊行されるに至っている。その文書『ニューエイジについてのキリスト教的考察』ではニューエイジを現代によみがえったグノーシス主義、と位置づけている。
ニューエイジそのものは反宇宙・反創造主という教義内容ではないが、キリスト教の神(YHVH、デミウルゴス)を否定しイエスをそれに同意する人物へと改竄する宗教という意味ではハマっているとも言える。
古代思想・東洋思想への接近
道教、仏教、ヒンドゥー教、イスラム教のスーフィー、アメリカ・インディアンの思想などなんでも取り入れている。キリスト教が台頭する前の宗教(ペイガニズム)や、魔術、オカルトにも肯定的で、占いはニューエイジを特徴付けるものの一つである。
伝統宗教よりも神仏の位置は低く、彼らへの帰依(これにはむしろ否定的である)よりもニューエイジャー自身の自分探しに重きが置かれている。