スカイカー
空飛ぶクルマというのは、古典的には文字通り道路を走行できて空も飛べる空陸両用のモビリティ(スカイカー)を指していた。古くはヘンリー・フォードの時代からさまざまな人々が開発を試みてきたが、走行と飛行という相反する2つの機能を一つの乗り物で満足な形で両立させるのは原理的に困難であり、ごく少数のメーカーが趣味的な乗り物として市販しているにとどまる(→スカイカー)。
eVTOL
今日、「空飛ぶクルマ」と呼ばれているのは、もっぱら垂直離着陸のできる電動のマルチコプター(eVTOL)である。もちろんeVTOLは陸上をタイヤで走ることは想定しておらず、コンセプト的には「空が飛べる車」というよりも「ヘリコプターをより気軽に使えるようにしたもの」といったところである(よって「空飛ぶクルマ」という呼称はあまり適切ではなく、有人ドローンとでも呼んだ方がまだ実態に近い)ものの、従来より身近な空の移動を可能にすることから空飛ぶクルマと称される。
eVTOLは2010年代から開発が始まり、現在では世界中の航空関連企業やスタートアップ企業が開発競争を繰り広げている。航空機は移動範囲が三次元になる分自動車よりも操縦は難しく、手動で飛ばすにはライセンスが必要になるため、普及のためには自動運転が必須であるとも目されている。
またバイクに近いタイプも開発されており、BIGBOSS新庄が乗ったことで有名。
ただし、eVTOLを含めたマルチコプターにはセットリングという問題(セットリングについてはヘリコプターの記事参照)がヘリコプター同様に付きまとうため、建物などが立て込んでいる場所での垂直離着陸は困難であるし、今後技術開発が進んだとしても、安全性やコスト面などを含めて本当にマイカー感覚で使えるようになるかというと疑問符がつく。
また、マルチコプターは原理的に(シングルローターやタンデムローターの)ヘリコプターに比べて大型化が難しいとされるが、「空飛ぶバス」とも言うべき30〜50人乗りの大型のeVTOLのコンセプトを提示している企業もある。
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