概要
人間を搭乗させず、遠隔操作あるいは自立稼働によって行動する航空機。一般的には『ドローン』と呼称されることが多くなった。
用途としては有人の航空機では危険な任務に投入されたり、あるいは単純に兵員の損失を抑えるために使用される。更に民間では「飛行機を使うような作業(航空写真や空中からの農薬散布など)」を可能な限り低コストで行う時などに用いられる。
ミサイルやロケット兵器との共通項もあるが、UAVは「任務が終わったら戻ってくる」のが基本。もちろん人間を乗せることを考慮しなくていいため、一般的な飛行機よりもはるかに多種多様なサイズとなり、デザイン面でも一見そうとはわからないような特徴的な物が多い。
UAS(Unmanned Aircraft System)という呼称も使われるが、こちらは無人機本体だけでなく制御ステーションなども含むシステム全般の呼称として使われている。
歴史
UAVの歴史は結構古く、発想そのものは第一次世界大戦の時代にまで遡る。
第二次世界大戦に於いては、いくつかの国でUAV、あるいはそれに準ずる航空兵器が開発、あるいは実戦投入された例もある。
ベトナム戦争ではBQM-34「ファイアビー」という無人標的機の偵察機仕様「ライトニングバグ」がベトナム奥地の強行偵察にも使われている。北ベトナム空軍ではこうした無人機も撃墜数に数えているので、エースパイロットの戦歴を調べる時などは注意が必要である。
その後も無人機はソフトウェア・ハードウェア両方で発展を続け、現在ではにわかに航空機とは信じられないような機種も登場している。
遂には「紙飛行機のように手で飛ばす」という玩具の域、「戦闘機から遠隔操作して攻撃する」というSFの域にも達し始めており、これからの発展の行方は掴めそうにない。
アメリカ編
アメリカでは、第一次世界大戦中に爆弾を取り付けて慣性誘導で飛行し、目標地点で翼を切り離して落下、爆発する空中魚雷ケタリング・バグが開発されていた。完成したのは1918年。世界初のUAVにして、巡航ミサイルの元祖とも言えるだろう。
ケタリング・バグは大戦の終結に間に合わず、1920年に開発は中止されてしまった。
だが、第二次世界大戦においてもヨーロッパ戦線に於いてV1ミサイルの発射基地を攻撃するために、爆弾を満載したB-17爆撃機にラジコン装置を取り付け、機体だけ敵陣に突っ込ませるというBQ-7「アフロディテ」という代物が研究されていた。
だがこの時もまだシステムが不完全で、離陸はパイロットが乗り込んで行い、爆弾の安全装置を解除してからラジコン操縦に切り替え脱出するというものだった。
実戦投入こそされたものの、このラジコン装置がくせ者で、結局は最後まで安定しなかった。ようやく使い物になった頃には既にフランスは解放済みで、一度も戦果は挙げられなかった。が、戦後改良されてミサイルの標的に使われており、ムダにはならなかった。
一方アメリカ海軍も第二次世界大戦の最中に無人攻撃機を開発しており、TDN-1、TDR-1の2種類の機体を完成させている。TDN-1は性能不足のため不採用となったが、TDR-1は太平洋戦争で実戦に投入され、日本軍への攻撃を行っている。
TDR-1はTBMアヴェンジャーに搭乗するオペレータが、TDR-1に搭載されたカメラからの映像を流すテレビ画面を見ながら遠隔操作するという、現代のUAVに近い制御システムを既に実装していた。また、攻撃方法も機体ごと突っ込むのではなく、爆弾や魚雷を搭載し、それを投下して攻撃を行うスタイルだった。実戦投入の成果は上々だったが、やはり当時は技術的な問題が多くTDR-1の配備計画は中止されている。だが、制御機であるTBMのパイロットに損害は出ておらず、UAVの有用性を示す事は出来たと言えるかもしれない。
ドイツ編
『報復兵器』と名付けられ、形勢逆転の切り札と宣伝されている。結局戦況を覆すには至らなかったが、ここで行われた研究はアメリカやソビエトに引き継がれた。
V1ミサイル(フィーぜラーFi103)
報復兵器V1。正式にはフィーぜラーFi103という、巡航ミサイルの本家とも言える兵器である。小型の航空機のような恰好をしており、開発時秘匿コードネームには「無人標的機」というものも含まれていた。
構造は簡素なエンジンに主翼が組み合わされ、操縦は小型の磁気コンパスだけで直進するという、どこまでも簡単づくしな兵器となった。容易に大量に生産でき、最盛期には毎日約100発がロンドンに向けて撃ちこまれている。
こんなモノでもイギリスは対処に大わらわとなり、最初はスピットファイア等の戦闘機が対応したが、V1には850㎏の爆薬が詰め込まれているので下手に射撃すると爆発し、時に巻き込まれて墜落する事例もあった。様々な対処法が試された結果、最も安全・有効だったのは「主翼を引っかけてひっくり返す」という方法だったという。
のちに飛行経路下にも高射砲が設置され、ようやく対V1対処法が完成する。
これにより最大97%とも言われる割合でV1を迎撃できるようになり、フランスの発射基地を制圧・占領したことでようやくロンドン市民は安寧を手に入れた。
その後ナチスドイツは爆撃機を使った空中発射方式に切り替えるが、これは地上基地発射方式にも増して失敗が多かった。更にただでさえ鈍重な爆撃機に大型で重いV1など積もうものなら性能低下は明らかで、発射前に撃墜される率も高かったという。
だが見るべき点もあり、相手側のイギリス曰く「すっげぇコスパのいい兵器」とのこと。実際、このV1を迎撃するために多くの人手・資源が投入されており(当然、最前線の兵力がそれだけ減少する)、チャーチルは『あと半年V1の実戦投入が早かったら、(人手・資源を取られすぎて)勝利できなかっただろう』と発言したらしい。
同時期にドイツが開発・配備したV2ロケットの10分の1のコストで生産でき、それでいて同等の威力を持ち、しかも当時のイギリスの重爆撃機ランカスターと比べても、「同量の爆弾を敵に叩き込むコストが安い」事、上述の「迎撃に多くの資源と人手を取られた」事、「(爆撃機と違い)撃墜されても攻撃側に人的被害が生じない」事などから、イギリス軍自身も戦後「合理的な兵器」との評価を下している。
また「簡単な航空機」としては手頃な存在でもあり、コクピットを設けて有人化した「ライヒェンベルク」が試作された。主な改造点は主翼に動翼を設け、操縦できるようにした事である。一応パイロットは突入直前に脱出する事になっていたが、狭いコックピットとエンジンが背部にある関係で脱出は極めて困難だったと考えられており、桜花のような事実上の特攻兵器と言える代物であった。そもそも人間が乗るようには設計されていなかったので操縦は難しく、テスト飛行で女流飛行家ハンナ・ライチュが墜死しかけたことで計画は頓挫した。元々巡航ミサイルのようなものだが、有人型が有ることで結果的にUAVと言えないこともない。
戦後の発展
戦後にUAVが普及した分野は標的機である。標的機は今までのような旧式化した軍用機(標的曳航機)では動きに制限があり、有人で操縦させるのは鬼畜すぎるため、UAVは標的機には最適な役割だった。
1970年代に入り、無線操縦や通信の技術が発達してくると、標的機以外にもUAVは広まり始めた。前述のBQM-34などは初めてジェットエンジンで駆動する無人標的機となったが、のちに偵察カメラを追加して敵奥地への強行偵察にも投入されている。
20世紀末になるとイラク戦争やアフガン戦争などで米軍のUAVが偵察や攻撃などで威力を発揮したことにより、軍事目的でのUAVの存在感が一気に増した。湾岸戦争等で使用されたものは映像の送信によって後方に居ながら戦場を俯瞰して見れるという程度であり、場合によってはせっかく目標を見つけたものの航路から正確な現在地を調べ、更にカメラの向きや倍率等から測量しなければ位置が分からないということもあったが、GPSの搭載によりリアルタイムに位置情報の確認が可能となり、無人機の位置や敵の位置などを正確に把握可能となった。
現在では自律で離着艦可能なものや高高度を24時間飛び続けるもの、閉所での偵察に使用する兵士一人で扱える超小型のものまで様々なものが登場している。
各国での現状
- アメリカ
軍事先進国の一つであるアメリカでは、UAVの研究も当然のように大きく進んでいる。
偵察機としてはベトナム戦争の頃には既に実用化されており、これは兵士の損耗を避ける目的もあった。湾岸戦争時には観測に加えて航空機の位置を欺瞞したり地対空兵器のレーダー潰しのデコイとしても使われた。アメリカ合衆国には後述のヨーロッパ各国と違い、歴史や伝統に囚われることなく「優れたものであれば何でも採用する」という合理主義的な気質があり、後押しされているのだろう。
- 日本
軍事面では他の先進国の後塵を拝する形となりがちな日本だが、実はUAVの研究はなかなか古く、戦後間もない1950年代の時点で既にUAVの研究が開始されている。主に偵察目的が中心とされているものの、無人ヘリコプターを使ってのミサイル攻撃も研究されているとか。
我々日本人にとって「機械化」「自動化」「無人化」というのは単なる合理化だけではなく、それこそ江戸時代の茶運び人形から続く、ある種のロマンのような部分もあるのだろうか…
ただし、少なくとも軍事用途に関しては未だ本格的な実戦配備がなかなか進んでいないのが現状である。
代表的なものは日立製作所「JUXS-S1」、富士重工「FFOS」など。
- ヨーロッパ
アメリカや日本と違い、ヨーロッパ各国ではUAVの研究や導入はそれほど進んでいない。これは単純に遠隔操作で動かしたりあるいは自立稼働をする、無人のメカなんて信用出来ないという意識や、そもそも宗教上の理由で機械を利用する思想に乏しい傾向もあるためと言われている。
もっとも、彼らの言い分も一理あると言える。例えば鉄道では「新交通システム」のようなよっぽど特殊なものでない限り、ATOで自動運転している路線に於いても運転台には「乗務員」という名目で運転士を乗せている(東京メトロ南北線、つくばエクスプレスなどがいい例)。これは「いくら自動化されていても最後に頼れるのはやはり人間」という考えがあるようだ。
全体で言えば商用UAVを含めたUAV市場に遅れを取っていたが、アフガニスタンやイラクでアメリカのUAVの活躍を目の当たりにした事で研究が進められている。代表的なものはダッソー「nEUROn」、EADS「バラクーダ」など。
- イスラエル
国情から人的資源が限られるためか、アメリカ以上に積極的に開発されている。ベンチャー企業を含め、多くの開発企業があり、その多くが諸外国にも輸出されている。2020年にアゼルバイジャンで使用された「IAI ハロップ」は神風ドローンと喧伝された。
代表的なものはエルビット・システムズ「ヘルメス900」、AAIコーポレーション/イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ「RQ-2 パイオニア」など。
- ロシア
量産前提で開発されている新型無人攻撃偵察機は「スホーイ S-70 オホートニク」(ロシア語で『狩人』の意味)である。機体形状はアメリカ合衆国で開発されていた「X-47B」同様に、ステルス性を考慮した全翼機。オホートニクはステルス機能によりレーダーで探知される可能性が低く、なおかつ大推力の「リューリカ=サトゥールン AL-31-M3-1ターボファンジェットエンジン」(アフターバーナー推力:14,500kg)を1基搭載。巡航速度1,100km/h、航続距離6,000km、最大離陸重量20t。2020年以降から順次ロシア軍に配備される予定である。
UAVの利点
搭乗員が危険に晒されない
UAVの最大の利点がこれ。人を乗せていないので撃墜されても誰も死なない。
例えば、漫画『エリア88』で地上空母の無人艦載機と戦った88メンバーが
「奴らは俺たちと違って血など流さない」
「たとえ撃墜されても次の飛行機を飛ばせば済むだけだ」
「動かしている奴らは高みの見物よ」
と評していたあたりに、この点の全てが集約されていると言ってもいい。
このため戦闘・攻撃任務にはもちろんのこと、警備が厳重な敵基地などの危険な場所(=撃墜されやすい場所)での偵察などに使われる事が多い。
衛星通信に対応しているものなら戦場にいるUAVを地球の反対側からでも制御できるし、魚雷発射管やVLSからの射出、輸送機の後部ランプや側面ドアなどからの投下など、有人機では不可能な方法での輸送、発射さえも可能となる。
敵防空網に侵入するという一番危険な敵防空網制圧(SEAD)でも有人機の代わりに危険を請け負っている。デコイとして侵攻方向や部隊規模を欺瞞したり、敵対空火器の攻撃を誘うだけでなく、照射されたレーダー波を元に目標を探して有人機へと伝達したり、レーダー波の発信源へと特攻する対レーダーミサイル代わりになるもの、更には電子妨害を行えるものも登場している。
有人の電子戦機を地対空兵器に守られた敵地に進入させる必要も無く、UAVに搭載されたセンサーから得た情報や照射されたレーダー波といった受信した情報を元に敵の位置をデータリンクを用いて伝えれば既存の非ステルス機のワイルド・ウィーゼルは双方のレーダー照射範囲の外側から攻撃が可能となる。
遂には弾頭を搭載して目標へ突入する自爆突入型UAV(徘徊型兵器)も登場している。こうなるとミサイルとの区別が曖昧になるが、下手なミサイルより安価な上に静粛性に優れ、小さいものだとレーダーにも探知されにくい上通常の地対空ミサイルでは対処不可能となるため、後述するようにテロリストの新たな武器として国際問題になりつつある。
長時間高高度飛行を行なう時にも、SR-71やU-2のパイロットのように宇宙服に等しい装備を必要とせず、装備の着脱のために長時間パイロットを拘束する必要もなく、過酷な状況で大きくかかるパイロットへの肉体的負担も一切ない。撃墜や機体のトラブル等で脱出の必要がある際、高高度偵察機は通常の機体よりも更に高い危険を伴うのだが、無人機の場合はその心配をする必要がない。
有人機の場合、撃墜または故障により脱出した場合、エネミーラインを超えた側まで救助のための部隊を派遣せねばならず、その人員の被害も考慮しなければならない。現にボスニア紛争では戦闘の規模にかかわらず救助のための大規模部隊が必要となる事が明らかとなっている。乗員死亡の場合でも機密保持や遺体の回収のために人員を派遣せねばならないが、無人機の場合はそもそも人員がいないので救出部隊の派遣は必要なく、万一機体の破壊が必要でも空爆するだけで十分なのである。
そして負傷により退役となれば退役軍人としての保障が必要で、傷痍軍人となった場合は慰労及び補償等が、死亡の場合は死亡給付金等も必要となるが、無人機の場合はそれが必要となることはない。
また、搭乗員に犠牲者が出ないと言うことは派兵の際にも世論、特にマスメディアに対して失点となる要素を減らすことが出来る。「世論は何かあれば派兵を叫ぶ割に兵士に死者が出るとすぐ反戦に傾く」とまで言われる先進国においては危険な任務であっても犠牲者は出ないため、少なくとも自国民が死ぬことへの批判は難しくなるのである。
アメリカ軍の場合は有人機と異なり議会による派遣の承認が必要なく、即座に派遣する事が可能となっている事も利点となっている。
エリア88地上空母編
F/A-18やハリアーを改造したUAVを艦載機として搭載している。操縦は映画『ショートサーキット』のようなロボットがコックピットに配置されて操縦していた。なお、このロボットはただ座らせているだけのようで、作中では真がロボットを叩き壊してから搭乗していた。なお、有人機をUAV化する計画は現実でもF-35、グリペンなどで行われており、標的機という程度であればF-104、F-4、F-16等を改修して実用化されている。
エースコンバット7
「UAVの将来」をテーマの一つに掲げるだけあって、アーセナルバードを筆頭に多数のUAVが登場する他、F/A-18FやSu-35Sなどの有人機をUAV化したものも登場する。操縦については伝説のエースパイロットのデータを反映した自律型AIによって行われており、有人機は「コプロ」と呼ばれる球形AIユニットをコックピットに搭載することでUAV化している。AIには主に独自の判断で行動する「完全自律モード」と、有人機によって管制される「スレイブモード」の2種類の機能が搭載されている。そしてその進化の果てに、物語終盤では「最悪の無秩序」と評される代物が登場する事となる。
劇中では有人機と異なり誤爆がない「クリーンな戦争」であるとアピールして世論を味方に付けるとともに、劣る戦力を補うために占拠した地域の宇宙開発の為の無人工場までも利用して大量投入、そして無人機に対処されるようになると更なる新型を投入していき、それが最悪の無秩序に繋がる事となる。
有人では考えられないような変な動きができる
代表的な例はTRDIが開発した小型UAV・球形飛行体、NASAやDARPAなどが開発したX-51ウェブライダーなどが挙げられる。人を乗せていないので軽くできる上、高速飛行によって生じる熱などを気にすることなく、思いっきり変な動きができるのだ。
また、人間の限界から有人機は9G旋回の維持は難しいとされているが、無人機の場合はそれを無視して高G旋回を維持することも可能となる。(もちろん飛行後には検査行きとなってしまうが)。搭乗者が加速のGで潰れることも気にしなくていい、とも言われるが、人間が潰れるようなGに耐えられる精密機器は現状なく、ブラックアウト(意識障害)やG-LOC(Gによる意識喪失)がないという程度なので、これはまだSFないしは未来の世界での話である。
有人では不可能な長時間飛行が出来る
多くの軍用機では燃料の補給こそ空中給油で可能だが、大型機でなければパイロットの交代ができないのでパイロットの疲労から有人航空機では飛行時間に限りがある(特に偵察任務では疲労が大きい)。
だが、無人航空機であれば機体の限界まで飛び続けることが出来る。UAVに指示を出すオペレータは交代すれば良いし、自律飛行が可能であれば自動操縦に任せることも出来るわけだ。
もちろん休憩も機内のような狭い場所ではなくカフェなどの広い場所でくつろぐことが出来る。
また有人の航空機とは異なり、一度帰還していたとしても機体の整備や補給が済めば即座に再出動が可能で、乗員に関しては別のオペレーターに担当させるか自律飛行させればいいので、一機体あたりのソーティー数を多くする事も出来る。
圧倒的な小型化、目的特化のデザインが可能
人を乗せなくていいということは搭乗スペースや安全装置などを撤廃する事ができるということでもあり、これはデザイン上の自由度を大幅に増す事ができるということも意味する。
よって有人飛行機には見られない個性的なデザインの機体が多く見られる(今や民間ドローンの代表的な姿となっているマルチコプターもそのひとつである)。
「サイファー」のようなダクテッドファンだけの機体、「トマホーク」のような帰還を考えずに長距離飛行した後に目標へと弾頭を運搬する、「スイッチブレード」のように偵察だけでなく敵を見つけたらそのまま目標に突撃させて自爆させるミサイルを兼ねているといった帰還を考えない機体を作ることも出来る。
また、機体自体が軽量のため、ボールトンポールのVTOL機の様に有人の航空機では実現不可能であった推進用とは別に主翼内に(水平飛行時にはデッドウェイトとなる)VTOL用のリフトファンを搭載した固定翼機のような機も作ることが出来る。
大きさも目的に応じて結構ピンキリで、普通の飛行機と変わらないものからラジコン飛行機くらい小さいものまでさまざま。
小さいものなら歩兵1人が分解して持ち運ぶ事ができ、「ちょっと丘の向こう側を見てくる」程度なら簡単に現場へ持ち運んで運用できる。また、ヘリコプター型でなくても簡単なカタパルトで発進しパラシュートやネットなどを使って回収する方式を取る事で、わざわざ飛行場を使わなくても飛ばす事ができる。輸送機の後部カーゴランプからの空中投下によって発進させるものも存在する。
自衛隊は紙飛行機並みのサイズの手投げ式偵察用UAVを開発していたりするし、アメリカ陸軍やイスラエルAIA社等では昆虫型UAVが、イギリス軍も超小型のUAVを開発している。
だからといってカナダ、いくらなんでもTEN○Aみたいなデザインにするこたぁないでしょうに。
コストが安い
撃墜される可能性を考えた設計であれば戦闘機、もしくはCOIN機よりも圧倒的に安いコストで作ることが出来る。
人が乗らないので必要最低限のサイズにすることが出来るだけなく、機体を守るためにフレアといった自衛用装備や高価な電子戦装備、脅威を捉える自衛用のセンサー等を積む必要もなく、前述のように高コストな人間とそれを守るための高価な装備も積む必要がない、さらに有人機に近いサイズであっても比較的軽量なので高価なエンジンを積む必要がない。
多くは機体の構造はハード的には非常に高価なラジコンといった程度で、中には市販のパソコンで制御可能なものもある。現在ではステルスは外見や構造を模倣した程度ではそれほど脅威ではなく、重要なのはソフトウェアを含めたシステム一式なので消耗を前提とした一部分が敵に渡ったとしても脅威は比較的少ない。
敵側に高価な対空ミサイル等や航空機運用に関わるさまざまなものを消耗させ、時間を問わない迎撃のためのストレスを与える一方で、こちらは安い無人機を消耗する程度で時間も昼間であったりと都合の良い時間帯の地域から遠隔操縦すればよいと、相手に金銭的・人的な負担を掛けさせることが出来る。
実験機の場合も新技術の実験の際にも余分な機材を積む必要がなく、機体が損耗した場合でも損害は最低限で済む。
片道使い捨てと割り切って段ボールの外装とテープ止めで作られたUAVなんてものも研究されている。見た目は子供は作った段ボール飛行機のような代物だが航続距離約100km、ペイロード1kg以上と遜色無い代物。
搭乗員の項目と重なるが、乗員救助のためのコストが不要となる。
なにより、軍用機でいちばん高価な『部品』とは、パイロット以外のなにものでもない。
ただし、大型の機体になると地上制御施設も本格的なものになり、値も相応に張る。
ものによっては対処しにくい
普通の航空機サイズのUAVであれば、これまでの防空システムで十分対処可能であるが、ちょっとした鳥程度のサイズとなると、上述したように小さすぎて迎撃はおろかレーダーで見つける事すら困難であり、発熱も少ないので赤外線センサーにも引っかかりにくい。仮に迎撃できたとしても上述したような安価なUAV相手に高価なミサイルを使ってはあまりに費用対効果が悪い。こちらが金銭的な意味で先に潰れるのがオチである。かといって機関砲を使うと今度は射程が足りないというジレンマに陥ってしまう。つまり、現状小さなUAVを遠くから迎撃する効果的な手段は事実上ないと言ってもいい。
サウジアラビアではUAVが防空網をかいくぐって石油施設を攻撃する事件が起きた他、防空が厳重なアメリカ海軍の空母でさえイランのUAVに真上から撮影されるという事態が起きている。2020年のナゴルノ・カラバフ紛争や2022年からのロシアによるウクライナ侵攻では、UAVによる攻撃が猛威を振るい、UAVの有用性およびUAVに対する防御手段の欠如が世界的に知られるようになった。
近年の民間市場におけるドローン市場の拡大により、高性能なUAVの入手が比較的容易に可能で、本格的な産業用ラジコンヘリ等と比べて操縦も簡単、物によって事前に経路を入力したり追従とすれば操縦の必要すらない事から、盗撮のような犯罪行為に使われたり、CBRNeを搭載したUAVを簡易的な巡航ミサイルとしてテロ等に使われる可能性も示唆されている。
小型のものは航続距離や環境への対処能力が低い事から軍用の大型機と比べて脅威度は低いものの、テロという面では非常に脅威である。
規制やプログラムの制限を加えたところで犯罪に使おうとする人間は規制を無視し、制限を解除してしまうため、UAV自体の悪用を事前に防ぐことは難しく、非常に脅威度の高いものとなっている。
2015年04月22日に日本国首相官邸屋上にてドローンが発見され、放射性マークの貼られた容器及び発煙筒が搭載されていたことでこの懸念は現実のものとなった。
ISILが民生型ドローンを改造したものを使用しており、2016年10月にはISILが使用したものと思われる墜落したドローンを調査中に爆発してクルド人部隊とフランス軍に被害が出ており、2017年1月にはISILのテロリストから押収した4機のドローンには爆薬や手榴弾を投下する機構が取り付けられていた。
また、動画サイトなどで拳銃やショットガン等を搭載し、発砲後に姿勢を再安定させているドローンの映像が公開されており、民生型のドローンであってもミサイルのような自爆以外の攻撃手段を持つUCAV化が可能であることが明らかとなった。
ベラルーシではクアッドコプターにRPG-26と思われる対戦車ロケットランチャーを取り付けたものが軍用のプロトタイプとして展示飛行及びデモ射撃が行われており、2門搭載型の大型UAVも展示されていた。
ちなみに日本国内のサバイバルゲームで撮影だけでなく偵察にも使われ、BB弾の投下機構を持つ攻撃能力を持つ機体が投入されたこともあったが、現在は法規制により物資投下機構は禁止されている。
対策としては、艦艇の対空機関砲や戦車のアクティブ防御システムを小型UAVに対応する改修が行われている他、そういったものが使用できない都市部といった場所では妨害電波を発生させて操縦できなくさせる、ミサイル迎撃でも注目されているレーザー光線や高出力マイクロ波を使う、訓練を施した鷹に捕まえさせる、目には目をとばかりにUAVをミサイルのように使ってUAVを迎撃するなどの方法が研究されている。
ドローン・スウォームをスマート時限信管で無力化するラインメタル製防空システム「Skynex」
パリ五輪を前に妨害電波銃を使用した対ドローン訓練の様子
また、近距離用としてはネット弾やボーロー弾のようにプロペラを絡ませて落とすといった周辺に被害が少ない対ドローン用の弾も研究されている。
UAVの欠点
オペレータの精神的な負担が増える
先ほど「人間が死なない」とは書いたが、一方で遠隔操作型のUAVの場合は実際はオペレータの精神的な負担が増える例もあると言われている。
特に本国から遥か遠くの戦場にあるUAVを操縦する場合、「お仕事」の内容がアレなので日常生活とのギャップが激しすぎるため精神的な負担が非常に大きくなるとされている。
何しろ日常生活のすぐ隣で戦争に参加しているという状態な上に、近年の高性能カメラが捉える生々しい映像を見せられるということになるのだから。
UAVの特性からすれば民間企業と同じように「1日8時間労働・休憩付き・通勤可能、業務内容:無人機を操作して敵基地の偵察や攻撃」なんてのも可能であるが、このことが(特に敵を攻撃するような任務や戦果確認任務に就いた場合)強烈なPTSDの原因になるとも指摘されている。
通常の戦地に派遣されるパイロットであれば帰国に合わせてメンタルケア等が行なわれており、十分とはいえないものの平和な日常への適応が行なわれるが、UAVのオペレータの場合はそのようなケアが十分ではないまま勤務時間の終了により日常生活に放り出されることとなり、精神負担は大きなものとなってしまう。
また、操縦は委託を受けた企業の民間人が勤める場合がある。兵装の使用は軍人が行うものの、戦果確認や戦況確認を行う(これは観測任務であっても必要なことである)必要があるため、軍人と変わらない精神的負担を碌な訓練を受けていない民間人が受ける形になってしまい、これもPTSDを増やす原因になってしまっているとも言われている。
これは軍事用に限らない問題であり、災害時に無人機を運用する場合にも考えなければならない。
報道で災害現場から送られ続ける映像を見続けた結果、被害を一切受けず、現地に赴いたことがないにもかかわらずPTSDの症状が出たという例があるのだから。
加えて、軍の場合は
- (エリートの)パイロットになったのに、実際は安全な地上でラジコン(無人機)を飛ばすだけという理想と現実の差
- 厳しい訓練を受けていない民間人や、負傷などで飛べなくなったパイロット、落第し転向した元パイロット志望者等と同じ立場となることで左遷と感じてしまう
- 同僚や友軍は過酷な戦場で命を懸けているのに自分は安全な後方で、しかも快適な部屋で支援をしているという状況から、支援がうまく出来て当たり前、帰国できない兵士が出たらそれは自分の責任であると自分を追い詰めるようなことを考えてしまう
- 戦場から離れた環境にいる場合、戦場にいる友軍から低く評価されてしまう
といった事もストレスの一因となっている。
さらにアメリカ軍では、先に挙げたように議会の承認なく派遣が可能であるため気軽に使える分無人機を使うことが増えたため、オバマ政権以降ではUAVオペレータの業務がブラック化しているという問題も生じている。
有人機パイロットの年平均飛行時間が200~300時間であるのに対して、UAVオペレータは900~1,100時間以上と3倍以上もの差があり、労働時間は平均で週6日・1日14時間にも登っている。当然劣悪な環境ゆえ人手不足に陥っており、しかも危険と隣り合わせでない故に名誉勲章がもらえず、普通のパイロットと比べると待遇が悪いという問題もある。この環境をいかにして改善するかがアメリカ軍の悩みの種となっているという。
『「1日8時間労働・休憩付き・通勤可能、業務内容:無人機を操作して敵基地の偵察や攻撃」なんてのも可能』と先述したが、これは理論上の話でしかない。現実は非情である……
即応性の低下
搭乗員が航空機に乗って操縦している有人機と違い、回線を通して送受する無人機はどうしてもタイムラグが生じてしまい、反応が遅れて対応しきれない事態が生じてしまう。
地形や天候に応じて航路を修正する程度であれば自律飛行に任せることもできるが、とっさの判断をすることはどうしても難しくなる。もっとも殆どの場合はそれをする必要がないが、他の航空機と空中衝突する危険を察知・回避する事が難しいという安全上の問題点はシャレにならないもので、航空交通が過密な国では安全面の配慮から導入を断念した所もある。
完全な自律飛行を行った場合はプログラムに沿って行動する分には問題はないが、(今の所は)人間の判断を必要とする攻撃や危機回避は即座に対応することは難しい。
また、情報収集が機体のセンサーに限定される事も相まって、オペレータの判断ミスによる誤爆が発生しやすいという問題もある。このため、現代でも人が現場に行って判断できる有人偵察機や偵察兵等の需要は消えていない。
外部からの干渉を受けやすい
完全自立機動でない機体の場合、外部からの無線通信で機体を操縦し、無線通信で得た情報を送信することとなる。
完全自律であったとしてもGPS等の外部からの電波をもとに現在位置を測量していた場合、現在地を誤認する等が起きてしまう。
これは、何らかの理由で通信断絶してしまうと制御不能になる事を意味する。実際、アメリカでは通信断絶したUAVがワシントンDCの飛行禁止空域に侵入してしまい、通信回復こそできたが一時は撃墜もやむなしかという騒ぎになった事がある。
対策として、通信断絶した場合「自動的に離陸場所に戻る」「安全な空域で通信回復するまで周回飛行し続ける」ようにプログラムされている機種もある。
それでも、妨害・傍受されやすいという無線通信の弱点がどうしても出てきてしまう。傍受対策をそれほど求めていなかったというのもあるが、アメリカ軍が運用していたプレデターの撮影した映像が(もともと暗号強度は高くなかったとはいえ)ターリバーンによって傍受されていた、という実例が既に存在しており、また多くの電波が行きかう都市部では、混線によって意図せぬ動作が発生、事故が生じるリスクも指摘されている。
真相が不明瞭な情報も含めれば、2011年にイランがほぼ無傷で鹵獲したアメリカ軍のステルス無人偵察機RQ-170センチネルを公開した際「電子的に侵入して奪った」と発表している。イランの発表が事実だと仮定する場合、基地のGPSデータを偽の情報で上書きし、イランの領土内に着陸させたのではないかといわれている。
現在研究されている「戦闘機から制御する空中戦用UAV」に武装化が考えられていないのは、このように乗っ取られる危険性がある事が一番大きい。
近年では、それならばと有線式のものも登場したが、線で繋がっている以上、行動に制限が出てしまうのは言うまでもない。
ノウハウ蓄積と費用
まず研究・開発に費用がかかる。次にそれをどう使うかも研究する必要もある。
「最新鋭の戦闘機よりもそのパイロットを育成するほうが高価」といわれるような先進諸国においては、人員の損害は即・巨額負債となるので、高額な費用をかけてでも導入する意義はある。
だが、その費用はいまのところ、冷戦が終わり、軍事費が大幅削減されたうえに、低激烈度紛争が多発するなかでは目先の費用(弾薬費や兵器の追加購入費、または退役・傷痍軍人への年金など)にかまけて十分に支出できないことも多々あり、その意義が固まっていない軍事UAVの導入はあまりすすんではいないのが現状である。
肝心の『いったい何の役に立つのか』という部分が明確ではないのだ。それでも研究・開発が進められてきたのは「いつか何かの役に立つかもしれない」という先見があったからで、つまりは費用を捻出できる先進国に限られている。
また、ステルス無人攻撃機のX-47がアメリカ海軍の操縦者派閥の反対により高いステルス性と攻撃能力を持たせず、ほどほどのステルス性を持つ程度の機体にして酷使している空中給油機の代替機にまで規模が縮小するなど、職域の侵入を嫌う圧力によって研究や配備が進まないという問題もある。
現在でこそノウハウの蓄積も進み、偵察以外の用途も見出されるようになってきたが、そのことはUAVに発展の余地がある一方で、まだまだ研究・発展の必要もあるということでもある。
今は「人間と比べ物にならないくらい安い」とはいえ、最終的にどこまで発展するのか・本当に安価に済むのか等、『研究しなければわからないが、その研究に追いつくためには費用が余計にかかる』という問題に突き当たり、要は最初の問題点に立ち戻ることになる。
却って高くつく場合も
人的被害がないからと啓開前の空域に侵入したり、即応性の低さによる被弾や些細なトラブルでの墜落、電波妨害等による行方不明など、ドローンは基本的に有人機より生存性能が低い。
いくら一機当たりのコストや人的損耗による政治リスクが少ないと言っても、あまり雑に使って有人機以上に損失を出しまくると、トータルのコストが有人機を上回りかねない。
特に繰り返し運用が可能な大型機は、最新戦闘機よりマシというだけで非常に高価である。このためおいそれと危険な空域に投じるわけにもいかず、有人機によって安全を確保した後でなければ進出できない状況になっている。
民間人への誤爆
無人攻撃機による攻撃は民間人への誤爆や巻き添えが多いことが問題視されている。即応性の低下の項目でも書かれているが、無人攻撃機はそれにより得られる情報が有人機と比べ限られている事に加え、人的被害を避けるために諜報員や地上誘導員散った人員を派遣しなかったために現地で調査することが難しい事が多く、攻撃で死亡したのが戦闘員なのか民間人なのかを判別しにくい。そのため政府の発表による統計と第三者機関による統計の数に隔たりがあることも非難を集めている。
戦争そのものの理念が失われかねない
最も現状最も空想的だが確実に現実に近づいていることである。
先に挙げた民間人への誤爆を除いて全てを解決するできるであろう方法がAIによる自立運用化である。だが自立運用化することは外部からの干渉の機会が極端に減ることを意味する。
例えば先述と重なるが非武装の民間人を攻撃した場合や開戦か否かを判断するためにとりあえず現地に無人機を派遣した場合、無人機側が勝手に判断して攻撃をした場合責任は誰が取るのかという点がある。前者であればまだ誤爆の一言で何とかなるかもしれないが後者の場合、結果として戦争そのものの理念が失われかねない。エースコンバット7ではそれが端的に表されているとも言える。
世論からの批判の一つである自国の兵士の被害に配慮した結果、無人機を中心に派遣する事も無関係とは言えない。
事故が起きた場合の責任の所在
軍用に限らず民間用も同様だが、自律飛行時に事故が起きたり、輸送している貨物が破損するといった問題が起きた場合、事故原因・責任関係の複雑化しやすく、責任の所在が分かりにくい。
これは自動運転車なども同様で、人が操縦している場合は操縦者の責任となるが、自立飛行中はプログラムを組んだものの責任なのか、回避の制限されたUAVに不用意に近づくといった側の責任なのか責任の所在があいまいになりやすく、法整備が進められているが、現状では十分とは言えない部分がある。
UAVの例
アメリカ
- QH-50 DASH
アメリカで最初に実戦投入された無人機で、まさに元祖。(当時は「ドローン」と呼ばれていた)
「空飛ぶ標的」として開発されていたので、もちろん演習で撃墜される役を担った。
その後は偵察機にも改造されたり、あるいは友好国にも輸出されており、現在でも世界の空を(標的として)飛び回っている。なお、現在でもJAL123墜落事件の原因として挙げられることもあるが、まったく荒唐無稽な説である。
有人戦闘機を改造した無人機...といっても標的機だが。
遠隔操縦や自動操縦で離陸し、指定された空域で飛行して撃墜される役割。
7G旋回等のある程度の戦闘機動が可能となり、対空ミサイル等の更なる高性能化へと寄与する予定。
標的機とは別の計画であるが、ロッキード・マーティン社のロイヤル・ウイングマン計画では完全自律飛行を可能とした無人機でF-35等を指揮機として有人機をサポートする無人戦闘機とする予定。
実験ではミッションプランに従い飛行経路を自律で選択、目標に向かい対地攻撃をするだけでなく敵機の遭遇に対応してミッションの継続を行なうことに成功した。
ノースロップ・グラマンが開発した偵察用UAV。
攻撃能力を持たない純粋な偵察用である。長大な航続距離を持ち、長時間の偵察が可能。
ターボファンエンジンを動力として用いる。
日本に於いてもブロック30の導入を計画しているが、アメリカでは調達終了した機種であり、レーダーは代替品を新規開発せねばならず、中止を含め計画の見直しが検討されている。
最初から無人偵察機として開発されたUAV。
MQ-1はグローバルホークとは違い攻撃能力を付与された事から、多用途を意味するMへと名称が変更された。
開発にはCIAが関与している。
MQ-9「リーパー」、MQ-1C「グレイイーグル」、「アヴェンジャー(プレデターC)」などの原型にもなっている。
プレデターの改良型のひとつ。
プレデターよりも機体が大型化され、性能なども向上している。
尤もプレデターはCIAの要望で設計された機体であるため、隠密性などの面から「あえて」大型化を避けたという側面もあるのだが。
シコルスキー社が開発した二重反転回転翼を持つUAV。
デモンストレーターとして開発されたが、とあるゲームで登場したために非常に知名度が高くなった。
ロータリーエンジンを搭載している。
ちなみにペイロードに余裕は少なく、武装することは出来ない。
アメリカ海軍の無人艦載機。
X-47Bがニミッツ級航空母艦ジョージ・H・W・ブッシュにて離着艦試験に成功している。
レーザー及びマイクロ波によるミサイル迎撃や通信設備の破壊を行なえ、レーザー誘導爆弾及び空対空ミサイルの運用が可能となる予定であったが計画中止に。
中止となった理由の一説には「俺たちの仕事を奪う気か!!」と海軍アビエーター達から非難が殺到したためとも。
- MQ-25 スティングレイ
計画中止となったX-47に変わって開発される艦載型UAVで、攻撃能力を持たずに空中給油が主任務で偵察も行なえるようになる予定。
空中給油機型はRAQ-25となる。
- イーグル・アイ(モデル 918)
ベル・ヘリコプター社のティルトローター式UAV。
無人型のV-22みたいなもの。
AeroVironment Inc.製の歩兵が一人で扱えるUAV。
動力を持たずに筒型の発射体から射出され、地上のオペレーターの操作により上空を遊弋し、偵察を行う。
回収する事で再利用可能だが、必要とあらば体当たりすることで搭載された弾頭を起爆させるミサイルのように使うことも出来る。
アメリカ海兵隊では段階的退役が迫るM327 120㎜迫撃砲の後継として一時期検討しており、類似した他社製品(レイセオン製コヨーテ及びユービジョン製ヒーロー・シリーズ)と共に市場調査を行う計画があった。
オーストラリア
- Drone40
DefendTex社の40mmグレネードランチャーから発射するマルチコプタータイプのUAV。
偵察可能な時間は約20分、航続距離は約10㎞。
弾頭部にカメラを搭載する以外に榴弾や気化爆弾等の攻撃用の弾頭の搭載が可能。
遠隔操縦だけでなく自律飛行も可能で、群れで飛行させることも可能。
日本
TRDIが開発したラジコン式の試作UAV。
テイルシッター機を球形のフレーム内に収めた構造をしている。
ぶっちゃけ、動きに関して言えばリアルあんなもの。
F-15J戦闘機に搭載されて空中発進する偵察用ジェットUAV。
GPSで航路を補正しながら自律しながら着陸まで可能。
あくまでも試験的なものらしく、4年程度の運用で終わった。
カナダ
カナディア社が開発していたフライングTE○GA…じゃなかった、VTOL型UAV。
どう見ても「アレ」にしか見えない機体のくびれの部分に、二重反転式のローターが付いている。
イスラエル
IAI社のSEAD向けの徘徊型UAV。
事前に設定した空域を飛行し、照射されたレーダー波を元に高価値目標であるレーダーに突撃、自爆する対レーダーミサイルのようなUAV。
通常のミサイルと異なり、目標が見つからなかった場合は自動的に帰還し、再利用可能となっている。
トルコ
- バイラクタルTB2
トルコ軍向けに製造された。
2020年のナゴルノ・カラバフ紛争でアゼルバイジャンが投入して有名になった。
イラン
- シャヘド136
鹵獲したアメリカ軍のUAVを元に製造されたらしい。
2022年のウクライナ侵攻にてロシアが投入して知名度を上げた。
関連タグ
エースコンバット Z.O.E. マーレボルジェ アーセナルバード クオックス
COD:MWシリーズ(COD4:MW COD:MW2 COD:MW3 COD:MW CoD:MWII CoD:MWIII)