Su-35は、ロシアのスホーイで開発された第4.5世代ジェット戦闘機。
2種存在する。
初代・T-10M系統
Su-27をベースに輸出目的で開発された機体で、初飛行はソ連崩壊前の1988年。
Su-35の型番が与えられるまではSu-27Mの名で知られていた。
NATOコードネームはフランカーE1(Flanker-E1)。
新型レーダーの導入による機首の大型化、それに伴うカナード翼の追加が大きな特徴で、これにより従来のSu-27を上回る機動性が実現された。また、ごく初期の試作機を除いて垂直尾翼の面積が拡大されている。
かつては輸出を目指して派生形を含めて各国に提案していたがいずれも採用されず、2代目が登場した今ではすでに過去の存在となっている。
生産機の一部はロシア空軍のアクロバットチーム「ルースキエ・ヴィーチャズィ(ロシアン・ナイツ)」に供給されたが普段の展示飛行では使用されておらず、稼動状態は不明。
派生型
- Su-37:推力偏向ノズルの導入により運動性能が飛躍的に向上。
- Su-35UB:複座型。Su-37やSu-30MKIで実装された高度な兵装管制・アビオニクスが結集されたT-10M系統の最高級タイプとして製造されたが、採用されず。
登場作品
- エースコンバットシリーズ
- エースコンバット2:主役機を務める。
- エースコンバット04
- エースコンバット5:ユークトバニアのアグレッサー飛行隊「オヴニル」の装備機として登場。
2代目・T-10BM系統
Su-27SM2から発展した第4++世代戦闘機(※1)で、初飛行は2008年。
初代との区別のため、当初はSu-35BMと呼ばれることもあったが、現在ではSu-35Sの型番が最も一般的となっている。
NATOコードネームはフランカーM(Flanker-M)。
レーダーの軽量化や推力偏向ノズル、CCV技術など、Su-37やPAK-FAの開発・試験で得られた新技術の導入により、従来のSu-27発展型や初代Su-35に存在したカナード翼や背面エアブレーキが廃止された。
他にも、炭素繊維素材や電波吸収材料、HMD等の採用により大幅な改良が施されている。
(※1:ロシアが本機の宣伝に際し、第4世代機の中でもより第5世代に近い機体として用いた区分。)
実戦投入
- シリア内戦
4機程度のSu-35が投入され、通常爆弾や滑空爆弾を使用での対地任務が広範囲で目撃された他、他国軍機へのミッションキル(※2)を複数回(米相手に1回トルコに1回イスラエルに3回)実施した。無損失。
シリア内戦よりも大規模な機数が運用されており、2023年秋の時点で空対空で7機の固定翼機と1機の回転翼機の撃墜戦果があり、逆に空対空戦闘で1機、対空兵器で1機、同士討ちで1機が撃墜され、更に1機が何らかの理由で地上大破しており、最低でも合計4機が失われていると考えられる。
生産状況は西側諸国の電子機器輸出制裁により悪化している模様。
(※2:ロックオンで相手機を妨害するなどして回避機動を強い、燃料を消耗させて作戦行動を放棄させる戦術。)
登場作品
- エースコンバットシリーズ
- アサルトホライゾン:敵の主役アンドレイ・マルコフの搭乗機。
- エースコンバット7