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J-11

じぇーじゅういち

1990年に交渉が開始され、MiG-29との競争に勝利して導入された、Su-27の中国仕様および国産化モデル。当初は購入、のちにノックダウン生産、現在ではかなりの部分までが国内で生産できるようになっている。
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『空があぶない!』編集

時は冷戦も後半期。

中国が共産主義思想をめぐってロシアと決別し、しかしベトナム戦争ではひとまず共に共産主義勢力を応援して勝利をおさめた後のこと。


この戦争では歩兵に頼った「旧来の」戦争が見直されたのだが、同時に「戦争はなるべく短期で終わらせること。そのためには高度な専門訓練を受けたプロが一気に終わらせるのが理想的である」という、兵法以来の原則も脚光を浴びることになった。以降アメリカはリチャード・ニクソンが出身の共和党がよく主張するように、軍の徴兵による数増しを見直し、職業軍人を中心とした精兵集団への転換を図っていくことになる。結局、湾岸戦争では『数の多さは質のかわりにはならない』という、当たり前といえば当たり前の法則が改めて見直されることになった。


量よりも質が大事。

それに引き換え、中国空軍・海軍航空隊の装備はどうか。その当時で生産できたのはJ-6(MiG-19)にH-5(Il-28)、H-6(Tu-16)、それに発展もまだまだ途上のJ-7(MiG-21)というところで、アメリカの最新鋭戦闘機どころか、ソビエトのやや遅れた戦闘機にすら劣るありさまだった。事実、珍宝島事件ではJ-7は当時のロシア最新鋭戦闘機に全く手も足も出ず、技術力不足が痛切に感じられていたのだった。


そこで中国は新型戦闘機の研究と開発を開始する。

が、そんなものは一朝一夕に成るものではなく、もちろん各国とも最新鋭・最重要の機密をそうそう明かすことはない。当然ながらJ-7から、どこかで見たような気がする発展(=Ye152)を遂げたJ-8でお茶を濁すことになる。(正確に言うとアメリカの協力の元、スーパー7計画やj-8ⅱなど技術供与や装備の導入、共同開発の計画が進んでいたものの、これから本格化するという所で天安門事件が起きてしまい全てオジャンになった。)


恥を忍んで現実的解決!編集

結局、危機感こそあっても、80年代まではどうしようもならなかったらしく、ゴルバチョフ大統領が訪中して国交を正常化した(1989年)後にSu-27もしくはMiG-29の購入を打診し、テストの結果、1991年からSu-27の導入が始まることになった。おそらくはソビエト崩壊のどさくさ紛れに、技術を買い叩いてやろうと意図もあったことだろう。


中国は当初から国産化を目指しており、1995年にはライセンス生産契約を締結し、もはや古すぎるJ-6や、輸出するには少々恥ずかしいJ-8以来は仕事の無かった瀋陽飛機工業集団(SAC)に生産が任されることになった。


もちろんSu-27の生産には、それまで中国では未知だった技術も多くあり、まずは膨大な解説書のすべてを翻訳することから始まった。が、現在に至るも完全な国産化は許されていないようで、しかも許されていないのはエンジンや電子機器といった、軍用機としては心臓や頭脳にあたるような部分であった。


また、対地攻撃にもほとんど対応していないのも弱点で、使えるのはせいぜい単純な爆弾やロケット弾程度と、大いに不満があるものになった。結局、J-11は60機ほどの生産で終わり、またコクピットをグラスコクピット化したJ-11Aも36機という少数生産で終わることになる。


Su-27の対地攻撃能力編集

なお、これは本国(ロシア防空軍)では専門外とされていた分野で、本来は長距離防空戦闘機として開発されていたのだから、当然といえば当然である。対地攻撃は空軍のMiG-29Su-25が担当するような分野なのだ。


「隣国を支援する国は滅びる」編集

ロシアとしては中国に(中国にとっては最先端の)兵器を輸出することで、これを操作できると読んでいるもよう。実際、現在でもロシア製兵器は中国軍の一線を担っており、この供給が絶たれると戦争継続に困難をもたらす。


中国が独自に最先端兵器の国産化を目指す理由はまさしくコレ。


J-11B編集

そこで、中国では許されていない部分をライセンス生産で培った(?)技術で補った、J-11Bが登場することになった。元がロシア製であり、ロシアからの部品供給に頼った兵器では安全保障上望ましくないという危機感もぬぐい切れない。ましてやロシアは過去に紛争を経験した、敵国候補なのだ。


こうして生まれたJ-11Bは2002年に開発が発表され、部分的ながらも中国独自の変更が加えられた機である。機体の一部には複合材が使われ、原型以上の軽量化を果たしている。また一方で搭載力や航続距離拡大のため機体構造が強化されているが、一般に構造強化は重量増加も同然であるため、総合的な収支でどの程度となったのかは不明。


エンジン編集

エンジンはCFM56の国産化を目指して開発されていたWS-10、ロシア製のリューリカAL-31F生産で培ったノウハウを加えて完成されたものとされている。もちろん当初はうまくいかず、2009年

ごろまでは満足いく性能を得られなかった。2010年から状況はガラリと変わり、現在では最新のAL-31F-M1に近い性能を得ているといわれている。これにはウクライナの工場が極秘裏に協力したという説もささやかれる。


が、いくらなんでもCFM56(旅客機用エンジン)を国産化しようとしたら(ws-10の開発計画とCFM56には直接的な関係はないとされる。)AL-31F相当のエンジンが出来ました、というのはいくらなんでも無理がある。(技術的にも、発展が早すぎると思われるきらいもある。2001年にAL-31F整備工場が国内に完成したこともあり、もしかしたら、またしても・・・?


尚、AL-31搭載機とws-10搭載機にはエンジンの互換性が無いため、丸パクリではないと思われる。

(j-11のal-31搭載機にws-10を搭載するためには専用のアタッチメントが必要。)


実際この疑惑は、2008年にロシア国防相が訪中した際に開かれた中露軍事協力協議会で取り上げられた。結果、中国が「ロシア兵器の知的財産権を最大限尊重すること」との声明を出すことで一定の成果を挙げたとされる。果たして違法コピーは無かったのか、それとも追徴金などの政治的決着により解決したのか・・・


レーダーFCS編集

J-10Bの一番の特徴が、機首に収められた1474型多用途レーダーである。

このためにレドームは黒いものになっており、Su-27シリーズとは一目で識別できる相違点となっている。ただし、最近の戦闘機でレドームが黒くないのは、最初からそういった色の材料を使っているからであり、J-11では黒以外のレドームを作る技術が無いからなのかもしれない。(そういえばJ-10も黒い)(j-10b/c、j-20また後述するj-15などのレドームは灰色であるため、根拠が薄いと思われる。)


また、このレーダーFCSは対空モードだけでなく、対地・対艦モードも備えており、中国国産兵器にも対応して高い戦闘能力を備えるという。が、最近では戦闘機単体のレーダー性能だけで戦うことはまず考えられず、たとえばE-767のようなレーダー機の支援のもとでの戦闘が主眼となる。


現在、中国空軍ではAWACSにKJ-2000が配備されているが、これはイスラエル製ファルコン707には若干劣る程度で、ベリエフA-50(初期モデル)よりは高い性能だと言われているため、果たして総合的にどのくらいJ-11Bの実力を生かせるものやら・・・


J-15編集

Su-33のような艦上型の中国国産版。AF-31Fエンジン装備。

開発者にいわく「F/A-18に並ぶ性能で、F-35には劣る程度」とのこと。


信頼性の問題からWS-10は装備されていないはずであったが、折からの違法コピー疑惑で本来のエンジンを締め出されてしまったのが運の尽き。仕方なく国産エンジン搭載を余儀なくされ、おかげで事故で4機が墜落することになった。(ws-10エンジンを導入した機体は試作の2機のみとされ、量産型では依然としてal-31を採用しているため、エンジンと墜落を関連付けるのは難しい)


気になる生産数は21機(2015年)16機といわれ、どちらにしても戦力として勘定するに程遠い数でしかない。しかも、4分の1が墜落したことになる。


結局、初飛行からかなりの時間が経っているにもかかわらず、未だこの段階に留まっているという事は、実用機としては失敗に終わったと考えるのが妥当なところだろう。


しかし j-15s(複座型)やカタパルト対応型などの開発がいまだに行われているため、簡単に失敗作であると断ずることもできない。


J-16編集

Su-30のようなマルチロール戦闘爆撃機)の国産版。

(中国側はj-11bを元に一から開発と主張しているが、、、、元のj-11bがぁそのぉ、、)

とくに性能ではSu-30MK2に並ぶとされ、最近ではEA-18Gのような電子戦機型も登場したとも。


ブンガ・マワールさん編集

なお、ラーゼフォンに登場する晨星II型は、中国製フランカーの系譜に属するという設定がある。とくにTERRA仕様はエンジンがロールスロイス製に換装されている特別仕様なのだとか。[pixivimage:7449122_p0]


参考webサイト編集

J-11

J-11B/BS

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