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第5世代ジェット戦闘機

だいごせだいじぇっとせんとうき

ステルス性を優先した機体設計をされた戦闘機。ほかの性能も旧世代機に勝るとも劣らない。
目次 [非表示]

概要

第5世代戦闘機と前世代との差異はステルス性である。


改良や新開発により性能が上がっていく第4世代第4.5世代と同等以上のレーダーセンサー、運動性を備え、互角以上の探知能力、戦闘能力を確保し、そのうえでステルス性の追求により、敵のレーダーに探知されにくくなる。


旧世代機のレーダーに第5世代の機体は影も形も映らず、その一方で第5世代機のレーダーは旧世代機の姿をばっちりとらえている。そのような一方的な状況から先制攻撃を仕掛けることが可能であり、敵のミサイルはロックオンすらできないのだから、地対空ミサイルに撃ち落される心配もない。


現在、対ステルス技術やスタンドオフ兵器(敵のレーダー範囲どころか領空の外からでも攻撃できる長射程兵器)の発展が目覚ましく、攻勢任務については、残念ながら当初ほどの有用性は疑わしいものとなってしまっているが、地の利が存在する防衛任務では、いまでも性能を発揮できる。


誤解されがちだが、第5世代戦闘機は格闘戦でも、旧世代の制空戦闘機に引けを取らない。設計技術の発達や推力偏向機構の導入により、純粋に制空戦闘機として開発された第4世代ジェット戦闘機F-15MiG-29など)には、近接戦闘でも互角以上に戦うことができる。

それどころか、第五世代制空戦闘機であるF-22は、設計販売元であるロッキード・マーティン社が「航空支配戦闘機」と自称するほどの空戦能力を保有している。


欠点

ステルス技術というのは、実はほかの性能の追求を難しくする。

  • 多種の電波発信装置

レーダーや通信機など、戦闘機は自分から高出力の電波を発生させる装置を山のように搭載している。どれだけ機体設計に気を遣っても、ここで下手を撃つとまったく意味がなくなってしまうため、ステルス機はレーダー、通信機、IFF、すべての電波発信装置に高い技術が要求される。


  • 運動性

有視界戦闘は発生しないのだから運動性はいらない、という意見もあるが大間違い。有視界外戦闘でなくとも、敵機から発射されたミサイルを回避するための機動性は必須であるし、実戦は何が発生するかわからないのだから有視界戦闘能力も捨てることはできない。

しかし、ステルス性の追求は空気力学と相反する要素であるため運動性と両立させるのは非常に難しく、これがただでさえ難しいステルス機の機体設計の難易度を跳ね上げている。最初期のステルス機であるF-117の運動性が低かったのはこのためである。


  • 搭載量

搭載量の追求は戦闘機の始終命題。2発のミサイルしか積んでいない機体は最大でも2機しか撃ち落せず、8発のミサイルを積んで入れば8機を撃ち落とすことができる。

しかし、ステルス性を発揮するためにはミサイルの外部搭載ができない、という重大な欠点がある。ちょっとでっぱりを付けるだけでもステルス性が激減してしまうのだから、ミサイルのような巨大な物体を翼下にぶら下げればステルス性などまったく無くなってしまう。となれば、ミサイルは機内に収納するしかない。

ただでさえ容量が限られる戦闘機の機内に、さらに大きなミサイルを何発もねじ込むためのスペースを確保するのはなかなか面倒で、F-22、F-35の開発にあたってはミサイルの改良や誘導爆弾の新開発まで必要になってしまった。

もっとも、搭載量そのものは低くなく、F-35は防空網を制圧しステルス性が必要なくなった後の活動を想定し翼下に8トンの兵装を搭載できる。


  • コスト高

第5世代戦闘機は、開発に際してあらゆる方面に大きなハンデを負っており、その上であらゆる方面で旧世代機を凌駕しなければならない。

結果、第5世代は予算超過が様式美となってしまっており、それが価格の高騰につながってしまう。そのため、もろもろ考えた結果次代の主力戦闘機を第4.5世代で妥協する国も多い。

鏑矢たるF-22も、開発遅延を繰り返して金食い虫として完成してしまった結果生産中止となってしまった。一方、F-35もやはり開発遅延で価格がどんどん膨れ上がり、量産が進んだことでF-15Eと同レベルまでには価格が下がる見込みであるものの、それでも維持費は依然として高く、事と次第によっては導入を中止してより安価なF-16などの追加購入も検討されている(そもそもF-16の最新型のブロック70の価格はスロバキア向けの14機で19億ドルとかなり高額になっている)。

また、開発コスト削減のために複数国家間での開発を行うという動きもあり、F-35などはアメリカのロッキード・マーティンとイギリスのBAEシステムズが共同で開発を行っている。日本もF-2の後継となる機体の開発を行うために開発パートナーを求め、イギリスとの共同開発が決まった(F-2後継機に関しては、第五世代のさらに先を行く第六世代戦闘機に区分されることもある)。

独自開発を行えているのは今の所ロシアと中国のみ。欧米よりも安価に製造できることに加え、後述の機密性によるものだろう。


  • とにかく開発に時間がかかる

多様な能力が求められる現代の戦闘機は、機体そのものよりもソフトウェアの開発に時間がかかる。先進技術をふんだんに投入する第5世代戦闘機ともなれば、それはさらに顕著になる。

例えばF-35は初飛行から開発完了が発表されるまで12年、原型機の初飛行から遡れば18年もの歳月がかかっている上、これでも尚未解決の問題があり真の完成形とはいえない状態である。ロシアのSu-57でさえ、初飛行してから10年以上経った今もまだ実戦配備が進んでいない状態。現代の航空機はおよそ20年が旧式化する目安である事を踏まえれば、「完成した時にはもう時代遅れになっていた」という事になりかねない長さである。

もちろんソフトウェアの拡張性は織り込み済みなので、すぐ時代遅れになる訳ではないが、これはアメリカでも問題になっているようで、「とにかく8年ごとに新型機をバンバン送り込むんだよ!(要約)」というデジタルセンチュリーシリーズ構想が生まれるほど。


  • 機密度の高さ

ステルス性を追求した機体は、それそのものが軍事機密の塊となる。

形状や素材が解析されてレーダー反射特性が判明してしまうと「どうすればレーダーで見つけられるか」がわかってしまい、せっかくのステルス性が台無しになってしまう。

よって、必然的に機密保持に神経質にならざるを得ない。

航空ショーで展示される際、必ず警備兵がついたり写真撮影できる角度が制限されたりするのはこのため。

また、自衛隊のF-35が太平洋上に墜落した際は中国やロシアが残骸を回収しようとするのではないかという憶測が一時飛び交い、米軍が残骸捜索に動くという事態にまで発展した。


これだけでなく、整備の面でも現場の整備士が触れない部分、いわゆる「ブラックボックス」と呼ばれるものが増え整備の負担が増してしまう。

また、これまでの戦闘機のように普段大っぴらに外に出しておくわけにもいかないので、専用の格納施設などの整備も必要となる。


このような事情から、機密漏洩の恐れがある場所には輸出・配備ができないという制約が生じている。F-117B-2などの初期のステルス機が長らく輸出不可能だったのはこのためである。


主要な第5世代ジェット戦闘機の一覧

開発完了

主要な第5世代ジェット戦闘機の推力比較一覧

開発国噴式推進器アフターバーナー出力搭載機種
ロシア連邦共和国Saturn Izdeliye-30×2186.3kN×2Su-57S(ロシア空軍向け量産型)
アメリカ合衆国Pratt & Whitney F119-PW-100×2156kN×2F-22 ラプター
ロシア連邦共和国Saturn AL-41F1×2147kN×2Su-57E(海外向け輸出型)
中華人民共和国Shenyang WS-10C×2142kN×2J-20 ファイヤーファング
中華人民共和国Shenyang WS-19×2110kN×2J-31 ジルファルコン
アメリカ合衆国Pratt & Whitney F135-PW-100×1191kN×1F-35 ライトニングⅡ

試作機のみ、または開発中

  • ボーイングX-32
  • ノースロップマクドネル・ダグラスYF-23
  • MiG-49:MiG-1.44ベースのステルス双発艦載機。2021年7月20日(火)から7月25日(日)まで、モスクワ・ジュコーフスキー飛行場で開催された『MAKS国際航空ショー2021』にて開発計画の実態が披露された。MiG-49に搭載される『Izdeliye-30』噴式推進器の総推力は他国の第5世代双発戦闘機の推力を凌駕しており、ミリタリー推力でも11トン×2基(合計推力22トン)、アフターバーナー使用時には19トン×2基(合計推力38トン)にも達する。なお『Izdeliye-30』噴式推進器は、『亜音速飛行の際はターボファンジェットエンジン / 超音速飛行の際にはターボジェット』に噴式推進器内部の機構が切り替わる事により、超音速巡航能力の獲得と燃費向上に伴う航続距離延長に貢献している。
  • Su-75『チェックメイト』
  • TF-X:トルコ航空宇宙産業(TAI:Turkish Aerospace Industries, Inc.)で開発中のステルス双発戦術戦闘機。ウクライナの航空用エンジン及び産業用ガスタービンエンジン製造メーカー『モトール・シーチ』(Motor Sich)傘下の航空機用ターボファンエンジン製造メーカー『イーフチェンコ』(Ivchenko)その他が開発を主導したウクライナ製アフターバーナー付ターボファンジェットエンジン『Ivchenko-AI-9500F』(単発推力:6,400kg / アフターバーナー推力:9,500kg)×2基搭載予定。『TF-X』の心臓部であるアフターバーナー付ターボファンジェットエンジン『Ivchenko-AI-9500F』も既に開発完了で後は量産するだけの状態まで移行している。
  • J-35(殲撃35型):上記のJ-31をベースとした艦上戦闘機。開発中。

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関連項目

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