- 機械についての概念
- 航空機に搭載されているフライトデータレコーダやボイスレコーダが収められた箱
- 1と2から転じた、「解析困難な謎」を表す比喩表現
- 歌い手トゥライのアルバム
- イタリアのバンド
- アメリカのネットワークサービス会社「ブラックボックスコーポレーション」
- 電気式華憐音楽集団のアルバム「BLACK BOX」
- 2022年の芥川賞を受賞した小説「ブラックボックス」。作者は砂川文次。
1.のブラックボックス
機械内部の動作原理や構造を知らなくても、外から見た機能や使い方さえ知っていれば十分に得られる結果を利用する事のできる装置や機構の概念。転じて内部構造を一切見られない機械のこと。
技術流出を防ぐためにブラックボックスとしている例も多く、故障しても現場の作業員で修理ができないために修理費がかさんでしまうというデメリットが有る。
2.のブラックボックス
「墜落したらレコーダーに残るよ」
(デルタ航空1141便墜落事故の直前に副操縦士が言った言葉。世間話中のほんのジョークだったのだが、この後本当に墜落してしまった)
現在、一定以上の乗客を乗せる航空機に搭載が義務付けられている装置(場合によっては軍用機やヘリコプターにもついている)。ブラックボックスという名前だが色は発見しやすいようにだいたいオレンジ色で、箱型をしていないこともある。搭載位置は大体尾翼近辺。
大きく分けて飛行中のパラメーターを記録するフライトデータレコーダーとコックピット内の音声を録音するコックピットボイスレコーダーの二種類がある。
記録には当初磁気テープを使用していたため記録できる量に限りがあった(例えばボイスレコーダーの場合記録時間は僅か30分だった)が、現在ではフラッシュメモリにデジタル記録されるので記録できる量が大幅に増えている。
航空機が墜落した際の大きな衝撃に耐えられるよう、極めて頑丈に作られている。火災に備えて耐火性にも優れる他、万が一水中に墜落した場合でも回収が行えるよう発信機が一緒に収められていて、一定期間その場所を知らせるようになっている。耐圧・防水性能も高く作られていて、ある程度の期間なら水没に耐えることができる。ただし海に沈んでいた場合は、錆による劣化を防ぐため回収後すぐに真水につけておく必要がある。
航空事故発生時の手がかりとするための装置なので、事故が起きた際はブラックボックスの捜索と回収が最重要となるが、事故の状況によっては回収が一筋縄に行かない事もしばしば。特に海底深くに沈んでしまったら、発信器からの電波が切れる前に業者から船を手配してだだっ広い海域を捜索しなければならず、回収は困難なものとなる。
治安の悪い途上国での事故の場合、残骸もろとも火事場泥棒に盗まれていた、なんて事も。
もちろん耐久性も完璧ではなく、回収できたとしても衝撃でテープが切れていたり基板が破損していたりしてデータを読み取れなかった事もある。
無論、何らかの理由で電源が切れていたらそもそもデータを記録できない。
このような理由で、ブラックボックスを回収できなかったり回収できてもデータを得られなかったりして原因究明が困難になった事例は珍しくない。