「アギトは俺一人でいい…」
CV:菊池隆則
スーツアクター:白井雅士
変身者
・木野薫
曖昧さ回避
『仮面ライダージオウ』に登場する怪人「アナザーライダー」としての「アナザーアギト」はアナザーアギト(2019)を参照。ただし、両者の外見は若干の違いはあれどほぼ同じである。
概要
『仮面ライダーアギト』に登場する、アンノウンと戦う第4の仮面ライダー。
木野薫が変身ベルト・アンクポイント(普段は体内に収納されているが、必要に応じて出現)で変身する。
津上翔一があかつき号で浴びた光の余波によって変身能力を得ており、この世界に生まれた「第3のアギト」である。
アギトとは異なる形で光の力の影響を受けている仮面ライダーギルスとは異なり、完全にアギトの力をコントロールしている存在であるが、木野本人の歪んだ精神を反映しているかのように禍々しく、ギルスにも似た生物的な外見。もっと有り体に言ってしまえばバッタやイナゴのような姿をしている。
また、「エル」達の因子を受けているため、歯牙や羽などはアンノウンと共通している。両肩の肩甲骨の辺りから出ている2枚の羽根の様なマフラーは、仮面ライダーV3のマフラーを意識している。
津上翔一の変身する仮面ライダーアギトとは似ても似つかない容姿をしている。
しかし、初めてアナザーアギトが姿を現した際にその場に居合わせた葦原涼と真島浩二はその姿をアギトと認識しており、その後のギルスとアナザーアギトの交戦を目撃した氷川誠や北條透はそれまでに登場していたアギト(翔一)と見間違えてしまっていた。
但し、翔一のアギトは主人公らしく見せる為の視聴者向けの描写に過ぎず、劇中人物には翔一のアギトもアナザーアギトと似た姿に見えていた、もしくは(アギトは翔一1人だけだと思われていた為)アギトの別形態と思われていたという意見もある(同じ容姿の人間が滅多にいないように、設定上はアギトの姿は一人ひとり異なる)。
これに関しては18年の時を経た『仮面ライダージオウ』にて、「アナザーアギトはアギトの一種であり、人によって見え方が変わっていた。氷川は純粋な心でアギトを見ていたため、アナザーアギトが普通のアギトと同じ姿に見えていた」という解釈が示された。
木野薫のダーティーなキャラクターと初代ライダーに近いデザインラインで、今もなおサブライダーでは非常に高い人気を誇っている。
腐食が激しかったため、仮面ライダーギルス共々当時のスーツは廃棄されている。
そのため、残念ながら後のクロスオーバー系統の実写映像作品では一切再登場していなかったが…。(後述を参照)
元々スポンサーの要求には無く、東映側が作りだしたキャラクターである。
その為放送当時はソフトビニール人形程度しか玩具が発売されておらず、プレイステーション用の格闘ゲームにも登場しなかった。
これと同じような例として、『仮面ライダー龍騎』のオルタナティブ(同・ゼロ)が存在する。
なお、S.I.Cでアギト・バーニングフォームとセットで発売された可動フィギュア「S.I.C.クラシックス2007」では、弟の右腕を移植したという設定を反映し、右腕だけデザインが違うものになっている。
スペック
身長 | 200cm |
---|---|
体重 | 97kg |
パンチ力 | 15t |
キック力 | 30t |
ジャンプ力 | ひと跳び70.0m |
走力 | 100mを5秒 |
防御力 | 硬度7 |
パワーの開放を現すクロスホーンが常時開きっぱなしになっているので、純粋なパワーだけならアギト・シャイニングフォームにも匹敵するが、代わりに固有武器を持たずフォームチェンジ能力もない。
必殺技使用の際には、口元のマスク状の部分(クラッシャー)を展開し、怪人のような歯を露出する。
クラッシャー展開によるスペックの変化は不明。
全身をダイヤモンド並みの硬度を持つ「ミューテートスキン」で覆っており、胸部を覆うのは賢者の石が生み出す「バイオアーマー」という自己修復能力を持つ生体装甲である。また、腕と足に「バイオクロウ」というか刃を装備しており、これが接近戦の武器となる。
これらの特徴だけ見ると、アギトよりもギルスに近い印象を受ける(実際にミューテートスキンもギルスが保有している部位の名称である)。ただし、通常のアギト同様に胸には「ワイズマン・モノリス」が存在する。
背中から生えるマフラーは「ライブウィング」と呼ばれ、滑空にも使用される。
額には賢者の石と同等の物質で構成された「マスターズ・オーヴ」という器官があり、これでダークホッパーと意思疎通を取る。
なお、基本的には徒手空拳だが、リザードロードとの戦いではそこら辺にあった棒で竜神のトライデントと打ち合った。棒は折れるどころか竜神のトライデントをはたき落とし、リザードロードを吹っ飛ばす威力を見せていた。
第39話では仮面ライダーG3-XからGM-01スコーピオンを奪ってアギトを銃撃した。この時に尾室がトリガーカットをしたが、どういうわけか無効化されている。
劇中で名言はないが、後者に関しては超能力やオルタフォースの力が働いてトリガーカットを無効化した可能性が高く、そこら辺にあった棒の件に関しても同様にオルタフォースによるバフが掛かっていたのかもしれない。
名称
「アナザーアギト」の名称は当時から存在している設定であり商品名としては用いられていたものの、劇中ではこう呼ばれてはおらず、プロデューサーの白倉伸一郎なども「木野アギト」等といった仮称を用いていた。また、放送終了後に受注販売されたフィギュアでは「アナザー仮面ライダーアギト」という名称になっている。
デザイナーである出渕裕の画稿には「仮面ライダールデス」の名が記されているが、非公式。
なお、前述の『仮面戦隊ゴライダー』にて、映像作品としては初めて「アナザーアギト」の呼称が木野本人の口から呼称された(ちなみにキャスト表記は他のライダーと違い「アナザーアギト」だけとなっている)。
「仮面ライダーアナザーアギト」の表記は商品や媒体の一部のみであったが、『仮面ライダージオウ』にて同名の怪人が登場したため、以降の公式名称となった。
必殺技
アサルトキック
クラッシャーを展開して口元を露出、足にエネルギーを吸収し、片足で飛び蹴りを放つ。
アサルトパンチ
発動方法はアサルトキックと同じ。腕にエネルギーを収束させ、ストレートパンチを繰り出す。
『仮面戦隊ゴライダー』で初使用。
ライダーマシン
ダークホッパー
アナザーアギト専用バイク。木野薫の私物であるバイク(スズキDR250)が仮面ライダーアギトのマシントルネイダー同様、アナザーアギトに変身することでこの姿に変形する。
『仮面戦隊ゴライダー』
スーツが腐食しているためもはや再登場は不可能だと思われていたが、新造されたスーツで変身前の姿と共に16年ぶりの再登場を果たす。
怪力と俊敏な動きを用いた、くどいようだが昭和っぽい無骨な戦い方はショッカーどもをぶちのめすにはもってこいで、スペース蜘蛛男の蜘蛛糸で腕を絡め取られても逆に一本釣りした上でカウンターパンチをブチ込んで倒し、必殺のアサルトキックは仮面ライダーブレイドのライトニングソニックに匹敵するほどの破壊力を見せた。
演じた人物
映像作品
ゲーム
声優 | 作品 |
---|---|
樋口隆則 | 『仮面ライダー ストームヒーローズ 新たなる覚醒』 |
『仮面ライダーバトル ガンバライジング』 | |
『仮面ライダーバトル ガンバレジェンズ』 |
テーマ曲
後半に登場するキャラクターであるため専用の劇伴は製作されていない。変身・戦闘シーンでは、以下に挙げる通り、主に劇場版用録音の劇伴が使用された。
「G3-X出動! (M-4)」
アナザーアギト関連では以下のシーンで使用された。
使用話 | シーン |
---|---|
第36話 | 木野が涼と真島を追跡しアナザーアギトに変身するシーン |
第38話 | アナザーアギトがステリオ・シニストラを圧倒し、涼と真島を狙うシーン |
第39話 | アナザーアギトがアギトを圧倒するシーン |
第39話 | アナザーアギトが涼と真島を追い詰め、G3-Xを圧倒するシーン |
「アギトの死 (M-16)」
アナザーアギト関連では以下のシーンで使用された。
使用話 | シーン |
---|---|
第38話 | 木野がアナザーアギトに変身し、ステリオ・シニストラを圧倒するシーン |
第39話 | 木野が涼と真島を追い詰め、アナザーアギトに変身するシーン |
第43話 | アナザーアギトとウォルクリス・ウルクスが交戦するシーン |
『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER GILLS -仮面ライダーになってしまった男-』
早瀬マサトによる二次創作ジオラマノベル。
アンノウン達との戦いから10年以上が経過したとき、葦原涼の前に現れた新たなアナザーアギト。
見た目は木野の変身したアギトをベースに、カラーリングはアギト グランドフォームに似ている(モチーフには仮面ライダー2号もある)。木野のアギトとは異なり、紫のバーニングフォームへのフォームチェンジも披露している。
凄まじいパワーでギルスを圧倒するものの、アギトの力が暴走して制御することができていなかったため、狂戦士と化していた。アナザーアギトの正体を察したギルスが変身するエクシードギルスにアギトの力が吸収されることで正気と人間の姿を取り戻した。
その正体は、かつてギルスにアギトの力を託した真島浩二であった。
余談
- 2021年に行われたNHK主催のイベント「全仮面ライダー大投票」では、95票で90位にランクインした。
89位 | 仮面ライダーアマゾンネオ |
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90位 | 仮面ライダーアナザーアギト |
91位 | 仮面ライダーデュランダル |
関連イラスト
関連タグ
ショッカーライダー:主人公に対するアンチテーゼ的な存在。氷川の目にはダブルライダーとショッカーライダーの様にアナザーアギトとアギトの見た目が同一の物に見えていた。
仮面ライダースナイプ:闇医者が変身するサブライダー。
仮面ライダーアナザーパラドクス:名前に「アナザー」が付いているサブライダー。
アナザーアギト → 王蛇
○号ライダー