概説
主人公補正とは、創作に関連する俗語(スラング)の一種である。
主人公又は主人公側に付くキャラにのみ適用される設定・物理法則その他諸々を一切無視した謎の補正。言ってみれば「プロットの都合」であり、物語の進行上で必要な事件に遭遇したりすることを指す。
例
- 敵がどんなに攻撃をしても当たらないor倒れない
- 逆に主人公が一発でも攻撃を当てると敵が倒れる
- 主人公の攻撃は絶対に当たる。
- 雑魚敵が相手のみ有効で、強敵が相手だとそうはいかない。ロボットアニメでは比較的昔からあった主人公補正。
- かのシャア・アズナブルが「当たらなければどうということはない」と発言したことは「主人公の攻撃は絶対に当たる」という常識を覆したことでもあるため、当時の視聴者には少なからず衝撃を与えたらしい。
- 成功率の低い技や作戦を成功させる
- 当人にその気が皆無でも無駄にモテる
- 特殊な能力や才能の持ち主である
- これがきっかけとなって物語が進んでゆく。
- エロゲ等の場合はモテなければ、推理ものなら事件が起きなければストーリーが進行しないという理由もある。特殊な才能などの持ち主である場合は前述の「敵の攻撃が当たらない」等の主人公補正に対するエクスキューズにもなる。
- 死なない
- 主人公が死んでしまうと物語が終わってしまうため、どんなピンチに陥っても逆転するなどして生き延びる。
- ただし、物語からの退場にはならなかったり、主人公が交代するなどの理由で主人公の生存理由がなくなってしまった場合は死ぬことがある。
- 孫悟空(ドラゴンボール)は前者の、ジョナサン・ジョースターは後者の例。
- 何なら浦飯幽助や天空寺タケル、カズマ(このすば)などのように第一話でいきなり死んでしまうケースもある。この場合は生き返る方法を巡ってストーリーが進行するパターン、走馬灯の形でストーリーを進行する(つまり全編通して回想)パターン、生まれ変わってからが本番というパターンなどが考えられる。
- 負けない
- 負ける=死ぬという状況なら上記と同じ理由で負けることはないが、ラストで敵と相討ちになったり、敵を道連れに自爆するといったこともある。途中で一度負けて捕まってから脱出したり、負けても「殺すには惜しい」と見逃されたりするケースもある。
- スティーブン・セガールやアーノルド・シュワルツェネッガー等の「強さと爽快感」を売りにしたアクション映画の主人公はまず敵にやられて死ぬことはない。
- だが、リゼロのナツキ・スバルは何度でも負けて死ぬ。また、スキルの都合上、撤退や肉体的な死を繰り返さざるを得ない例もある。
- 一度負けても、次にはパワーアップ(新能力、新技の習得など)して勝つ
- ただし、主人公側も修行するなどの相応の努力が必要とされる。この場合、敵側が様々な理由で主人公がパワーアップしてくれるのを待ってくれる。
- 上記とは別に、主人公の努力なしでもピンチに新たな力が手に入り逆転するがその代わり、主人公以外の登場人物が犠牲になったりするなどで主人公も何かを失うことが多い。
- 美形として生まれついている
- 歴史作品において、史実より活躍している
- 取り上げる人物を目立たせたいあまり、史実より美化されたり、挙句には他者のエピソードを横取りしてしまうこともある。
- 手を汚さずに済む
- 刀剣といった凶器や殺傷力の強い特殊能力を使用したバトル物に置いて人間又は人間の姿をした敵を主人公の人間性を損なわない為に敵を自滅させたり、他のキャラクターに始末させたりするパターン。
負の主人公補正
逆主人公補正の記事を参照。
補足
とは言っても、完全に主人公補正に頼りきった主人公はほとんどおらず、モテるのに十分な人間的魅力の持ち主であったり、苦労や努力の末に主人公補正が発生する場合がほとんどである。本人の努力の上にこの補正が発生している以上は、不公平とも言い切れないだろう。
また、連続シリーズの場合、最終回にて次の番組のヒーローが登場して颯爽と活躍し、番宣をして去っていくという行為も多い。これを最初にやったのは、1974年にマジンガーZの危機に駆け付けたグレートマジンガーだろうか? 違う。パーマンである。1967年にアニメ『オバケのQ太郎』(白黒のヤツね)の最終回で、Q太郎と正太は悪者に捕まってしまうのだが、Q太郎が発信したSOSを聞きつけ、何の説明もなくパーマンが空の彼方から飛んでくるのが最初なのだ。6600倍のパワーでたちまち悪人をやっつけて二人を救い出したパーマンだったが、直後にQ太郎から「君が出てくるのは一週間後じゃないか」と突っ込まれている。
一部のゲームでは主人公補正に相当する能力をキャラクターが保有している事もある。例えばTRPGの場合、プレイヤーの作成したPCは主人公であるため、上記のような補正を保有しているという前提で能力として持っているシステムもある。一発逆転を狙える能力やダイス値へ足すなど、システムにより異なる。
またこの言葉は、物語上主人公に負けるライバルキャラやラスボスキャラを推している人間から「主人公補正のせいで負けた」というような所謂負け惜しみで使われたり、主人公の強さに納得のいくシナリオを作れていない製作陣への侮辱として使われたりすることも多く、そのことから「主人公補正」という言葉自体に良い印象を抱いていない人も少なくない為、取り扱いには充分注意しよう。
主人公補正キャラ・作品など
アニメ・漫画
遊戯王関連
- 闇遊戯(武藤遊戯)※メイン画像
- 遊城十代
- 闇遊戯のドロー力をさらに誇張したようなデュエルスタイルで、「E・HEROバブルマン」「強欲な壺」「悪夢の蜃気楼」などを絶妙なタイミングで引き当て、ほとんど手札がないような状態からも一気に巻き返すことができる。3期以降は本来のE・HEROデッキにネオスペーシアン(4期はユベルも)を加えたやはり重すぎるデッキを使っており、これまた闇遊戯同様に見事に使いこなしている。これらに加えて、いろいろなトラブルを起こすが結果として成功、不問扱いになるという意味での主人公補正も備えている。
- 不動遊星
- 遊戯王主人公では唯一、闇堕ちしたり人外キャラと融合したり別人格がいるわけでもないとスペックで劣るかのような描写がある一方、ドロー力は先輩たちに負けず劣らずであり、特にシューティング・スター・ドラゴン絡みのドローでは5枚ドローした中の5枚がチューナーという、現実でやったら積み込みを疑われかねない奇跡を何度も起こしている。また敗北することも滅多にない他、メカニックとしても一流、対人関係も良好で相思相愛の相手もいるなど、デュエル以外でも主人公補正を存分に発揮している。
- 九十九遊馬
- 初心者デュエリストという触れ込みだったが、敗北は極めて少なく、特にナンバーズを賭けたデュエルではほぼ負けなしである。後に、相棒のアストラルとの合体という条件付きであるが「新しいカードを創造しデッキトップとして引く」という主人公補正が具現化したかのような能力を獲得し、先輩たちとの差別化に成功。ちなみに、トラブルを起こすが結果としていい方向に進むという十代に似た性質も持っている。
- 榊遊矢
- 歴代主人公と比べるとパフォーマンス能力に特化しており、アクションデュエルにおけるパフォーマンスで敵味方を問わず心を奪う。そのパフォーマンス力は絶望し牢獄の主と化したデュエルの達人や、遊矢のデュエルスタイルを真っ向から否定する絶対王者の心さえ動かすことができる。また最終的にはパフォーマンスで繋いだ絆を元に、敵対していた四つの次元を和解させることに成功した。
- 藤木遊作
- 序盤の時点で既に、何人もの人間をアカウント消去に追いこんだ危険集団であるハノイの騎士の脅威に晒されながらも屈しないという強者ぶりを発揮。さらにスピードデュエル時に使えるスキル「Storm Access(ストーム・アクセス)」は「データストーム」内部から新しいカードを獲得するという(歴代主人公にとっては)おなじみの主人公補正感満載の能力である。
- 葉隠覚悟(「覚悟のススメ」「エクゾスカル零」)※「負の主人公補正」の一例
- 「主人公機が同じタイプの武器・武装の中で最も最初期に開発されたもの」という王道パターンの作品であれば「だから主人公機には特別な機能・能力が有る」となる理由が、ほぼ悉く「負の主人公補正」の理由と化している。
- 主人公機の性能が(ラスボス機どころか中ボスや味方キャラの機体に比べても)単純に低い。(最初期に開発された機体だから)
- 主人公機の固有機能・特殊武装は一般市民や一般兵士を効率的に虐殺する為のもの(例:化学兵器)というどう考えても悪役機の仕様にしか思えない代物。(元々は侵略戦争用の兵器だったので)
- 同じタイプの敵との戦いの決定打になる武器・武装が異様に貧弱。(最初期に開発された機体だから、そのようなケースは想定されていない)
- ある意味で、彼が主人公の作品(特に「エクゾスカル零」)の見所は「敵に対して明らかに劣る武装しか持たない主人公が、如何にして不利な状況を逆転させるか」とも言える。
- 「主人公機が同じタイプの武器・武装の中で最も最初期に開発されたもの」という王道パターンの作品であれば「だから主人公機には特別な機能・能力が有る」となる理由が、ほぼ悉く「負の主人公補正」の理由と化している。
ポケモン関連
- サトシ
- サトシのピカチュウ
- アニメポケットモンスターシリーズにおけるもう一人の主人公。アニメでは、バトルでは相性で効果が無いはずのじめんタイプにダメージを与えたり、進化系であるライチュウをスピードの差で倒したり、ゲーム上ではピカチュウより能力が上のはずのポケモンをサトシが手に入れてもエースの座を維持できたり、ライチュウを差し置いて専用技を手に入れたりなどの優遇を受けている。
- また、アニメがヒットしたことでゲームの看板ポケモンとなり、それに伴って専用アイテム・専用技・専用Zワザを獲得するなどアニメ以外でも恩恵を受けるようになった。
- 更に、対を成すポジションとして抜擢されたイーブイへも恩恵が波及しており、主人公補正を複数詰め込んだスペックを得た個体が登場する作品も存在する。
ジャンプ関連
- 両津勘吉(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
- 人吉善吉(めだかボックス)
- 一部では彼が主人公で黒神めだかがヒロインと呼ばれている。主人公補正を無効化するスキル「愚行権(デビルスタイル)」を持つ。
- 進藤ヒカル(ヒカルの碁)
- 主人公の一人で囲碁はカードゲームと異なり運要素はない(半目勝負の揺れ程度)。そのため物語においても棋力の高い者が勝つパターンが多く、下手が勝つときは何かしらのハプニング(反則負け、ぽか、不戦・棄権)が多い。
- ただし、例外もあり、韓国の研究生・洪秀英との対局では、置石2つくらいの棋力差があったにも拘らず院生のヒカルは彼に読み勝った。この打ち方から伊角や越智は互角に戦う自信はなく、ライバルのアキラたちにも心を打たせた。しかし、プロ試験本戦ではいつも以上の力が出ただけが分かり、伊角や越智には序盤劣勢にて苦しめられる。
- 脳噛ネウロ(魔人探偵脳噛ネウロ)
- 「謎」を食べ続けなければ生きられないという設定を持ち、それ故に「謎の気配」を察知する能力で能動的に事件に関わる。探偵ものにおいて回避不可能な「主人公が探偵の場合、行く先々で事件が起きて人が死ぬ」現象に対して必然的な理由を設けた珍しい例。
他作品
- キリコ・キュービィー(装甲騎兵ボトムズ)
- 上条当麻(とある魔術の禁書目録)
- 一ヵ月に5~7件程の事件に巻き込まれるなど事件への遭遇率が非常に高い。正負双方の主人公補正を色濃く体現した存在…だと思われがちだが、実はこの性質はアレイスター=クロウリーによって意図的に場を整えられた結果の産物である。また、その性質を逆手にとり、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの感覚で、計算ずくで主人公にも第三者にも八つ当たりしまくる傍迷惑な輩もいる。
- 平沢唯(けいおん!)
- 音楽の初心者でありながら「ふわふわ時間」など主題歌を披露して仲間から高評価を得た。最後の最後で風邪を引くアクシデントに見舞われながらも風邪が治って結果的にイベントに間に合った。みんなの歌詞投票で一番に選ばれたりと才能も持っている。
- 劇場版ではロンドンでの寿司屋のマネージャーにせがまれても「カレーのちライス」で歓迎させたり、梓に他国のマナーの説明をしたり、帰国時間が迫っている状況でドライヤーの件からチューニングを恐れながらもさわ子先生に助けられ、「ごはんはおかず」でロンドン人を歓迎させた上に予定時間に間に合った。
- 律&澪曰く「結局、日本語じゃん。」梓からは「悪夢」と恐れられ、クラスメイトからは「卒業する前に演奏をもう一度聴きたい」と絶賛され、その後の「U&I」や「天使にふれたよ!」で多くのクラスメイトや梓から歓声を受けた。
- 新導クロノ(カードファイト!!ヴァンガードG)
- 初心者ファイターだが、3期にあたるストライドゲート編に至るまでほぼ無敗であり、何かしら負けが多かった前主人公達より主人公補正は強め。シリーズ最終作「GZ」では、自分の未来の可能性と対応するデッキのカードを賭けたファイトに自ら志願した上で敗北、Gゾーンのカードが全て消滅するという他のキャラなら死亡フラグものの状況に置かれるが、チームメイトと共にある特別な儀式を行い、本来なら取り戻せないはずの未来の可能性とカードを奪還するという主人公補正という名の奇跡を起こした。
- 未門牙王(フューチャーカードバディファイト)
- 王道的な熱血主人公。完全初心者でありながら、有名な実力のあるファイター達を倒していき、ほぼ負け無しであるが、努力は怠らない。ピンチに陥っても持ち前の運や精神面で切り抜けたりと上記の不動遊星や新導クロノと似た部分もある。
- 六つ子(おそ松さん)
- のぞみ(超特急ヒカリアン)
- かばんちゃん(アニメ版 けものフレンズ)
- 藤原拓海(頭文字D)
- 13歳の時に父・文太からの英才教育として無免許にも拘らずクルマで豆腐の配達を行っていたため、ほぼ同年代の走り屋よりテクニックが高く、旧式で非力な愛車のAE86で90年代の高性能なクルマを倒してしまうほどであり、高橋涼介からは「公道最速理論の完成形」と称されている。
- 他にも、本人は「ハチロク以外は運転できない」と語っているのだが他人のクルマをスペック以上の性能で走らせたただけでなく、雪道に弱いFRのAE86で雪道に強い4WDのセリカを雪道で倒したり(それを見た実在のレーシングドライバーからは「ありえない」と言われているほど)。
- さらにはイタチが横切ったことでプロのレーシングドライバーに勝利したり、長時間にわたるバトルの末にサスペンションに深いダメージを負いつつも相手がゲロ吐いたことで勝利したり、元プロのレーシングドライバーとの戦いでは相手がウイングを折ったことで勝利したりと運の良さにも恵まれている。
- じーさん(絶体絶命でんぢゃらすじーさん)
- 青田赤道(嗚呼!!花の応援団)
- 碇シンジ(新世紀エヴァンゲリオン)
- 負の主人公補正の権化といえる存在。もちろん正の主人公補正も持っていることは持っているのだが、両者が明らかに釣り合っていない。リブート作品である「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」では周囲の人たちの態度が軟化しているので負の補正は薄まっていたのだが、しかし「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」になると負の補正から逃れられなかった。
- 江戸川コナン(名探偵コナン)・金田一一(金田一少年の事件簿)
- 前述の「行く先々で事件が起きて人が死ぬ」補正の代表格。公式においてもネタにされることが非常に多い。
- 竜ヶ崎ヒイロ(アニメシャドウバース)
初心者ながら続編のFまで全敗であり、引くべきタイミングで切り札を引いたり伝説のカードに選ばれるなど主人公補正を発揮している。Fでの新旧主人公対決でそのターンの最初のドローカードでゲームを組み立ててることが明らかになっている。
アニメシャドウバース二代目主人公。前作のヒイロに比べて敗戦が多いなど負の主人公補正が多いが2度目の再試合や大一番では賭けに出て引くべきカードを引く終盤伝説のカードの8枚目にして前作で持ち手が不在だったネメシスクラスの伝説のカードに選ばれてたなど正の主人公補正を持っている。
ゲーム
任天堂関連
- ルイージ(ルイージマンション)
- この作品にて初の主役デビュー。
- さらに彼の努力に人気の反響が出たのか続編である「ルイージマンション2」や外伝の「ニュースーパールイージU」が登場し、漫画版でも兄のマリオそっちのけで物語を引っ張った。マリオ&ルイージRPGシリーズでも周囲からいじられながらも彼独自の見せ場が多く、ギャラリーから多くのプレゼントをもらったりと幸運も持っていたり、マリオが無敵キノコを食べてマメねつに掛かったりする。
- ワリオ(メイドインワリオ)
- カービィ(星のカービィ)
- 敵キャラを何でも吸い込み、かつ24種のコピー能力を使いこなす通称「ピンクの悪魔」。
- アニメ版や漫画版ではモブキャラが彼の味方になる事も多く、カワサキの料理を手伝って失敗した激辛料理がカルトな人気になったり、デデデが主役となった回でも彼のお便りコーナーが流れたり、スイカ型の爆弾を食べても平気で生きている。
- Wii版や3DS版ではスーパーコピー能力を得たりロボを操縦したりと強力な個性を手に入れた。
- 任天堂のお祭り作品スマブラXの「亜空の使者」でもOFF波動を喰らったファイターで唯一復活したり多くのファィターを救ったり亜空砲を食い止めたりと大活躍する。スマブラSPの「灯火の星」ではカービィのみが光の化身キーラからの攻撃を逃れたため、最初に操作できるファイターとなる。
- メイ(ポケモンBW2)
- キョウヘイ(ポケモンBW2)
- カムイ(ファイアーエムブレムif)
- 登場キャラ全員と会話可能(しかも同性結婚あり)。
- さらにある場所に飛び降りても怪我を負わず、黒幕のことを誰にも話すことができない状況下にも拘らず、持ち前の人徳と高いカリスマ性で乗りきっていたり死に際に仲間達に必死に救われたりと悪運と生命力が強く、第3の道では後々両国を和解させたり真相を貫いたりとリーダーシップを発揮する。さらに上記のメイ同様フィギュア化が決定した。
- アイク(ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡)
- 専用武器「ラグネル」で遠距離攻撃が出来る上にスキル「天空」で大ダメージ+回復もこなせる。次回作でも二人の主人公を差し置いて大暴れする。覚醒の占い師曰く「最強の英雄」でしかも子孫まで存在されている。しまいには任天堂のお祭り作品「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズにも参戦を果たした。さらに歴代キャラが集うファイアーエムブレムヒーローズでは英雄総選挙で1位を獲得し、特別衣装まで用意された。
スクエニ関連
- ヴァン(ファイナルファンタジー12 レヴァナント・ウイング)
- 本編であるFF12ではネタっぶりに加えて物語の主人公を自称する空族と兄に復讐を誓う将軍と未知なる力を持った剣に選ばれた王女にその存在感が喰われていた。
- 続編である本作ではそれが嘘のように敵対していたバンガ族の親玉やレヴァナント族が味方になったり仲間と指導を取ったりパンネロに恋愛フラグを建てたりモンスターを使役したり等見せ場が増量。
- しかも本編でも続編でもスピードとパワーを兼ね備えておりあの敵やこんな敵やイヴァリーズ地上最強のモブと互角に戦えたりと戦闘面でも活躍し、帝国兵に牢獄へ連合されようが悪運で復活を果す。また、彼のやるべきことには全て主人公補正がかかっており、一つ2万ギルもするリーフ集めも実質低価格で成功扱いとなっている。
- FFTA2では空族としての成長ぶりがエスカレートし、しまいにはディシディア系等FFシリーズのお祭り作品にも(中の人を替えて)登場し、元カオス側の女性を救ったり、様々な武器を使いこなす剣豪とのやりとりも設けられていたり、裸の女性に服を着させようと助言、魔女やブリッシュに年齢の質問、同キャラ対戦で自分が主人公であることを露骨にアピール、クジャやガブラスに敵意をむき出したりとかなりフリーダム。某道化師からは「空気の読めない子!?」と絶賛される。
- バルフレア(ファイナルファンタジー12)
- ヴァンが続編の主人公ならこっちは本編での主人公。多くの物語を引っ張ってゆき、危険物すらも勇敢に立ち向かうなど物語の中での主人公補正が掛かっていると言える。
ダンガロンパ関連
- 苗木誠(ダンガンロンパ)
- スペックは全体的にごく平凡な高校生だが、その中からくじ引きで超高校級の天才達が集まる学園に入学した「超高校級の幸運」。早い話が主人公補正・ご都合主義を、"幸運"に言い換えたもの。本人は不運な目に遭うとは言うものの、その不運の中であっても命ギリギリのところで助かったりする、平凡ながらも運に恵まれている。また、本人は窮地に立たされる程、それに飲まれず立ち向かうという強い精神も併せ持っている。
- 日向創(スーパーダンガンロンパ2)
- 自分の才能が思い出せない「超高校級の???」で前作の誠より個性が弱いものの、作中では負けず劣らずの推理力と行動力、観察力を持つ。さらにやりとりをすすめると男女全員からパンツがもらえ、一部ではこう呼ばれる。。
- 苗木こまる(絶対絶望少女 ダンガンロンパ)
- 赤松楓(ニューダンガンロンパV3)
- 才能は「超高校級のピアニスト」で上記3人よりも個性は少し強めだが、前向きな性格で、負けず劣らずの推理力・行動力を持つ。赤の他人を惹きつけるカリスマ性や、悩んでいる他人に寄り添う慈愛の心に関しては上記3人より優れているフシもある。
他ゲーム
- カケル(サルゲッチュシリーズ)
- シリーズの先駆者で溺死や危険物に当たってもビスケットが減らされるだけで住み、サルバトーレやミリオンモンキーズ等の外伝作品に出演した。さらにアニメ版ではスペクターに剣で貫かれても洋服が貫かれただけで命拾いしたり唯一サル化されずに危機を救ったりと正義感と生命力を持つ。
- サヤカ(サルゲッチュシリーズ)
- ネプテューヌ(超次元ゲイムネプテューヌ)
- ランス(戦国ランス)
- 一部作品でそのものズバリ『主人公補正』と言うスキルを持つ。エロくて強くてモテモテで強運でどんな事件も強引に解決してしまう。しかし彼とてどうにもならない事はどうにもならないのである。
- ラージュ(サモンナイト6)
- 行動回数増加に加え段差の高低差を無視する「シュペル・スレイグ」を持つ。
- 成歩堂龍一(逆転裁判シリーズ)
- どんなに不利な裁判になろうとも、依頼人を信じる心と逆転の発想で見事に逆転無罪を勝ち取る弁護士。
- このキャラの一番焦点に合わせるポイントは、とあるライバル検事曰く運が良いのか悪いのかよく分からないところである。
- この男は裁判だけでは飽き足らず日常でもピンチに追い込まれてばかりだが、「消火器で後頭部を殴られても記憶を失うが外傷がほとんど無い」「燃え盛る吊り橋を渡ろうとして落下し真冬の急流の川に流されても高熱にうなされるのみ」「猛スピードの車にぶつかり電柱まで飛ばされても足の捻挫だけで済む」などとんでもないくじ運の悪さと異様な頑丈さが窺える。もう一度言うが彼は弁護士であって決してアスリートでも格闘家でもない。この死ぬ寸前もおかしくない状況でもケロッとしているのは、主人公補正あってのもの…?
- この世界の弁護士や検事自体裁判の激闘の熾烈さもあり我々の世界の弁護士とは全く違う存在の可能性すらある。それらの異様な作風と経験を買われたのか格闘ゲームやSRPGにすら出演するという快挙を成し遂げた。
- コンカー(Conker's Bad Fur Day)
- 敵の銃弾が(ムービーシーンで)当たらない、主人公の都合の良いタイミングで超展開が発生するなど、典型的な主人公補正の持ち主。しかしその結末においては一番大切なものを失うものであるため、バッドエンドのお膳立てに主人公補正がフル活用されるという、えげつない例である。
特撮
- ラッキー(宇宙戦隊キュウレンジャー)
- キュウレンジャーのリーダーでシシレッドに変身する。
- この番組のヒーローは悪に支配された宇宙を救う9人の救世主という設定だが、その中でもラッキーはどんな逆境も名の通り幸運(ラッキー)で乗り越える宇宙一幸運な男。その幸運に加えて抜群の身体能力、逆境もラッキーと捉える前向きさなどによって、やがて周りも巻き込み気付けばリーダーとなっていくスーパースター。
- 1話目で宇宙に生身で放り出されても隕石に乗って帰ってくるなど初っ端からぶっ飛んだ面も。ただ、これまで40のスーパー戦隊シリーズでもご都合主義がお約束されており、その41作目で登場人物がとびきり幸運(ラッキー)と明言するのは、意外にも初のことである。
敵サイドに主人公補正がある
- ダークドレアム(ドラゴンクエストⅥ)
- 裏ボスなのだが主人公サイドに加わった時、その補正能力は凄まじいものを発揮する。
- デラーズ・フリート(機動戦士ガンダム0083)
- TVシリーズでも度々描かれてきた地球連邦の腐敗描写が当時のトレンドだった事もあり、自己満足の為にジオン共和国(元ジオン公国)国民の立場を無視して戦争を継続している実質テロ組織のはずだが、愛国者的な武人・漢の集団として描かれた。
- 地球の人口の半数を虐殺したジオン公国を信奉する悪役のはずのガトーを過剰に持ち上げ、一方で主人公は軟弱扱いされて上から目線の説教されても碌に反論出来ない有様であった。
- 主人公は短期間での驚くべき上達をしたうえで強力すぎる機体まで使用したが最後までガトーが上手であり、あげくはメアリー・スーめいた特攻死という勝ち逃げまでして、主人公のリベンジの機会を封じた。
- 経験の差があるとはいえ圧倒的な戦力差がある連邦軍に対し何枚も上手な作戦を成功させ、主人公勢のはずのアルビオン隊の作戦は上層部との軋轢も在ったととは言えほとんどが空回りに終わらせてしまう。そのため諸事情で距離を置いていた別のジオン系組織からも「男達の魂の輝き」と称賛した。
- ギャラルホルン(機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ)
- 主人公組織である鉄華団の敵組織であるが、二期では鉄華団の名有りキャラが続々死んでいった一方、ガンダムから致命傷を受けてもなかなか死なない、ガンダム搭乗者で唯一生存したり、鉄華団側のダインスレイヴによる攻撃は外れた一方ギャラルホルン側の攻撃はガンダムに必中する(実際は数を揃えて数撃ちゃ当たるであって必中ではないのだが)など「敵側なのに主人公補正がかかっている」という意見すらあったほどだった。
- 最終回でも結局その構図は覆る事なく鉄華団やマクギリス・ファリドなどの反逆者の戦死をうけてラスタル・エリオンの勝利に終わった(一方でセブンスターズの弱体化は起きている)。
- ただし厳密には、ギャラルホルン側に主人公補正があったと言うよりは、鉄華団側に逆主人公補正があったと言う方が正しい。新選組もの(鉄華団の元ネタ)における新政府軍、ザ・コクピットにおけるアメリカ軍の様に、ギャラルホルンは鉄華団を華々しく散らせる為のギミックに過ぎないのだ。
- 吉良吉影(ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない)
- 何かと強運に恵まれている事が強調されたり、(歪んではいるものの)主人公勢顔負けの強固な不屈心を持っていたり、終盤で主人公にすらない能力がパワーアップする描写があったりするなど作品のファンの中には殺人に手を染めていなければ主人公になれた男という考察まで出ているほど主人公補正がかった描写が多い。
- 過去二度にわたり1VS複数という圧倒的不利な状況で交戦していながら、シアーハートアタックや猫草などでカバーする事でいずれも相手を両者とも死亡寸前まで追い詰めている。特に後者は単純に「自分を探し回っている複数の無傷のスタンド使いに発見された」事と、最後の最後で「救急車の軌道に吹っ飛ばされる」という運に見放された事が敗因となっており、タイマンの状況が続けば主人公にもあと一歩のところで勝利していた事から本来の主人公以上に主人公補正がかかっているとも考えられる。
- 4部はまさに「高い主人公補正を持つ敵に数で応戦する」という主人公補正同士のぶつかり合いを極めた斬新な作品といっても過言ではない。また、キャラ人気が高いせいか主人公を差し置き死後の世界を描いた後日談まで作られている。
- プッチ神父(ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン)
- 歴代主人公を倒して新世界を創る事に成功している。
- エボルト(仮面ライダービルド)
- 悪役であるが上記の吉良吉影同様にこちらも「悪役なのに主人公補正がかかっている」という意見がある。
- ライナー・ブラウン(進撃の巨人)
- 敵なのに負の主人公補正がかかりまくっている人物。後に本来の主人公がラスボスに転じたことにより味方サイドになるが、やはり作者からの歪んだ寵愛は相変わらず。
- クリストファー・ヴァルゼライド(シルヴァリオサーガ)
- 第一作シルヴァリオヴェンデッタのラスボスの一人。どんな事だろうが気合と根性という『意志の力』で何事も成し遂げてしまう英雄であり、そしてどんな事があろうが止まる事が出来ない破綻者(作中では光の奴隷と言われている)
- そのスペックは作者曰く、①格上相手時には、ステータス1.5倍(理屈は不明)②時間経過で継続してレベルアップ(理屈は不明)③敵からダメージを受ける度にレベルアップ(理屈は不明)④相手が覚醒した瞬間に「ならば俺も」と自身も覚醒(理屈は不明)⑤瀕死時「まだだ!」の台詞と共に覚醒(理屈は不明)という、まさしく主人公補正そのものなスペックを持っている。( 上記全ては作中でも意志の力で何故出来るかは理由は誰も分かっていない)
- 作中やらかした事でも、
- ・気合と根性で覚醒
- ・執念という意志力だけで出力差をあっさり凌駕
- ・肉体がひしゃげて破れた肉袋状態という有様であるにも拘らず気合で立ち上がる
- ・ 「この男ならば仕方ない」という理由で物理法則を超越する
- ・ライバルとの融合を成し遂げ、意識は消えるはずなのに融合後も当たり前に残っている
- ・死んだと思ったら、続編で(色んな限定条件付きだが)何か新たな超存在となっていた
- …マジでなんなんだこの男と言わんばかりの主人公補正の持ち主で、この現実に出てきた英雄譚の主人公、ならびに主人公補正の善悪含んだ影響をよく表した人物である。
主人公補正を持っている実在の人物
- イチロー
- WBC決勝戦の10回表にてツーアウト2塁3塁の状況で不調の状態からタイムリーヒットを決めるという現実世界において主人公補正が適用された極めて稀有な例。
- 曽山一寿
- 上記のじーさんの作者だが外へ出かけた時に様々な珍百景を見かけたり、新年会のくじ引きで目玉の豪華商品を当てたりと作者なのに主人公補正が掛かっている。
主人公補正を持っている実在の動物
主人公補正している存在
- フロンティアクオリティ
- ポケモンのバトル施設でお馴染みの現象。主人公ではなくNPC側に主人公補正がかかるという当時としては斬新なものだった。
- 福田己津央
- 彼が監督をしたアニメの主人公は露骨なまでに主人公補正がかかることでも有名。その主人公の中には、現在まで物議をかもし続けているケースも。
- 小松江里子
- 本山一城
- 兼本あつこ
- ガン=カタ
- 映画リベリオン-反逆者-に登場する戦闘術で、敵の銃弾に被弾しないというアクション映画における主人公補正やマンガ物理学に対するエクスキューズの役割を果たしている。
- アメリカ合衆国
- いろんな意味で。奇跡が起こらないなら有り余る財力と軍事力で強引に主人公補正を作ってしまうチート。
関連タグ
主人公 死亡フラグ 生存フラグ 一級フラグ建築士 フラグクラッシャー 根性論 精神論
※対義語:主人公補正ガン無視
外部リンク
こちらでも項目が立てられているが、具体例に関する点に注意。
……とはいえ主人公補正を語るうえで批判と擁護が激しく入り乱れるのはもはや切っても切り離せない問題であり、喧々囂々とした様子は、本記事を取り巻く評判をある意味的確に表している。