概要
お坊さんを憎いと思うと、坊さんの着ている袈裟まで憎いと思えるようになることから。江戸時代の寺請制度により、僧侶の汚職が蔓延したことで生まれたとされる。
袈裟とは僧侶が左肩から右脇下にかけてまとう布状の衣装のこと。
なお英語にも似たようなことわざがあり「彼の踏む地面まで憎い」を意味するTo hate the ground he treads on.がそれにあたる。
詳細
この諺の意味を分かりやすく言うならば、「憎しみによって、対象だけでなくそれに関連する全てを憎む様になった結果、周りが見えない有様となっている」の一言に尽きる。
また、これには怨みへの戒めが込められており、怨みの念をずっと継いで怨みを引きずると、ますます大きなものに膨れ上がってしまい、怨みの対象が何をしていても憎いと感じたり、対象に関わりあるもの全てにも憎いと感じる病のような状態となるとして、そうした不健全な心の状態を指した諺でもある。
怨みを引きずらないようにするには、念を継がないようにすることが大切で、手放せなければ放っておくようにし、時間の経過と共に薄らいでいくのを待つようにすることが有効であるとされている。
逆にいつまでも引きずっているのはその怨みに縛られているということであり、その状態ではいつまで経っても心の自由は訪れないとされる。
そして、その憎しみが更にエスカレートすれば、周囲の人間達からもついていけないものとなり、最終的には「孤立」してしまう事になると言えよう。
また、現代においては特定の作品・コンテンツに対してアンチ行為を繰り返す者への皮肉やネットスラングとして使われる傾向にある。
関連タグ
対義語:あばたもえくぼ 罪を憎んで人を憎まず