根性
こんじょう
元々は仏教用語で、人に備わる感官能力の事(「根」)と、その性質を指していた。時代が経過して、いつしか体育会系を構成する一要素に変わっていったのである。『何事も努力すれば必ず成し遂げることが出来る』という理念の元、効率を度外視してひたすら苦行を積むことで得られる精神である。目標が絶対に不可能であろうと『努力をしている姿勢を取る』というのが重要であり、達成できなかったとしても基本的にはその努力に比例して根性が付くとされる。また根性とは苦行を持ってのみ得られるモノであり、いくら効果的なトレーニングでもそれが『苦行でない』場合は根性論者には『努力をしていない』『甘え』と否定されることもしばしばである。
これが『どんな逆境にも負けない強さ』と美化されて『スポ根』という一大ジャンルが成立。1970年代頃には一世を風靡した。
体育会系の文化はスポーツ界以外にも影響を及ぼしており、営業職やサービス業(飲食や小売など)などには根性論の色彩が濃い企業もある(往々にしてブラック企業の一要素である)。
基本的に根性論は非科学的な精神論である。
根性だけで勝てるなら誰も苦労しないし、もはやスポーツではなくただの根性比べとなってしまう。
命にかかわる病気や怪我などは根性で治せるはずが無く(さっさと病院へ行け)、トレーニングとしては無意味な苦行の末に体を壊したり、過度のストレスが溜まり精神的な障害を患ったり、極端な話死に至ることもあり、「日本の悪習の一つ」と嫌悪を示す向きも多い(根性論が横行しているのは日本でも体育会系限定であるが)。
日本ではなぜか「苦行を繰り返す」の他に「集団で群がりリーダーに絶対服従する」の定義を満たしていなければ努力と認められない風潮も根性論が悪習と見られるその元凶だろう。おまけに効率を投げ捨て順調な成長や長期的な利益を妨げ逆効果となっているなど本末転倒な例も珍しくない。
根性論は自身の無能さや無責任さを全て「(部下に対して)努力が足りないからだ」の一言で一蹴できる事から、現在ブラック企業の社長や、悪徳政治家(特に首相や財務大臣経験者に多く見られる)、DQN上司(自覚無自覚関係なく)に代表される無能な働き者が自身の正当性を説くための免罪符としても悪用されてしまっていたのが昨今まであった。無能な働き者がリーダーに就いてしまうと大抵は的確な指導が出来ない分どれだけ努力をしても報われないという悪夢のようなスパイラルに陥りかねない。牟田口廉也のような奴がリーダーにでもなろうものなら…その分野の道は諦める事を覚悟した方がいいかもしれない。
従来、根性論は体育会系において当然の常識であったが、イチローや桑田真澄など根性論を否定するアスリートも増えており、前時代的な根性論を振りかざすコーチと対立するケースも出てきている。2012年には、高校の体育科や柔道などのアマチュアスポーツで体罰や虐待が横行していることが問題視されるようになり、根性論の文化も批判の対象となっている。
…ただ、フォローすると根性論については、その様な合理性の欠いた努力が批判されるポイントであり、努力する事そのもの自体は決して悪ではないというのは確かである。
疑うべきもの
時代錯誤であったり実戦にそぐわない非効率な方法しかない、「根性を出せば何でもできる」「俺の時代はこれが普通だった」以外に何も言えない(思いつかない)、恐怖や体罰に頼る、健康を軽視する場合は「相手が誰だろうが」まず疑った方が良い。
監督など過去に全国優秀など功績を残した人物=指導者として優秀 …とは限らない。
悪質な場合は録音・録画といった証拠収集も必要である。
スパロボの精神コマンド『根性』
機体のHPを回復させる効果を持つ。基本は30%だが、派生作品では20%〜50%のバラつきがある。
根性(HP)があれば苦難(敵からのダメージ)に負けないわけである。
上位互換としてHPを全快させる『ド根性』も存在する。
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