遊城十代
ゆうきじゅうだい
「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ!」
※:身長以外は漫画版GXで公開されたもので、アニメ版での体重、誕生日(星座)は不明。
かっこいいヒーローやデュエルモンスターズが大好きな少年で、カードの精霊が見える能力を持っている。
デュエリストを育成する学園デュエルアカデミアで個性豊かな仲間達と競いあいながらも、勝敗より純粋にデュエルを楽しむことをモットーとしている。
決め台詞は「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」。
しかしこの純粋にデュエルを楽しむというスタンスは3期以降、『デュエルに伴う大人としての責任』という問題を前に十代を悩ませることとなった。
仲間であるネオスペーシアン達からは「正しき闇の力を持つ者」と呼ばれている。
性格は明朗快活。前向きで向上心があり、どんな苦境にもめげずに立ち向かう精神の持ち主。
その人格は多くの人達に影響を与え、持前の兄貴肌もあって翔や剣山など彼を慕う者は多い。
一方で恋愛には無頓着で理解を示す以前に苦手な様子を見せ、仲間にも結構ドライだったりする。
デュエルに反して苦手な事に対する姿勢は理解に努めたりせず逃避する傾向にあり、要するに『自分のやりたい事だけをやっていたい子ども』なのである。この一面は、アニメの第1期~第2期までは逆境でも挫けない逞しさや純粋さなどプラスの意味で描かれていたが、第3期では一転して自分のやりたい事だけを優先する協調性を欠いた無責任さとして描かれている。
突き詰めて言えば彼は決して責任感がない訳ではなく、責任の取り方が単純なプラスマイナス、後で埋め合わせをすれば良いと言う考えに近い。そのために「失えば取り戻せないもの」がある事を全く考慮していないのである。
こう言った性格の為、自分の過失が自己責任で足りずに他者にも被害が被る事を理解しておらず、仲間の忠告等も結局聞き流してまう場合が多い。
実は幼い頃から精霊が見えていたがある理由で封じられ、アカデミア入学試験のときに武藤遊戯からハネクリボーのカードを貰ったことで再び見えるようになった。
家族構成は両親のみで一人っ子。
両親の人物像は不明だが、鮫島校長に「精霊が見える」と両親が密かに相談していたり、幼い十代がユベルの悪夢に魘される事を心配したりと、家族仲は問題ないように思われる。
座学は苦手なようで、実技以外の興味ない授業中は寝ていたり早弁している。
テニスに野球、ボートやバイク運転などのデュエル以外の特技も多い。
ちなみに遊戯王の主人公はえてして初代をリスペクトしたかのような個性的な髪型にされる(通称「蟹」「海老」「トマト」等々)が、十代は他の主人公に比べると相当おとなしく、現実世界でも通用する髪型をしている。(強いて言えば海月?)
髪型のみならず容姿も中肉中背といった感じで、性格以外にはそれほど際立った個性はない(別にけなしているわけではなく、それが逆に他の主人公との差別化に役立っているのである)。
まあ4期以降は力を発現する時にオッドアイになったり、とても十代とは思えない大人びた顔つきなどの点で容姿にも個性が出てきてしまっているが(後述の「二十代」参照)。
覇王十代
十代の心の闇が作り出した第二の人格。
圧倒的な力で第二の異世界を支配する者。
性格は冷酷かつ残忍で、キーカードは「E-HERO(イービルヒーロー)」、切り札は「超融合」である。
詳しくは覇王十代を参照。
二十代
ユベルと超融合してひとつになり、冷静な大人に成長した4期目の十代。
少年の印象が無くなり、髪型や服デザインが青年版に変化した。
ユベルとの超融合の影響により精霊の能力を得て、モンスターを実体化させる能力を得た。その際にはユベルと同じ右目黄・左目緑のオッドアイになる描写がある。
なお、超融合と言っても完全に一体化というわけでもなく、時にジョジョの奇妙な冒険に出てくるスタンドのように十代のすぐ側にユベルが立つ演出がなされている場合もあり、その際は十代にアドバイスしたりなどまるで保護者か恋人のようである。場合によってはそのままユベルが手から光弾を発射して攻撃することも可能であり、後述の劇場版でも十代の側で見守ったりサポートしたりしているユベルの様子が描かれている。
アカデミア卒業後、ハネクリボーの導きで再会した遊戯に「数々の戦いを経て君は立派な大人に成長したが、代わりに失ってしまったものもある」と告げられ、十代は「過去の武藤遊戯」と再会する。
そしてバトルシティ直後の遊戯と「真の卒業デュエル」を行い、
辛い経験をして忘れかけていた、デュエルを楽しむ気持ちを取り戻した。
詳しくは二十代を参照。
TAG FORCE3の攻略本では「遊城十代(ユベル)」、アプリゲーム 遊戯王デュエルリンクスでは「遊城十代/ユベル」という呼び方を公式がしている。
元々「二十代」という呼び方は公式ではなく、ファンが言っていたのが広まったため一般的になっていた。
劇場版「超融合!時空を越えた絆」
最終回のさらに数年後の設定で登場しており、元の明るくノリのいい性格に立ち戻っている。
職業は宇宙警備員。
遊戯のファンであるところも健在で、ブラック・マジシャン召喚時にテンションが上がる姿も見る事ができる。
大ボスパラドックスと強力ドラゴン相手に高い身体能力と精霊の力を駆使したリアルファイトを繰り広げ、そのシーンは番宣で「バトルシーン」と紹介されていた。
こんな感じで歴代主人公の中でもリアルファイト力・オカルトパワーが高いと言える。
余談だが、上記のようにGxの数年後の後日談でありデュエルアカデミアはとっくに卒業しているはずなのだがなぜかオシリスレッドの制服を着ている(単によくあるクロスオーバーものの作品に多い、視聴者へのわかりやすさ重視で敢えて服装を変えなかっただけの可能性も否めないが、漫画版におけるラストでも卒業後なのにこの制服を着ているため、遊城十代としての象徴と言える服なのかもしれない)。
あと、パラドックスとのデュエルでは遊戯、遊星と共に戦っていたが故に事なきを得ているが、実はひとりだけ彼一人の初手では出せるモンスターカードが無かったという所謂手札事故を起こしていたりする(無論、彼のカード全てがチームの勝利へと直結しているのだが)。
漫画版
基本的な設定はアニメ版と共通しているが一度も「ガッチャ!」とは言わない。憧れの人も武藤遊戯ではなく響紅葉であり、彼のデッキと「楽しいデュエルをしようぜ」というモットーを受け継いでいる。三沢の明日香への恋心に気付いてさりげなくアシストしたり、闇のデュエルを「楽しめないよ」と感じるなどとアニメ版と比べてドライな面は殆ど見られず、常識人の傾向がある(ただし、第1話でデュエルディスクをフリスビーにして遊ぶ一面も持つ)。また、意外と涙もろい。
精霊が見えること以外はいたって普通の人間であり、アニメ版のような覇王の力や前世も無く、ユベルと超融合して人外になること(そもそも漫画版にはユベルは存在しない)も無かった。
卒業後は、プロデュエリストとなっているが、オシリスレッドの制服を着続けていることを仲間達から呆れられていた。
アニメ版
『E・HERO(エレメンタル・ヒーロー)』を中心としたアメコミ風の戦士族デッキ。
融合召喚を主軸にしており、さらには融合素材の大抵のモンスターには必殺カードが多く存在しているため、融合無しでも十分強い。
『ハネクリボー』に関するカードも入っていて、特に『ハネクリボーLV10』などが入っている
第二期ではエースカードの『E・HEROネオス』を手に入れており、『E・HEROネオス』と『ネオスペーシアン』の特殊な融合、コンタクト融合も可能になる。
また、彼の使用するカードの中にはハネクリボー以外にもHERO系以外のカードも入っているが、天性の引きの強さの為に、彼の場合はまったく問題ない。
漫画版
アニメと同様に『E・HERO』を中心とした融合デッキ。
ただしこのデッキは元々、世界チャンプである響紅葉の物であり、幼い頃の十代に相棒のハネクリボーと共に託された物である。
アニメ版のそれと違って融合素材の縛りが緩いことも特徴であり、後にOCG化された際にはアニメ版の象徴的なカードである『超融合』と併せて猛威を奮っていた。
亮帰還記念大会後は、自分自身のHEROとしての印象を表すため『M・HERO』を中心とした新たなデッキを使用。
これらは、『マスク・チェンジ』を始めとした魔法カードによってエクストラデッキのモンスターと入れ替わる変身召喚を軸としている。
Mr.マッケンジー(トラゴエディア)戦では紅葉の力を借りる為に再び使用したが、最期のデュエル後では十代は紅葉が意識を取り戻した為に、彼に返した。
主な使用カード
十代のエースモンスターであり、カードの精霊の1体。
多彩な特殊召喚手段と豊富なサポートカード、そして様々な融合体を駆使して活躍した。
先代決闘王(武藤遊戯)から託された十代の相棒。
「クリボーを呼ぶ笛」とのコンボで数多くのピンチを救った守りの要。
『進化する翼』によって進化した『ハネクリボー』の姿。
攻撃力・守備力共に変わらないが攻撃してきた相手モンスター全てを破壊し、その攻撃力の合計数値分のダメージを与える最強のカウンター効果を持つ。
漫画版でも切り札として登場。
十代の前世からのパートナーであり、3期のラスボス。
子供の頃の十代の切り札で、十代を悲しませた対戦相手を昏睡状態にしていた。
味方としては、カードとしてよりも実体化しての活躍の方が多い。
『E・HEROネオス』と同じカードの精霊であり、ネオスペースからやって来た宇宙人。
十代のフェイバリット・カード。ストーリーの進行と共に噛ませ犬化したものの、多くのデュエルで活躍した実績を持つ。
「フレイム・ウィングマン」と「スパークマン」が融合したモンスター。
エースの一角として多くのデュエルで活躍した。
手札がこのカードだけの場合、特殊召喚が出来る効果を持つ。
アニメでは、自分のフィールド上にこのカード以外のカードが存在しない場合、デッキからカードを2枚ドローすると言う禁止カード並の展開力を持っていた。
見た目はまさにワイルドとも言える大剣を持ったE・HERO。
相手の罠カードの効果を一切受けないと言う、罠カードの天敵でもある。
第一期における十代のエースモンスターにして、融合を除けばE・HEROの中でも最大クラスに入る。
主に『E・HEROネクロダークマン』の効果による生け贄無しの通常召喚が多い。
前の使用者藤原の化けていたカードの精霊であり、後に十代の使用カードとなる。
漫画版におけるエースカード。
元々は響紅葉から託されたプラネットカードシリーズの1枚。
下級E・HEROの中でも高い攻撃力を誇るモンスター。
漫画版とOCG化での効果はまったく違う。
E・HEROと地属性の融合によって召喚された地のE・HERO。
召喚時に相手モンスター1体の攻撃力の半分を奪う。
響紅葉のプロ時代における最強のE・HERO。
漫画版では水属性の数だけ攻撃力を上げる効果だが、OCG版ではさらに強化されて正真正銘の最強のE・HEROとなってる。
PSPのゲーム作品タッグフォースにおいても、主人公としてその存在感をストーリーでいかんなく発揮する。
使用デッキはもちろんE・HERO。ただし3ではネオスを中心としたネオスペーシアンで構成される。
そのせいか1・2では初回ストーリーのパートナーに最適だった彼が、3でのみ高難易度のシナリオも相まって多くの新米デュエリストたちの魂を闇に葬り去ってしまった。
無理もない。
何せストーリー最初のデュエルが、奴との一対一のデュエルなのだから……。
ちなみにどのバージョンでもアニメとほぼ変わらないデッキ構成だが、いかんせんディスティニードローが原作より弱いため、原作ほど強い印象は受けない。
タッグを組む時はこちらもHEROに合わせるか汎用性のあるカードで安定感を出せるよう改造しよう。
特に後半のネオスペーシアンデッキは、地力の低さから改造が急務である。
一方、タッグフォーススペシャルではM・HEROを混ぜたHEROデッキを使う。他のキャラクター達がアニメ由来の第4期・第5期(シンクロ召喚登場以前)のカードを使っている中で、一人だけ第9期(ペンデュラム召喚時代・リンク召喚は未登場)のカードを使っているのでずば抜けて強く、プレイヤーが何もしなくても勝てるほどである。もちろんプレイヤーもHEROに合わせればさらに強くなる。
前述のように通常版とユベルと超融合後の2パターンで登場(別キャラ扱い)。
なお、通常版の十代は遊戯王GXシリーズの解放条件キャラとなっており、ユベルとの超融合後の十代はさらにゲームを進めることで使用できるようになる。
やはりというか、デュエルリンクスのことを「世界中のデュエリストと戦える舞台」として楽しそうにしている。なお、初登場時には他のキャラ達が主に自分達と同じ登場作品のキャラのことを気にかけることが多いのだが、十代はというと一応別作品からの参戦キャラである遊戯と戦えるかもしれないと胸躍らせていたりなど良い意味で十代らしいと言えるだろう。
なお、実際に遊戯とのデュエルでは専用のセリフも用意されているが、後々明かされた各ワールドの構造と、イベントに出張って来るのがユベル融合後の二十代であること、何より異次元世界編は最低でも終えているという時系列を考えると、この十代は記憶から再現された「意志ある虚像」の可能性が高い。
ちなみに、実はゲームにおける十代の台詞のほとんどはタッグフォース1の使いまわし(=フレイム・ウィングマンなどごくごく一部にしか専用台詞がない)なので、ネオス関連やフレイム・ウィングマン以外の融合モンスター、各種サポートカードのボイスが収録されたのはかなり久々となる(ただしコンタクト融合体は全て二十代、一部の漫画版カードは覇王の方に台詞がある)。
遊戯王シリーズの主人公には必ずフルネームに”遊”の字が含まれるが、名前ではなく苗字は彼のみで、名前に遊を含まないパターンは「遊戯王ゴーラッシュ‼」のユウディアス・ベルギャーが登場するまで唯一だった。
仮面ライダーガッチャードの主人公である一ノ瀬宝太郎/仮面ライダーガッチャードとは「口癖が『ガッチャ!』」「錬金術由来の2枚のカードを使う」などの要素から発表時には十代との共通点が話題となり、各種ニュースサイトでも取り上げられていた。なお、十代を演じるKENN氏もビートルクスの声で出演し、まさかの共演を果たすこととなった。
「人からもらった力でデュエルして、本当に楽しいのかよ?そんなに負けるのが怖いのか!オレは負けることなんか全然怖くない。オレより強い奴に会うとワクワクするんだ。
でも今、すっげーピンチなのに全然ワクワクしねえ。お前の力が、本物じゃないからだ!」
「俺はネオスだ。お前もレインを召喚しろ!
レイン…暗黒界の魔神レインは、何度倒しても俺の怒りは収まらない!ぶっ倒しても、ぶっ倒しても、ぶっ倒しても!!俺の仲間たちはもう、蘇らないんだ…」
「カイザー、あんたがその命をかけて俺に教えてくれたこと。そして、真のデュエリストとしての栄光の輝きを。俺は決して、無駄にはしない。逃げない。迷わない。みんなが味わった苦しみ、悲しみ憎しみ、その全てを受け止めて俺は戦う」
「俺はこの強大な力に支配され、自分を見失い、そのために取り返しのつかない多くのものを失ってきた。だが今は、失ってしまった尊い者たちのためにも、今度はこの邪悪な力、覇王の力を支配してでも…俺は、俺の正義を貫く!もう誰も傷つけない!大切なものを守り抜く!」
「人は優しいだけでは大事なものを守れない。俺は大事な仲間を守り抜く覚悟をした。たとえ、鬼、悪魔と呼ばれようと!
俺は今になって知った。覚悟こそ力だ。所詮、仲間との結束を持たないお前に勝ち目はない」
「力を受け入れることによって俺は真に理解した。力とは自分の欲望を満たすためのものじゃない、大いなる使命を果たすためのものなんだ」
「あなたが俺に送ってくれた最高の贈り物、最高の時間。俺は、あなたのおかげで取り戻せた。俺が知らない間に失っていたもの。どんな大人になろうと決して忘れてはいけないもの。もうどんなことがあっても忘れない。どんな時でも、素直にデュエルを楽しむ気持ちを!」
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