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「悪を倒すためなら悪にでもなり、この弱肉強食の世界を力により支配しなければならない」

「その手にあるのは「超融合」のカード。抗う精霊たちを倒し、その命を吹き込んで、カードを完成させるのだ」

「我が名は―――「覇王」。この世界を支配する者」


概要編集

十代の心の闇、第二の人格。

本来の遊城十代の性格からかけ離れた、残忍かつ冷徹な性格の持ち主。

E-HERO(イービルヒーロー)」デッキを操る強力なデュエリストで、切り札は「超融合」。

異世界の支配者で、やたらとトゲトゲしい、何処から持ってきたのかわからない鎧を装備し、扇風機を彷彿とさせる、独特な形のデュエルディスクを用いる。


しかし、「覇王」とは元来、十代の前世から「宇宙が育んだ生命を守ることができる正しき闇の力を統べる存在」とされているものであり、宇宙の生命をすべて抹殺するという目的を持つ「破滅の光」に対抗できる力である。

これについては、第2期の光の結社編でアクア・ドルフィンが十代と初めて出会った際に述べた「宇宙は闇と光があり、闇は生命を育み光は生命を滅ぼそうとしている」という内容と合致している。

ただし、覇王の力を正しく使うには、持ち主の心が大人でなければならない。

それを生まれながらに持っていたのが前世の十代であり、前世のユベルは友人である彼が大人になるまで守り抜くため、自ら現在のモンスターの姿となることを志願。

十代とユベルの愛はここから始まるのだが、この時十代が誓った「永遠の愛」という言葉がユベルを徐々に歪めていき、来世で暴走。


異世界編中盤から、破滅の光(に支配されたユベル)が「十二次元宇宙を統一することですべてを終わらせる」という目的のため、それを成せる「超融合神」を召喚するために必要な「超融合」のカードを生み出させることを目論む。

超融合は「覇王十代の象徴」であるため、心理的に未だ幼い十代の内に眠る覇王の力(本来ならば破滅の光にとっての天敵)を強引に覚醒させ、使命など放棄した暴走状態に持ち込んで様々な犠牲を払わせることで十代にさらなるトラウマを植え付けつつ、「超融合」を完成させようとする。そしてあわよくば、覇王の力を取り込もうとさえしていた。


ユベルとの対決で行方不明となったヨハンの救出を最優先したがために仲間達との絆に亀裂が生まれ、かつて佐藤先生やプロフェッサーコブラが述べた通り、戦いの重圧や責任感に悩み苦む十代自身の心の闇が少しずつ表面化していき、暗黒界の狂王ブロン戦で大切な仲間達を自分のせいで失ってしまう。

その時点では誰もが十代を守ることをしなかったため、孤独と絶望に沈んだ心の幼い十代の内に宿る覇王の力が暴走。

十代の心の闇が幻影となって顕現し、覇王の人格を本来の意図とはまったく違う形で目覚めさせてしまう。


覇王となった十代は、「宇宙が育んだ生命を守る」という目的など全く意に介さず、「圧倒的な力により異世界を統べる」という目的を持ち、様々なモンスターを率いて「覇王軍」を結成。異世界を完全に支配するべく勢力を拡大しつつ、数多の犠牲を生んで「超融合」のカードを完成させる。

(怒りに任せ、残虐非道な振る舞いを楽しむ行為については、第2期の斎王琢磨との最終決戦で彼が指摘していた。)

だが、かつての仲間であるジムとオブライエンによる命がけの説得とオリハルコンの眼の力により、覇王はオブライエンと相討ちになって消滅。

しかし、心の闇が暴走させた覇王が「融合」を用いて犠牲を払っていたことで、遊城十代は「融合」にトラウマを抱くようになる。


その後、遊城十代へと戻った十代は、ヘルカイザー亮が最後に見せた輝きを引き継ぎ、ユベルに憑依された暗黒使徒ヨハンとの決戦で「融合」に対する恐怖を払拭し、覇王の象徴である「超融合」でヨハンをついに奪還。

そして、十二次元宇宙の破滅を企むユベルとのデュエル中、消えていった仲間たちの生存を知ったことで完全復活するとともに、心理的に急激な成長を遂げたことで、ユベルを倒すために十代自身の意志によって覇王が「宇宙が育んだ生命を守る」という使命のもと正しい形で甦り、ユベルと壮絶な戦いを繰り広げた。

この時には十代は覇王の力を自分でコントロールできるようになる。

また、この瞬間から、「正しい闇の力」を受けているネオスペーシアン達は、「正しい闇の力を統べる」覇王との念願の共闘が実現した。

覇王の力を介して自分とユベルの前世のビジョンを見た後は、ユベルの愛を受け止めることを決意する。


ユベルと超融合することでその魂を宿した後も覇王の力はしっかりとその内にあることが、第4期終盤で確認できる。

ダークネス戦前では覇王の眼を輝かせた後にユベルの眼となり、ダークネス戦終盤で人間の心について語る際は、異世界編での覇王十代の姿で、覇王として、大人として語っていた。



編集

使用カード群編集

これまで「E・HERO」を使用していた十代と違い、「ダーク・フュージョン」を専用カードとし、E・HEROの上位互換とも取れる効果を持つモンスターを多く擁する「E-HERO(イービルヒーロー)」という独立したカテゴリを用いる。また、仲間を犠牲に生みだした「超融合」というカードも操る。


彼の使用するカードはOCGでも強力な部類に入り、中でも「E-HERO ダーク・ガイア」と「ダーク・コーリング」は主に2007年後期に【カオスゲート】のギミックを組み込んだ【ダーク・ガイア】で、「超融合」は2010年代中期のトーナメントシーンで使用されていた。


タッグフォースにおける覇王十代編集

異世界編~ダークネス編におけるGXクライマックスを描いたタッグフォース3にて遂に参戦。

パートナーには選べず、とあるイベントでのみ戦うことができる。

だがそれは隠し要素でもなければ終盤に起こるようなイベントではない。

タッグフォースはアカデミアで絶えずパートナーと過ごしながらアカデミアで授業を受けたり旧友とデュエルしながらパートナーと友好を深めて一定の段階ごとにイベントが発生するシステムで、そのパートナーは最初に自由に決めることができるのだが、何とこの覇王戦、十代の最初のパートナーイベントで発生するのだ。

つまりまだろくにデッキ強化も終わっていない段階でこの歴代最凶のデュエリストに挑まなければならないのだ。


「主人公の、しかも最初のイベントバトルなのだから相手のデッキも多少加減されているだろう……」


なんて思う方もいるかもしれないが、残念ながらこの男にそんな情や慈悲はかけらも存在しない。

本作におけるCPUの使用するデッキはその強さに応じてレベル1~10の間で評価されるのだが、このイベントで覇王が要するのは最凶を誇るレベル10の強さのデッキである「覇王の一喝」。

その内容たるや、原作でも存分に暴れたE-HEROに加え、「地帝グランマーグ」と「邪帝ガイウス」という恐るべき帝の一角に「冥府の使者ゴーズ」が控え、挙句「N・グラン・モール」までもが入った凶悪デッキ。

当然「激流葬」や「聖なるバリア-ミラーフォース-」、「大嵐」に「クリッター」といった必須カードも完備した一部の隙もない構成となっており、ハッキリ言って初期デッキで敵う相手ではない

しかも本作はパートナーと協力し合う「タッグデュエル」が売りなのだが、このイベントはプレイヤーひとりで挑むことになる「シングルデュエル」であるために、味方に助けてもらうことすらできない(そもそもパートナーとして助けてくれる筈の十代が覇王となって主人公と敵対しているので当然と言えば当然なのだが)。

よくデュエルを知らない人も、主人公だからと安易に十代を最初のパートナーに選んでしまいがちだが、そんな新米デュエリストたちを恐怖と絶望のどん底に叩き落すのが、この覇王戦なのである(救済措置ではないがストーリーモードで「はじめから」を選択することでデッキや取得カード等はそのままに最初からストーリーモードをはじめられるので、そこで十代以外をパートナーに選んでやり直すことは可能。その際は単純に強力なライトロードデッキ等を使う早乙女レイ等をパートナーに選んでストーリーを進め、十分に勝てるようになるまでデッキを強化してから再挑戦したいものである)。


ちなみに「覇王の一喝」の印象が強すぎてイメージが薄いのだが、フリーデュエルでのみ戦えるもうひとつの彼のデッキがある。

それはデッキレベル8の「覇王の封印」。

これはバグか、はたまた彼に慈悲など無いからなのかは不明だが覇王本人では選択できず、プレイヤー、もしくはプレイヤー作成や他キャラ使用のデッキレシピの中から選んで使わせることができる「茂野間ネオ」に使用させることができるデッキレシピである。

内容としては当然のように「N・グラン・モール」や「クリッター」、「激流葬」や「聖なるバリア-ミラーフォース-」に「大嵐」と言った必須級カードは揃っているものの、モンスターは「E・HERO ネオス」以外の様々なE・HEROとそのダークフュージョンによって誕生する「E-HERO インフェルノ・ウィング」等のアニメでの対ジム戦で覇王が用いたカードと、上記の「帝」や「冥府の使者ゴーズ」が入っていないなど数こそ少なくされているものの「E-HERO マリシャス・デビル」等の対オブライエン戦で用いたカードという、まさにアニメ版の覇王デッキをイメージしたデッキである。

なお、「E-HERO ダーク・ガイア」用に「地球巨人 ガイア・プレート」が入っているが、これはOCGの「超融合」ではアニメのように相手のカードを使ってダークフュージョンができないのでOCG仕様のカードでアニメでの二体を素材とした「E-HERO ダーク・ガイア」を融合召喚できるようにしたためであると思われる。


え?普通イベントで使ってくるのが(覇王デッキの中では)強さ控えめの「覇王の封印」で、イベントクリア後に戦えるようになるのが「覇王の一喝」であるべきじゃないかって?

残念ながらこの男にそんな情や慈悲はかけらも存在しないのである。(二度目)


デュエルリンクスにおける覇王十代編集

2021年2月現在では一応登場している。

オブライエンが使用可能になるイベント「DDキャッスル侵攻編」が同月に開催されていたのだが、その城の形がまんま覇王城で、オブライエンが中心人物で、最上階近くの敵がE-HEROであったことから、プレイヤーからもオブライエンからも覇王が登場する、と思われたのだが登場することなくイベントは終了した。

しかし、同イベント開催期間が終わり、エンディングのストーリーとして覇王の気が強くなっているという旨の言葉をオブライエンが残してイベントが終了したのだが、その最後にチラリと覇王が姿だけを見せている。

上記敵として登場したE-HERO達も専用の融合カードを使用せずにいきなりフィールドに登場していただけだが、今後のイベントにおいてE-HERO達と共にプレイヤー達に絶望を与えに来るかもしれない。


余談だが、十代とユベルが超融合した後の姿(通称「二十代」)は既に「遊城十代/ユベル」という名前で既に登場している。


そして2021年7月末。

夥しい覇王軍を従え、遂にGXワールドにその姿を現した。

城内はおろかワールド外部にまで軍団の兵卒が溢れ出し、異世界編さながらに混乱が起きる中、原作でも従えていた多くの配下の精霊が守る城内の頂上で侵入者を待ち受ける。

この時、GXキャラクターで覇王に挑むと、オブライエンはもちろんのこと、ほぼ全員に個別の会話イベントが用意されている。

これは以前5D’sワールドでブルーノ登場イベントがあった際に

「ブルーノの正体と結末を遊星がみんなに説明していた」という前提で用意された会話イベントが好評だった事が影響していると思われる。

当時のGX異世界編を知っているファンにとっては、正しく夢の対決が実現するので、強敵だが是非挑戦をオススメしたい。


なお今回登場した覇王の正体は、オブライエンによれば「自分たちの記憶からバーチャルの存在として再現された異世界編当時の覇王」とのこと。

明言されていないが、DSOD側で海馬が闇遊戯を再現するのに使い、リンクスの各ワールドを構築している「バーチャル・リアリティ・ソリッド・ビジョン」によるものと思われる(この他斎王やダークシグナーなども同様と考えられている)。


オブライエン「恐らくお前は俺達の記憶の残照……。『あの時』の十代ということか」


エド「面白い。E-HEROとは一戦交えてみたかった」


翔「ボクはもう傍観者じゃない! ボクだってデュエリストだ!!」


ヘルカイザー「あの時はオブライエンに譲ったが……、今度はその心の闇の力、オレが!!」


三沢「(十代は共にいるというのに、あの覇王は何者だ……?)」


剣山「お前はアニキじゃない……! オレの中の恐竜さんのDNAがそう言ってるザウルス!!」


レイ「十代様はこんな酷い事しない! お前は、十代様じゃない!!」


明日香「翔君に聞いてはいたけれど、本当に貴方だったのね……」


万丈目「何だその黒ずくめの格好は。お前が好きなのは『オシリス・レッド』だろうが!!」


クロノス「道を外れた生徒を正してあげるのも、教師の務めナノ~ネ!!」


ユベル「君とボクも同じような存在だろうね」


斎王「フハハ、結局お前も破壊衝動の闇に堕ちたという事か。破滅の光に身を委ねていればよかったものを」


ヨハン「オレも仲間もみんないる……。お前が助けたんだぞ、十代!!……まあ、無駄だろうがな」


十代「オレは、心の闇には堕ちない! 絶対に!!」


二十代「お前もユベルもオレの中にある。戯言を聞く気はないぜ、偽者!!」


関連タグ編集

遊戯王GX 遊城十代

 

対峙したデュエリスト達:ヨハン・アンデルセン ジム・クロコダイル・クック オースチン・オブライエン ユベル

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