概要
海馬瀬人が開発した次世代型ソリッドビジョンシステム。原作では決闘盤(デュエルディスク)とも表記される。
従来のソリッドビジョンシステムは設置型の大掛かりなものだったがコンパクト化に成功したことにより、これがあればどこでもデュエルができるカードゲーム補助装置となった。
「カードゲームは座って行う」というイメージに一石を投じ、原作漫画での迫力ある描写に一役を買った装置といえるだろう。
原作では決闘王国編で出た初期型とバトルシティ編に出た画一モデルの2パターンしかないがアニメ版や『GX』以降のシリーズでは様々なバリエーションが登場しており、キャラの個性を出す演出にも一役買っている。
主な種類
遊戯王
初期型
左腕にデッキホルダーを装着し、カードプレートにカードを置き、地面に投げることでソリッドビジョンが表示されるというもの。
海馬はハイパー・3D(スリーディメンジョンス)エンジンで高速処理し、VIIエミュレーターでモンスターを立体幻像(ソリッドビジョン)化させると説明。意味が理解できなかった城之内克也は闘うカップ焼きそばと支離滅裂な例え方をした。
エキスパートモードにするとカードも立体映像化され、リバースカードにも攻撃可能となるがこのシステムに関しては海馬はカードのソリッドビジョンでプレイヤーの顔を隠すことでペガサス・J・クロフォードの予知能力(実際はマインドスキャン)に対抗するためのものでもある。
海馬の考えを読んだペガサスはマインドカードで抜け殻状態の海馬モクバを使って、トム同様に代理デュエルを行うことにしたことで海馬はやむを得ず、ディスクを引っ込め、これまで同様に設置型のソリッドビジョンシステムを使って、デュエルを行い、敗北を喫することになった。
なお、海馬コーポレーション掌握を目論んでいたペガサスの狙いはデュエルディスクであったことがこの後に判明するのだがその真意は…
劇場版・初期型
海馬が闇遊戯とのデュエルにおいて使用。
こちらは投げつける必要はなく、カードそのものが大型立体映像と化す。
次世代型
カードプレートとデッキホルダーが一体化し、投げる必要がなくなった。
あまり知られていないがモンスターカードゾーン・魔法&罠カードゾーン・フィールドカードゾーンがそれぞれ区別されておらず、全カードが最大5枚までしか出せなかった。
闇遊戯いわく、「カードが剣ならデュエルディスクは盾」
アニメ版と異なり、カードプレートは可変しない為、城之内は牛丼屋で食事中、プレートを隣の客に当ててしまい、店員に注意されたこととサービスのおしんこのためにやむを得ず外すがそれが災いして、インセクター羽蛾に雇われたスパイの少年に盗まれ、寄生虫パラサイドを入れられる羽目になってしまう。
漫画版遊戯王GXにも登場。
ちなみに「これって高いんでしょ?」と十代(幼少)が発言している。
アニメ版次世代型
デュエルディスクといえば大体この形状が頭に浮かぶだろう。
原作版とは異なり、それぞれのカードゾーンがばっちり区別されており、最大で11枚カードが置ける。プレート可変機構によって、折り畳みも可能となり、ソリットビジョン投影機も付いている。
(ソリットビジョン投影機の射出描写は数回も無い、その存在も中途から省略するですけど。一応映画「光のピラミッド」にもピックアップする。)
元々はバトルシティ参加者用でパズルカードが1枚付属。レベル5以上のデュエリストに無料配布された。
大会後、海馬コーポレーションが安価で販売。
このタイプのデュエルディスクは遊戯王GXや遊戯王5D'sでも登場している。
特に5D'sの遊星はこれをベースにDホイールとのハイブリッド仕様へ改良している。
アニメ・ドーマ編
武藤遊戯たちが使用するタイプのものとは異なるデュエルディスク。
秘密結社ドーマに所属するデュエリストは例外なく装備しており、作中では首領のダーツは勿論のこと、その配下及び幹部であるラフェール、アメルダ、ヴァロンも使用している。
普段はコンパクトな状態になっているが、デュエルをする際にはモンスターカードゾーンが刃のように伸びて展開されるという独特のギミックが働いて、イラストのような状態になる。
THE DARKSIDE OF DIMENSIONS
本作では約5種類のデュエルディスクが登場。
1つ目は劇場版が原作後の物語ということで城之内が持つ変形しない旧来のデュエルディスク(パンフレットや資料集で表遊戯が身に着けているのもこのタイプ)で城之内のものは手に入れてから1年しか経っていないはずだが、既に故障が目立つらしく、本田ヒロトに修理を頼んでいた。なお、下記に書いてある変形するアニメ版とは細部のデザインが明確に差別化されており、こちらは変形しない為、ディスクのカードプレート部分の切れ目が存在しない。
2つ目はパワービジョンで再現したアテムが使用したアニメ仕様の次世代デュエルディスク。原作時系列にもかかわらず、アニメ版のディスクが登場したのはデュエルモンスターズ視聴者へのファンサービスだと思われるが空白の期間の間にアニメ仕様の次世代ディスクが開発されたと考えても不思議ではない。
3つ目と4つ目は表遊戯と海馬の使用する新型デュエルディスク。使用時にはZEXALに登場したD・ゲイザーに役割が近いデバイスを頭部に着けるが付けなくてもデュエル自体は可能。
海馬のディスクはデータ化した非実体のカードを使用し、カードプレート部分や手札は空中投影ディスプレイに基本的に表示されるようになっており、相手から渡されるなどして、実体のカードを持ったり使用したりすることも可能。さらに自我の増幅効果があり、藍神による低次元送還に耐性を発揮していた。
遊戯が海馬から受け取った新型ディスクは形状こそ、海馬のものと似ているものの旧来と同じくカードプレート部分も実体型であり、現実のデッキを使用する。こちらは折りたたまれており、使用時にディスクが展開する。ちなみにこのディスク展開とデッキ挿入シーンは高橋和希先生が原画を担当している。
藍神のデュエルディスクは彼が持つ量子キューブが変形したものでキューブがディスク型に並んだものとなっている。
遊戯王GX
デュエルアカデミア仕様ということになっているが、外部のデュエリストも使用している。
3年目の後半では各寮ごとに青・赤・黄色のラインが入っているのが特徴。オシリスレッド生がなぜか十代しか登場しないため、赤いアカデミアディスクは事実上の彼専用ディスクとなっている。
GXでは他にも個性的なデュエルディスクが揃っており、中でもオブライエンの使用する銃型デュエルディスクは印象的だろう。
遊戯王5D's
一般普及型
十六夜アキを始め、大抵のデュエリストはこれを使用している。動力源には、小型化したモーメントを内蔵している(動力源か明記されたのは初)。
龍亞・龍可のデュエルディスクは、このタイプを遊星が軽量化した物となっている。
遊星Ver.
基礎になったのは海馬コーポレーション仕様だが、D・ホイールとの組み合わせも可能なハイブリッド仕様に改良している。なんと主人公・不動遊星はこれを自作しており、「マルチデュエル用音声ネットワーク」というトランシーバー的機能が搭載されている。
その他
D・ホイーラーは基本的にD・ホイールのデュエルディスクを使用しており、それとは別にスタンディングデュエル用のデュエルディスクを持つ。ただし、ごく稀にライディング及びスタンディングに対応したハイブリッド仕様を愛用する者もいる。中にはシェリー・ルブランの様にスタンガンを搭載し、武装しているタイプもある。
満足町編ではリボルバー式拳銃型のデュエルディスクも登場しており、回転式シリンダー部分にデッキを入れ、手首に装着した瞬間自動的に銃身部分が展開してデュエルディスクの形状になる。
遊戯王ZEXAL
「D・パッド」の機能の一つとして登場。
D・パッドは現実世界のスマートフォンやタブレットPCに近い役割を持つガジェット。
デュエルを行うときはD・パッドを腕に当てると内蔵されたアームバンドが展開され固定、折りたたまれていたカードプレートが展開され、いつものデュエルディスクに近い形となる。
一部のキャラクターのみ従来と同様のデュエルディスクを使用するが、使用する人物は何かしら異世界に絡む者が殆ど。
ZEXALの世界ではソリッドビジョンではなくARビジョン(拡張現実)を採用しており、デュエルに参加・観戦していない人間からは映像が見えない。
ARヴィジョンを見るためには、モノクル型のゴーグルであるD・ゲイザーを装着するか、同様の機能を持った技術、異世界の超能力を使う必要がある。
遊戯王ARC-V
今作においては、質量を持った立体映像「リアルソリッドビジョン・システム」を利用したアクションデュエルが登場しており、システムから投影したモンスターやフィールドに直接触ったり、乗ったりすることができるようになっている。
ただし、スタンダードにおける「リアルソリッドビジョン・システム」を搭載した装置がデュエルディスクと連動して発生させているため、単体ではこれまでと変わらない。
質量を持つソリッドビジョンが開発された経緯など、未だ明らかになっていない部分も多い。
物語の中盤ではデュエルディスク単体に「リアルソリッドビジョン・システム」を搭載した異世界のデュエルディスクが登場しており、スタンダードのランサーズもアクションフィールド展開を使った実質的なデュエルディスクへの導入を行っている。
今作のデュエルディスクは、カードプレートもソリッドビジョンで生成されているため、デッキホルダーが展開前のD・パッド同様にコンパクトなものになっている。ペンデュラム召喚は当初は遊矢だけが持っていたカードだったが、なぜか問題なく機能していた。
なお、生成したカードプレートでチャンバラもできる。最早デュエルディスクも剣なのだ。
生成されるカードプレートの形状は、ごく一部の仕様では独特なデザインを持つ。
融合次元編における遊勝と零王の回想では、「リアルソリッドビジョン・システム」が発展する前のスタンダードにおいてバトルシティタイプが使われていることが分かる。
漫画版でもカードプレートはリアルソリッドビジョンのディスクがほとんどだが、アイザックが使用するディスクは実体型でペンデュラムゾーンが追加されたものとなっている。新マスタールールではペンデュラムゾーンは統合されて、新たにエクストラモンスターゾーンが追加されているとか言ってはいけない
遊戯王VRAINS
デッキホルダーのある旧式モデルと「データカード」を用いる新型モデルが存在する。
新型モデル
デュエルのサポートをしてくれるAI(人工知能)が標準で搭載されている。
カードプレート部分は生成しないらしく、若干寂しいものとなっている。
ディスクからリング状のオブジェクト(設定資料では「デジタルカードスロット」)が出現し、デッキ・エクストラデッキ・墓地の各スロットを回転で切り替えて、そこの穴からカードを出し入れするという仕組みになっている。
手札は手に持たず、デュエリストの目の前で表示され、カードをタッチパネルのように操作することで召喚や効果の発動を行う。
旧式モデル
系統的にはARC-Vのデュエル時にカードプレートを生成するタイプだが、今作のデュエルはVR空間という環境下になっており、デュエルする際に生成する。
このデュエルディスクを持っている主要キャラはPlaymaker、Soulburner、草薙翔一のみである。Aiや不霊夢の住処になっている。1期ではハノイの騎士がPlaymakerを探すために旧式のデュエルディスクを持ったモブキャラを襲う「アナザー事件」を起こしている。
3期に登場する人間態Aiが使用する専用のデュエルディスクのモデルにもなっている。
本編を見る限りでは『旧式デュエルディスクのカードプレートにはメインモンスターゾーンのカードが置かれているが、新しく導入されたエクストラモンスターゾーンのカードはカードプレートには置かす、魔法カードを発動するときはカードプレートに置かれる。』としか見えないのだが、実は設定資料にこれらのカードの置き方が確認できる。
その資料によると、「旧式デュエルディスクのカードプレートはスワイプによってカードプレート切り替えを行い、メインモンスターゾーン、エクストラモンスターゾーン、魔法&罠ゾーンのそれぞれにカードが置かれる。」と設定画に記載している。
遊戯王SEVENS
王道遊我の改造により、ラッシュデュエル用のデュエルディスクに変化し、形状も7と化す。
当初は遊我と初のラッシュデュエル対戦相手であるホログラムの男のデュエルディスクのみだったが遊我がホログラムの男に勝利した後にゴーハ市のデュエルディスクもラッシュデュエル用に変形した。
霧島ロミンが使うギター型など、個性的なディスクを使用するキャラも存在する。
重機型
重騎デュエルクラブが使用するデュエル装置。
外見は重機だが、デュエル装置としてはデュエルディスクというより初代遊戯王のソリッドビジョンシステムと操縦できる乗り物を組み合わせたデザインとなっている。誰が言ったか重騎デュエルアクセラレーション。
原型はムツバ式移動デュエル装置と思われるが、詳細は不明。
遊戯王ゴーラッシュ‼
遊戯王SEVENSと同じくラッシュデュエル用のデュエルディスクだが、こちらはGの形となる。
しかし、ユウディアスのみ前作の7の形のデュエルディスクを所持。
立体化
2019年に「PROPLICA デュエルディスク」として、プレミアムバンダイ限定販売でバトルシティ編のデュエルディスクが立体化された。価格は2万円越え。やっぱり高かった(当たり前である)。
音声には、開発者の海馬の録り下ろしボイスが収録されている。一方、やはり事務所の関係で闇遊戯のほうは収録されなかった。